終わりの始まり
「どうして……」
「天使君!?」
「クソッ!」
「やめるんだ天使君!!」
頭の中に何かが響いている。そんな気がする。
この声はどこかで……? そうだ! クラスメイトの……。
やっと何かを思い出せそうなそんなときに。
『殺せ!殺せ!』
殺す? なぜ?
『目の前にいるのは貴様の敵だ!』
敵?そんなはずはない。彼らは僕の…。
『殺せ!殺せ!』
僕の…。
『殺さなければ……』
なんだっけ?
『殺されるぞ!』
殺される?嫌だ。まだ死にたくない!殺される位なら…。
「お前らぶち殺してやる!」
「どうしてこんな事を…。僕たちがなにをしたというんだ?」
勇者達の中で特に目立つこともなく、また、完全に陰に隠れていたわけでもない精霊魔術師 天使 零に問う。
それに対して天使は、
「なぜか?そんなこともわからない糞野郎共は僕が駆逐する!死んで思い出せ!おまえ等が僕にどんな仕打ちをしたのかを!」
っと、答えた。いや、答えたというよりも恨みを言われたという方がたぶん正しい。
確かに時々、彼が勇者達の中でも不良と呼ばれる奴らに絡まれているのを見たことはあるが、だからといって殺しにかかってくるほどではないと思う。
「すまないが分からない。たぶん、死んでも思い出せない、というか、心当たりがない。斎藤君たちに手を出すならまだわかるけど、ここにいるのは君の味方、もしくは君に悪くしてない人間のはずだ!少なくとも、君が恨むような人間はここにはいない!」
僕はみんなのために、そして、仲間である、いや、仲間だった彼の為に、必死に思いを叫ぶ。しかし、
「味方だと?味方なら助けにきやがれよ!仲間がやられてても見てみぬふりをするのが見方なのか?はっ!どうかしてやがるぜテメー等。」
「天使!」
「もう諦めろ湊!彼はもう壊れている。俺達の知る彼ではない!」
「だけど……」
「小池の言う通りだ。あいつはもう仲間じゃねぇ。」
「伊藤……。分かった。彼の為だ。みんな一撃で彼を倒す。最大火力でぶっ飛ばそう!」
伊藤と小池に言われ、もうそうするしかないと、皆に指示を出した。
皆が魔法の詠唱や、武技の構えをしていると、
「ん?そういえば、なんで颯が仕切ってんだ?」
っと、ひとりの女子、テイマーの渡辺が言った。
「確かに、まぁいいんじゃね?勇者様は今、いないし、颯ってなんやかんや天使と関わりあったし。」
っと、渡辺に弓使いの藤本が、答える。
「そうだな。ってそんな場合じゃねぇ!行くぞファング!」
「毎回思うんだけど、ファングって名前テキトーすぎない?」
ファングとは、渡辺のテイムしてるモンスター、ファイアウルフである。
確か、牙が凄いから、ファングだっだ気がする。確かにテキトーだか、それが渡辺であるのでしょうがない。
「ぐちゃぐちゃうるせーぞテメー等!全員ぶち殺してやる!」
っと、天使を忘れていた。
仲間だったやつを殺すのは少し躊躇うが、そうは言ってられない。自分の身を守る為であり、天使を、モンスターを止める為なのだ。そう自分に言い聞かせて、
「行くよ!皆!」
「「「おぅ!(よし!)」」」
そして、皆の攻撃が、天使に向かう。凄い光と音が聞こえ、次の瞬間。天使は跡形もなく、消し飛んだ。
他の人のなろう作品を読んでいたら、書きたくなって書いた趣味の、作品です。誤字脱字とか気になる事があったら、コメントしてください。あと、あらすじに書いちゃったけど、設定も募集しています。気にいったらどんどん採用します。初心者の作品ですが、これからよろしくお願いします。