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運び屋  作者: Room mate
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運び屋の日常

戦争孤児であったところをボスに拾われた俺はマフィアとして裏の世界で生きている


この街ダヴィラは当時マフィア同士の抗争が酷かったものだ


5年前やっとボスのマフィア 「クラブルタル 」が街を統治し当時はスラム街と同等の治安であったダヴィラも回復し銃撃痕や血の跡なんかが街で見られることはなくなった


少なくとも親父が影響しているのは確かだが、近年は犬が活発化している影響もあるだろう


それから俺は薬の運び入れや密入国者や奴隷の輸送などの仕事を親父に任されて2年

やっとこさ板についてきたこの仕事はもはや俺の日課の一部といっても過言ではないだろう


ここ数年はあの血生臭い匂いは嗅いではいないし周りの仲間が突然死ぬようなこともない

あってもヘマして犬に集られるくらいだが、ウチの構成員から狐が出ることはほとんどない捕まっても務所落ちすることもほぼ無いからな


深夜を2時を回ろうとする雨の降る真夜中俺の元にボスから仕事の依頼が届いた


依頼内容を承諾しバンの荷台にいる男が視界に入る

輸送する奴は大体ロクでもない奴だ借金まみれでうちから逃げようとした奴、自殺希望者…たまに狐がいるが殆どが救いようのないクズであり服装は乱れ暴言を散らすなど日常茶飯事である


…がどうやら今日は例外のようだ

その男は服装は整い自分が今からどこにいくかを自覚しているはずなのに落ち着いていて

なにかヘマをした感じは見受けられなかった

そして何より裏世界とは全く関わらずに生きてきた目をしている少しでもこちらの世界に関わっている奴は目が淀んで見えるものだ


「親父が急に依頼だなんて珍しいな」


「仕事中はボスと呼べケイブ…まぁ誰もいないからよいか」


「親父はもっと慎重な男だと思ってたんだかなあまり大胆だと猫に嗅ぎ回れるぜまぁこの時間なら犬も猫にもバレることはないだろうけど」


俺の疑問はほかの構成員が見ても誰もが思うことだろう、親父「リチャード・ファルテマ」は頭が冴える


時に残酷な判断を仰ぐこともある事からハゲワシとこの街では呼ばれているが、親父はその二つ名が気に入るはずがないのは親父を見れば…一目瞭然だろう


そんな親父が綿密な計画も無しに依頼をした時は驚きを隠せなかった


「深い詮索は避けることだ…消えたくないだろ?」


実の息子ではなくとも自分の育てた子にこの言いようであるある意味関心すら覚える


「へいへい 了解した 場所は屠畜場だな?」


「ああ…ゴホゴホ」


実りのない話を終えてバンに乗り込もうとした時


「あとだ…まだ遅くない 彼が辞めたいといえば辞めさせて構わんそこら辺に放ったらかして帰ってこい」


聞き間違えかと振り向き親父ははっきりそう言ったという事実に脳で変換されていく


「了解」


それ以上親父と話さなかった

いつも厳格な親父の顔はどこか悲しげな顔をして男を見つめていた


バンを始動させ夜道を走って行く

静かな夜にバンは溶け込んだ


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