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【201 クリスマスの計画】

この世界にはクリスマスというものは無いそうだ。


考えてみれば、それもそうだと思う。

だって、クリスマスにつながる歴史がないのだから。


でも、私が日本でのクリスマスの事を話すと、みんな興味を持ってくれて、ぜひやってみようという話しになった。



役割分担は、私とジャニスさん、メアリーちゃんの三人は食事の準備をする事になった。


トロワ君とキャロルちゃんを中心に、子供達には飾り付けをお願いして、ブレンダン様には当日まで、できるだけ、スージーちゃんとチコリちゃんのお世話をお願いする事になった


二人とも、もうすっかり歩けるようになって、何にでも興味を持って触りたがるので、子供達の面倒を見れる人が少ない時は、ベビーサークル使っている。

大人の腰の高さくらいで、150cm四方くらいの広さの物だ。


ブレンダン様が孤児院を建てた頃に街で買った物のようで、今、孤児院にいる子供達はほとんど全員これを使ったそうだ。

とても思い出深い品物のようで、サークルの中で遊ぶ二人を目を細めて眺めている。



クリスマスプレゼントは、女性陣はマフラーを編む事に決めた。


何にしようか相談していたら、メアリーちゃんが、ウィッカーさんにマフラーを編むと言った事がきっかけだ。


実は、私は編み物ができない。だから、どうしようかなと考えていたら、メアリーちゃんがお手伝いするから、一緒に編みましょうと言ってくれたのだ。

料理も上手で、編み物もできるし、本当にメアリーちゃんはすごい。ウィッカーさんは幸せ者だ。


マフラーは普段の仕事の合間に作っても、一週間もあればできると言うので、私はメアリーちゃんに習いながら作る事にした。


ジャニスさんとキャロルちゃんも、得意ではないと言っていたけど、一応自分でできるみたいなので、この世界の女の子は、お裁縫ができる子が多いみたいだ。


考えてみると、日本にいた頃は、衣類は傷ついたり、汚れてしまったら、捨てるか売るかの二択で、直して使うという事はあまり考えた事がなかった。

家電類はともかく、衣類、特にカジュアルは何万もするブランドでもない限り、修理を考えない人が多いと思う。



だからリサイクルショップに、あんなに古着が持ち込まれるのだ。

どんなに買取が安くても、捨てるよりはマシという事なんだろうけど、ゴミ袋にギッシリ詰まった服を見ると、ちょっと溜息は出た。


物が豊富な日本だからこそ、使い捨てが当たり前になっていたのだと、この世界に来て実感できた。


でも、この世界は違う。

子供達はみんなおさがりを着ているし、破れれば縫い繕う。何度も再利用し、そして着れなくなった服は雑巾にするのだ。


それだけ物を大切にしているのだ。


私は、この世界にこそリサイクルショップが必要なのではと思った。


この世界の人は物を大切にするので、必要が無くなっても、何かに使えるかもしれない。誰か必要な人がいたら。と考えて、いつまでも大事にしまって置く人が多いのだ。

それならば、リサイクルショップがあれば大いに街に貢献できると思う。


私には、日本で働いていた経験がある。だから、この世界でリサイクルショップを始めてもやっていけるのではないだろうか。





夕方、掃除洗濯など一通りの仕事が終わり、私は自室でメアリーちゃんに、さっそく編み物を教えてもらっていた。


「ヤヨイさん、どうかされましたか?」


メアリーちゃんが、小首を傾げて私を見る。

考えていた事が、つい顔に出てしまったみたい。


「えっとね、今回手編みのマフラーを作ろうって決めてから、ちょっと考えてたの。この世界でリサイクルショップを始めたら、きっと街のみんなの役に立つし、楽しいだろうなって」


「リサイクル・・・ショップ、ですか?それはなんですか?」


リサイクルショップを知らないメアリーちゃんに、私はどういうお店かを説明した。


いらなくなった物を買い取って、それを必要とする人に売る。

一言で言えばそれだけなのだけど、私が日本で働いていた時の体験談も混ぜて話すと、メアリーちゃんは興味津々になり、編み物の手を止めて二人で時間を忘れて話し合った。





「それで、その女の子の白クマさんはどうなったんですか?」


「うん。お裁縫の得意な人がいてね、その人がその場で縫ってあげたの。だから、引っ張った男の子とも仲直りして帰って行ったよ」


「それは良かったです。ニホンでは、白クマのポーさんは、とても人気があるのですね。男の子でも欲しがるなんて、一度見て見たいです」


北海道から生まれた大人気キャラクター、白クマのポーさんは、白クマに丸みをつけて、可愛らしくデフォルメしたデザインだ。キラキラしたビー玉のような目が愛くるしい。


元々は町おこしのゆるキャラだったけれど、全国的にヒットして、アニメにまでなったのだからいかにすごいか分かる。


鮭が大好物という設定で、年末年始は、ポーさんが可愛い外見とは裏腹に、新巻鮭にかぶり付くぬいぐるみなんかも、クレーンゲームにでてくるらいだ。



リサイクルショップ ウイニングで、ポーさんのぬいぐるみが、幼稚園くらいの子供達で取り合いになり、女の子が離さなかったので引っ張った男の子が、ポーさんの腕の付け根を少し破いてしまった時の話しを聞かせた。


幸い、スタッフで編み物が得意な女の子がいて、その場で綺麗に直し、男の子は謝って女の子が買っていったという話しだ。



「メアリーちゃんなら、作れるかも。デザイン自体は、そんなに複雑じゃないんだよ。白い綿のかたまりみたいな感じだから。あ、私ポーさんの絵くらいなら描けるよ」


私は子供達が使ったお絵かき用の紙を取り、まだ空いているスペースにポーさんのイラストを描いた。

ウイニングで働いていた時に、POP作りもやっていて、ポーさんはよく描いていたから少し自信がある。

ちなみにポーさんぬいぐるみは基本高価買取りだ。季節にもよるけど、冬になると縁起物の扱いになって、荒巻鮭をくわえたポーさんは、非常によく売れていたからだ。



「か、可愛いです!これが白クマのポーさんなのですね!子供達に人気があるのも分かります!」


定番の、ポーさんが純真無垢な笑顔で、鮭にかぶり付く絵を描いて見せると、メアリーちゃんは目を輝かせた。


「メアリーちゃん、すごいポーさん気に入ったみたいね。なんだか嬉しいわ」


「ヤヨイさん!これはジャニスさんとキャロルちゃんにも報告ですよ!こんな可愛いクマさんがいたなんて!」


私ちょっと行ってきます!そう言い残すと、メアリーちゃんは席を立って、ジャニスさん達を探しに行ってしまった。


メアリーちゃんは予想以上にハマったようだ。

一人残された私は、編み物の続きをやろうとしたけど、さっぱり分からないので、メアリーちゃんが戻ってくるまで、余っている紙に色々なポーさんを描いて時間を潰した。


戻ってきたメアリーちゃんと、ジャニスさん、キャロルちゃんがその絵を見て、可愛い!と声を上げたのは言うまでもない。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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