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第49話 酒造り


アクセス数が1万件を軽く超えてきました!さらに日間ランキングにも乗りました!


正直、驚きが多すぎて頭が追いついてきません(笑)

この作品を紹介してくれたサイトの方、ありがとうございます。

 今日でルシュール領にきてから5日がたった。この5日間は、なかなか忙しい毎日を送らせてもらった。


 まずはルシュール辺境伯から研究用に備蓄されていた酒米を分けてもらい、米麹を作るところから始めていた。


 まず米を洗い、水に浸すのだが、浸す時間がわからない。まあ普通に米を炊く際に1時間ほどつけておけば良いので、同じように1時間つけることにした。はずだったんだけどなぁ…


 ついスマホで他の作業をしていたら気がつくと5時間ほど経ってしまった。まあ1時間だけと思って、スマホをいじったら5時間経つのなんてよくあるよくある。


 その後、蒸し器にかけて蒸しあげる。蒸す時間ってどれくらいなんだろ。30分?1時間?まあ多くて損はないだろ。とりあえず1時間蒸してやると、思いの外いい感じの柔らかさになっている。これはなかなか成功なんじゃないか?


 さて、重要なのはここからだ。米に麹をつけていく作業なのだが、米の一部に味噌と醤油をふりかけて、そこから麹を行き渡らせる考えだ。熱いので触れるくらいの温度になってから作業を行い、いくつかに分けた。


 ここから温度管理が必要だが、その温度は全くわからない。とりあえず、30度から5度ずつ温度をあげて、50度までの範囲の計5つに分ける。温度管理に関してはルシュール辺境伯の研究室を借りたのですぐにできた。


 ここからはサボらずにしっかりと作業を行なった。2時間ごとに米を混ぜて様子を見た。俺が寝ている間もポチたちに頼んで作業を続けてもらった。


 それから2日後、なんとうまく米麹を作ることができた。結果的には30度から40度の温度で管理していた米麹が一番うまく行った。


 ただ、ポチたちの話を聞くと途中までは30度から35度の米麹の調子が良かったが、最後に40度の米麹が追い上げてきたとのことだ。これは作業中に少しずつ温度を上げるのが良いのかもしれない。


 しかし完成した米麹は味噌や醤油のせいで少し茶色っぽくなっている。このままでは味噌味の酒や醤油味の酒になりそうだ。流石にそんなものは嫌なので、この米麹からさらに綺麗な米麹を作り上げた。


 そして今日、ようやく完璧な米麹が完成した。しかしこれはあくまで種麹づくりなので、これからこの麹を酒米にまぶし、繁殖させ、米のデンプンを糖化させる。なので作ったものの半分以上はスマホの中に収納し、保管しておく。


 さらに今日、米の収穫もできたので全て収穫してしまった。結構な量の米になったのだが、ここで色々と問題が発生した。米の加工をするための道具が何一つない。


 稲から籾米を取り、脱穀し、精米する。俺の手持ちにはこの作業のための道具の全てがない。酒造りに集中しすぎたなぁ。あ、でもこの国の主食って米だからその辺の道具は一式あるか。


 メイドさんに頼んでみると、もちろんその機材くらいならここにもあるということなので、すぐに機材のある部屋に案内してくれた。案内された部屋にあるのは初めて見る道具ばかりだ。もちろん使い方などわかるわけもないので、メイドさんに教えてもらった。


 ここにある道具の全てが魔力を使って作動するものらしく、説明されてもよくわからなかった。まあポチたちに聞いておいてもらったので何かの役に立つかもしれない。俺には魔力がないのでメイドさんたちに全てお任せした。


 それから1時間も経たないうちに全ての米の精米が終了した。こればっかりは本当に魔法、便利だわ。俺も魔法使いてぇ…


「あ、この最後の精米なんですけど、もしかしてもう少し米の表面を削ることってできますか?」


「可能です。しかしそんなことをしてどうするんですか?」


「そうしてやったほうが酒を作った時に美味しくなるんですよ。あ、この酒米だけお願いします。」


 まさかの米の削りまでできてしまうとは。これ結構順調なんじゃないか?


 少し多めに削ってもらった米を見て見ると、確かに通常の半分くらいの大きさになっている。ここまで見事に削られているのは見事なものだ。この世界でも、ものさえあれば十分日本酒を作ることができるだろう。


 さて、ここから昨日までと同じように、米を水に浸して蒸して麹をつけて繁殖させる。この辺りの作業は力仕事のみ俺がやって、残りの単純作業はポチたちにお任せだ。


 さて、ここまできたらもう仕事はない…と言いたいところだが、重要な作業がある。それは酒樽づくりだ。すでに酒造りを行うための部屋は借りてあるので、その部屋に酒造りに必要な道具を並べていく。


 酒樽は親方と一緒に作る。大きさはポチたちでも十分作業ができるように小さい酒樽だ。それをいくつも作り、どれがうまくいくか実験をする。実験ばかりで大変だが、まあこれも必要なことだ。初めから全てがうまくいくなんてありえない。試行錯誤の繰り返しだ。




 それから2日後、ようやく全ての下準備が整った。麹が十分付着した酒米にそれを入れる酒樽。酒を作る部屋もいくつも分けられて、部屋ごとに温度管理がされている。こんなことが簡単にできるなんて本当にルシュール様様だ。


 それとここで欠かせない材料の一つ、酒の味を決める要因の一つの水をどうするか少し悩んだ。ルシュール領の湧き水を使うことも考えたが、城の外まで出て運ぶのは面倒だ。なのでスマホのアプリ、釣りバカ野郎で湧水池を買っておいた。美味しい水かはよくわからないが、まあ湧水なので美味しいだろう。


 ここまできたら材料を全て酒樽に入れて、温度管理をして、定期的に混ぜるだけだ。おそらく2月程で完成するはずだ。スマホでできればすぐに作れそうだが、まあそれはしょうがない。しばらくの間はここでゆっくりと過ごそう。


 しかし今回は情報収集のための酒造りだからまず金にはならない。まあ作業が意外と俺たちだけでできてしまったので、余計な経費がかかっていないのはありがたい。


 しかし今回で酒造りがうまくいけば、次回からは本格的な醸造に入る。そうなったら人手もいるし、場所ももう少し広くしたほうがいいかもしれない。日本酒ができたとしても元が取れるのは一体いつになるんだろうな。


 その間に色々と新しい商売も考えておくか。しかしいつまでもルシュール辺境伯のとこで厄介になるわけにもいかない。いずれ英雄の国にもいかなくてはいけないし、ある程度は自立できるように準備を進めないといけない。


 俺…一人でも暮らしていけるかなぁ……ポチたちと一緒にやっていけるかなぁ…


 とりあえず、残りの作業の引き継ぎをお願いしておくか。


ミチナガ『“じゃあみんな。これから2月以上の間一日3回の攪拌よろしく。俺も時々様子見に来るから。”』


ポチ『“りょうかーい。じゃあみんなで代わり番こでやっていくね〜”』


 ポチたちへの引き継ぎも大丈夫だ。時々様子を見に行って情報を収集してまとめておこう。こういう時のためにメモアプリを買っておいてよかったなぁ。これさえあればまとめるのが簡単だ。さて、じゃあない頭をひねってアイデアを生み出すかぁ…




 夜、道長が眠った後に使い魔たちが集まり、何やら話し合いが行われていた。


ポチ『“じゃあみんな、これから毎日ローテーションでやっていこうか。”』


シェフ『“へーい。だけどさ、2月もってなると面倒だな。”』


スミス&親方『“全くだ。俺たちだって暇じゃない。”』


ピース『“ぼ、僕は大丈夫です…み、みなさんの分まで頑張ります…”』


ポチ『“ピースに頑張ってもらってもいいけど、確かに面倒だね〜。なんとかならないかな?”』


シェフ『“作業工程はなんとなく理解しているぜ。親方、なんとかできないか?”』


親方『“う〜ん…まあ設備はここのを持っていけばなんとかなるか。金はかかるかもしれないけど頼んでみるか?”』


スミス『“だったら人手も欲しくないか?今の状態でも俺たちだけじゃ手が足りない。”』


ポチ『“じゃあその辺も含めてなんとかしよっか。勝手に金貨使うけどまあ許してくれるよね。”』


ピース『“ぼ、僕も一緒に行きます!”』


シェフ『“じゃあよろしく頼むわ。俺は飯作って待ってるからよ。”』


スミス『“親方一人じゃ不安だから俺も手伝うぜ。金物も必要になるだろうからな。”』


親方『“んじゃいっちょやりますか。”』




今後も頑張っていくのでブックマーク登録、評価のほどよろしくお願いします。

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