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第50話 米のジュース


日に日にアクセス数が上がっており、嬉しい限りです。

総ポイントも1000ポイントを超えてきて、驚きのあまり手が震えています(笑)

現在、日刊ランキングでもなかなか上の方まで上がってきました。


本来、ここで一度更新を止めて今まで書いたものを手直しする予定でしたが、これほど多くの方に見てもらっている上に話も中途半端なので、今後も更新を続けていきたいと思います。


感想欄にてご指摘のあった問題の箇所の修正はしばらく時間がかかってしまいますが、必ず手直ししたいと思います。



 鳥のさえずりと心地よい風の音で目が覚めた。ここ最近は食事が良くて、米を食べることもできている。正直、今までの食事で溜まっていたストレスみたいなのが発散されたのだろう。ここ最近は睡眠の質が良い。


 俺はいつも起きてすぐにスマホをいじる。よくスマホをいじると眠れなくなると言われているが、確かに強い光を見ていると目が冴えてきてしまうというのがあるらしい。だから逆に、朝目覚めた瞬間にスマホをいじれば目が冴えるのだ。実際に俺はその方法で目が冴えている。


 今日もいつものようにスマホを見て時間を確認する。お、何か通知が来ている。通知が来ることは滅多にない。これは何かあったらしい。その通知を読んだ俺は、どうやらまだ夢の中のだと確信する。間違いない、これは夢だ。


 もう一度布団をかぶり寝ようとする。しかし心臓がバクバクと激しく脈打っているので全く眠れない。完全に目が冴えてしまった。恐る恐るスマホを確認する。やはりあの通知がある。しかし…いや……だけど……


ミチナガ『“な、なあ…なんか変な通知来ていたんだけど…”』


ポチ『“あ、ボス。色々作ったらお金かかっちゃったぁ”』


ミチナガ『“あれ嘘じゃないのぉぉ!?何よ!使い魔たちの申請により金貨全て使用されましたって!”』


ポチ『“あ、それちょっと違うよ。金貨だけじゃなくて銀貨も銅貨も全部使っちゃった。”』


ミチナガ『“おいぃぃぃぃ!!マジで金全部じゃねぇかぁぁ!!!”』


ポチ『“だけど色々と新しいのができたんだよ。シティアプリ開いて見て。”』


 開いてって…いやいや…お金全部なくなったんだよ。確かまだ金貨40万枚近くあったんだよ。俺も結構金使ったけどさ。それでもまだ十分あったんだよ。それが…それが寝て起きたらゼロって…


 倉庫を試しに開いて見たが、本当に金が全て無くなってしまっている。やばい…朝からまじ泣きしそう。


 ポチに言われた通りシティアプリを開くと、何やら新しい建物が建っている。それに…なんか白いのがいっぱいいる。


 とりあえず新しくできた建物をタップする。すると新しいアプリの読み込みが開始される。


『どこでもクッキング〜醸造蔵〜。ここではお酒や発酵食品を作ることができるよ。仕込みが完了したものをここで保存しておくと時間経過が発生するよ。場合によっては腐ることもあるから気をつけてね。』


「え…これって俺がまさに欲しかったやつじゃん。」


ポチ『“ボスが欲しがっていたから頑張ったよ〜”』


親方『“建物は俺が建てたぜ。”』


スミス『“細かい金属製品は俺がなんとかした。”』


ピース『“ぼ、僕も手伝いました。”』


シェフ『“俺は飯作っといた。”』


 い、いや…いやいやいや。作れちゃうの?そんなの欲しいなって思ったら作れちゃうの?結果的に金全部吹っ飛んだけどさ。


ポチ『“お酒造りの道具は全部こっちに移動させたから、明後日くらいには完成すると思うよ。”』


ミチナガ『“あ、ああ…スマホにすると早くていいな。それと聞きたいんだけど、時折いるあの小さいのはなんだ?”』


ポチ『“その説明はね〜。ちょっとこっちにきて欲しいな。”』


 ポチの案内に従いスマホの画面を移動させていくと小さな祠にたどり着いた。見た目は田舎のあぜ道の先の林の横にそっとあるような可愛らしく、それでいて存在感のあるような祠だ。


 その祠にタップしても何も反応はない。俺が直接関与できるものではないようだ。こんなタイプのものはこのアプリで初めて見たかもしれない。


ポチ『“これは眷属の祠っていうんだ。これがあると僕たちは眷属を生み出すことができるの。あ、ちょうど僕の眷属が来たから紹介するね。”』


ポチ#1『“こんにちは!”』


ポチ『能力は僕たちの8割以下だけど、僕たち使い魔一人に対して3体まで出せるんだ。人出が増えて仕事がだいぶ捗っているよ。』


 なるほど。つまり醸造蔵と、この眷属の祠で金貨40万枚か…

 それは…安い…のか?まあ本来収納されると時間が停止されてしまうこのスマホの中に、その逆の入れたものの時間が早く経つアプリ…


 さらに使い魔達だけの人出が足りない中で、その人出を増やす眷属の祠…。今、眷属たちがいるおかげで、本来俺がやるはずだった作業がかなり減っている。忙しいスマホの作業もこれだけ減れば、俺は他の作業にも取りかかれる。


 そして何より…眷属かわいい。使い魔のポチたちの大きさが半分より少し大きい程度なのだ。小さいながらも、ひょこひょこと作業しているのはなんとも愛らしい。それに先ほどから目立っている眷属、おそらくピースの眷属だろう。


 ピースはもともと他の使い魔のポチたちの半分の能力値しか持てないのだ。さらに眷属はそれよりも能力が低い。となるとどうなるか。それは超ダメっ子なのだ。本来は一人でできる作業も二人掛かり、なんなら3人がかりでやっている。


 おそらくそこいらの人ならばイライラしてきてしまうが、俺はなぜか父性が働いてしまった。なんでもできる子よりも、ちょっとダメくらいの方が可愛く思えるのだ。なんだろう…この俺がいないとこいつらはダメなんだなって思わせるこの感じ。男って頼られるの好きだからなぁ…


ポチ『“お金全部使うことになっちゃったのは本当にごめんなさい。やっぱりダメだった?”』


ミチナガ『“ま、まあお金はまた頑張って稼ぐさ。いいものが増えたからな。色々頑張ってくれたんだろう?びっくりしたけど怒ってないよ。”』


 まあこのスマホの課金だししょうがないな。いちいち怒っていたってもう起こってしまったことなんだ。だから今から怒ったってもうどうしようもないんだ。


 それよりも早急に金を稼がないといけない。手持ちがゼロの状態では、何かことを起こそうと思った時に支障が出る可能性がある。金貨数枚分でもいいから稼ごう。


 ルシュール領では様々な食物が揃い、数多の料理がある。似たようなものを出しても料理初心者の俺では他の料理に埋もれてしまう。この領地で、なさそうなもの。日本酒はないが、まだ作るのに時間がかかる。それ以外に何か…


「あ、日本酒がないってことはあれもないじゃん。麹はあるし、醸造蔵もあるし、時間もかからないしすぐ作れるだろ。」





「安いよ〜。一杯銅貨7枚だよ〜コップを返却すれば銅貨2枚戻ってくるよ〜甘くて美味しいよ〜。」


「ん?甘酒?米のジュースなんて面白いもの売ってんな。本当に甘いのか?」


「甘いし健康にもいいよ。試しに一杯どうだい?」


 俺が売り出したのは甘酒だ。甘酒は日本酒の工程と同じようにすれば作れる簡単なものだ。作り方は日本酒を作った際に出る酒粕を使ったやり方が一般的だが、今回は米と麹を混ぜ合わせただけのものだ。


 作り方は簡単。米と麹、それに水を加えて温度を一定に保てばできる。この方法だとアルコール分は完全にゼロなので、酒粕を使ったものと比べると物足りない人もいるかもしれない。しかし飲む点滴とまで言われる甘酒としての栄養素は酒粕で作るものよりも、米麹から作る甘酒の方が高い。


 それに酒粕の方と違い、砂糖を入れなくても甘いのだ。米のデンプンを麹によってブトウ糖に変えるので米の優しい甘みになる。酸味も出るので嫌な甘さにならないのも特徴だ。


「ん?確かに甘いな。子供に買って行ったら喜びそうだ。おい、この水筒に入れてくれ。ちゃんと量分の金は払うぞ。」


「毎度〜すぐに入れちゃいますね。」


 売れ行きはそこそこだ。米のジュースということで、物珍しさから買っていく人が多少いる。しかし単価が低いのでそこまで金にはならない。しかしこれはある意味布石だ。甘酒という米のジュースを売り出すことで、ちょっとした話題になる。


 こういったどんなものでも揃いそうな領地だからこそ、物珍しい甘酒は話題性に事欠かないだろう。今のうちから商売をしておけば、甘酒という米のジュースの話題が徐々に広まる。そしてその話題が広まり切るころには日本酒も完成するだろう。


 甘酒を買いに人が集まり出した頃に日本酒を売る。そうすれば日本酒が初日から多くの売り上げをあげることができる。


 それに少しでも商売をしておかないと商売勘とでもいうのだろうか、そういった感覚というのがなくなってきてしまうのだ。


 やはり定期的に商売をしておかないと、商人として腕をあげることはできないだろう。元々商売を特にしていなかった俺は少しでも腕を磨かないといけない。商人ミチナガとしての人生をしっかりと歩むのだ。




今後も頑張っていきます。

続きを書く励みにもなるので、ブックマーク登録、評価のほどよろしくお願いします。

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