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1125 メンバー分け ③

誤字を見つけたので訂正しました。内容に変更はありません。

「へぇ・・・あのフェリックスが黙らされた。気弱な子だと思ってたけど、けっこう強いじゃねぇか」


ルナに正論で押し込められるフェリックスを見て、ヴァンは腕を組みながら感心したように呟いた。


「この環境に慣れてきたってのもあるでしょうけど、彼女、元々はああいう性格なんでしょうね。素の自分を出せるようになったというのは、いい変化だと思いますよ」


フェンテスも同意しつつ、フェリックスをなだめるルナを感心するように見ていた。


視線の先では、さっきまで意気揚々と生意気な新入りを潰した事を語っていたフェリックスが、ルナの話しに神妙な面持ちで耳を傾けている。


決してフェリックスを否定せず、しかしどうすればもっと良い関係を築いていけるかを自覚させる。

ルナの話し方、雰囲気、そして今日まで培った信頼関係、こういった者が相まってフェリックスの心を開かせているのだろう。他の人間にできる事ではなかった。



「しかしよぉ、前から思ってはいたんだけど、やっぱフェリックスのヤツ、ああいうとこあるよな?容赦なくいたぶるって言うか、ちょっとヤベェよな?」


ヴァンが耳打ちするように、ヒソヒソと小声で話すと、フェンテスも苦笑いを浮かべながら小さく頷いた。


「隊長もハッキリ言いますね?まぁ、はい・・・その点は俺も同意です。新入りをしばき倒した事を、あんなに嬉々として語るとは思いませんでした。あの方はちょっと危ないですね。まぁ、うまく彼女が押さえてくれて良かったですよ」


保護されている立場からか、ルナはいつも控えめにたたずんでいた。

だが数か月の王宮暮らしで環境にも慣れ、一日の大半を一緒にいるからか、フェリックスに対しては堂々と意見を口にする事が増えてきた。

大切な友人が帝国に囚われている事で心を痛めているが、少しづつ本来の自分を取り戻しているようだ。


「そうだな、フェリックスは生い立ちも関係してんのかもしれねぇけど、これ以上やったらヤバイってとこを平気で超えてくっからな。でも、あの闇の巫女ルナが来てからちょっと変わったかもしれねぇ。あんな素直に話しを聞くとは思わなかったぜ」


「はい、彼女がフェリックスのストッパーになってくれる事を期待しましょう」







フェリックスの単独演説が続いた事で、アンリエールは話しの腰をすっかり折られてしまい、しばし苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

しかし、それに真っ先に気が付いたルナが謝罪の言葉を述べ、フェリックスも続いて頭を下げると、アンリエールは一つ咳払いをして話しを戻した。



「コホン・・・フェリックス、以後気を付けるように。では話しを戻しましょう。北のユナニマス大川へは、先程申し上げた五名と第三騎士団、そしてレイジェスからは、アラタ・サカキ。カチュア・サカキ。ジャレット・キャンベル。シルヴィア・メルウィー。ジーン・ハワード。以上のメンバーで、北のユナニマス大川攻略を命じます」


名前を呼ばれたレイジェスのメンバー達が、胸に手を当て頭を下げると、アンリエールは全体を見渡して言葉を続けた。




「北のユナニマス大川には、帝国軍第六師団が配置されたそうです。第六師団長は帝国軍白魔法兵団団長でもある、シャンテル・ガードナー。一番戦闘に不向きな白魔法使いでありながら、帝国で一番人を殺したと言われる恐ろしい女です。それがどういう方法で行われたのか、残念ながらシャノンさんの調査書でも不明との事でした。アゲハが帝国にいた頃は師団長ではなかったそうでして、名前も初めて聞いたそうです。残念ながらシャンテルについての情報は少ないのですが、殺人の手段は十中八九、なんらかの魔道具によるものだと考えていいでしょう・・・」


シャノンの調査書とは、シャノンの右腕アブエル・マレスが、帝国に潜入して集めた情報をまとめたものである。密偵として並ぶ者がいない程の優れた能力を発揮し、帝国の現状を調べ上げたのだが、それでもシャンテル・ガードナーの魔道具は判明できなかった。


しかしシャンテルが帝国で一番人を殺しているのは間違いないらしく、それならずいぶん怖がられているだろうとマレスは思った。


だがマレスの考えは、半分は当たっていたが半分は外れていた。


シャンテル・ガードナーへの調査を進めていくと、帝国の国民は確かにシャンテルを恐れていた。

当然だろう、帝国で一番人を殺した女などと呼ばれているのだから。

だが恐れつつも、皆一様にシャンテルを敬っている事が感じ取れたのだ。



確かにシャンテル様は怖いかもしれない。だけどそれ以上にあの方はお優しい。


シャンテルについて訊ねた帝国民は、誰もが口を揃えてそう答えた。



そしてなぜシャンテルが一番人を殺したと言われているのか?

それを問いかけても、答えをくれる者はいなかった。


これがアブエル・マレスが帝国でシャンテルについて集めた情報である。



「白魔法使いとしては、数万の白魔法兵の頂点に立ち、尚且つ師団長になる程の実力者。そして国民からは敬愛と畏怖の感情を同時に持たれる存在、それがシャンテル・ガードナーです。いったいどういう人間なのか?私には彼女の顔が全く見えません・・・くれぐれも気を付けてください」



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