プロローグ
私は何を間違ってしまったのでしょうか…。
「サフィシル・トワイライト、おまえとの婚約を破棄する!」
フーゼルス様は何をおっしゃっているのでしょうか。
「申し訳ございません。もう一度おっしゃっていただけませんでしょうか。」
信じられない言葉が聞こえた気がします。
「何度も言わせるな!お前はここに居る聖女アイリーをいじめただろうが。そのような女は王妃にはふさわしくない。よっておまえとの婚約を破棄し、聖女アイリーとの婚約をここに宣言する!」
なぜ、なぜなぜなぜ…。
心はもう限界ですわ。本当は倒れてしまいたいのですがそういうわけにも参りません。私はこの国の公爵令嬢です。ここで倒れてしまうことはできません。
「申し訳ございませんが、私が行ったいじめは具体的にどのようなことでしょうか。心当たりがございません。」
必死にフーゼルス様に聞き返し婚約破棄を阻止しようとします。
しかし、フーゼルス様は聞き入れてくださいません。それどころか
「まだしらを切るか…。正直に認めたのならば、おまえの今後に少しは考慮してやろうと思ったのだがな。サフィシル・トワイライト、おまえとの婚約は破棄、そして聖女アイリーを新たな婚約者とする。これは決定事項だ。また、聖女であるアイリーに対して陰湿ないじめを行ったことについては追って沙汰があろう。」
フーゼルス様はそう言い切られて、話は終わったとばかりにアイリー様を伴って立ち去られてしまいました。
そこから先のことは全くわかりません……。