第41話 新たな仲間
「実績を解除?新しいアプリがまた増えるのか。」
何やら読み込みが始まったが、今回の読み込みはすぐに終わった。ホーム画面を見てみると、いくつか新しいアプリが追加されていた。追加されたアプリをチェックしてみると、その中に無料で使えるアプリが一つあった。
「使い魔ガチャ?使い魔専用のガチャアプリか。」
『使い魔ガチャへようこそ。ここではガチャを引くことができるよ。初回特典ボーナスとして無料で3回引くことができるよ。』
「初回特典で3回無料って…本来は有料なのか。嫌な予感しかしないなぁ…」
まあとりあえず無料と言うのなら引いておこう。とりあえず1回回すとごくごく普通の白い塊、つまりは使い魔が出てきた。その後ももう一回引くとまた同じ使い魔…ってバリエーションないな。
最後に引くと何やら特殊なエフェクトがかかった。そこから出てきたのは…
やはり同じ白い塊。っておい!
『おめでとう!ウルトラレアの使い魔だよ。住む場所を与えると特別な能力を得ることができるから是非とも頑張ってね。』
「住む場所を与えるとって…また家たてんのかよ。流石にほとんど資材ないぞ。主にポチの家のせいで。と言うか使い魔にウルトラレアとかあるんだ。」
そういえば、まだポチ達にどんな家を建てたか確認していないな。新しい使い魔達の家もどのくらい値段がかかるのか確認していないし、一度シティアプリを確認してみるか。
「えーっと…ポチの家はここ…ってでかいな。」
ポチの家、ちょっとしたアパート並みにでかいぞ。と言うかあれ?これアパートじゃん。名前は…アパートポチ…ってそのまんまかい!
「あ、今手に入れた新しい3体の使い魔が中に入っていった。」
『使い魔に居住地が与えられたよ。能力解放!』
「あ、これでいいんだ。」
まさかのポチの家は後々のことも考えられたアパートだったとは。家がでかいとか、資材使いすぎとか色々言ってごめんな。
家を入手したことで、新しく手に入れたウルトラレアの使い魔に能力が追加されたはずだ。試しにステータスの確認してみたいけど確認方法わからん。それにしてもポチのアパート結構広いな。これならもう少し使い魔を足しても問題なさそう。どうせだしもう一度ガチャ引いてみるか。
「使い魔ガチャは〜っと…一回白金貨1枚!それって金貨1万枚分ってこと!バカみたいに高いな。」
残りの金貨は…まだ4万枚あるか。なら1回くらいは引いてみてもいいかも。決してレアが出るかもと期待したわけじゃないぞ。そんなガチャの魅惑に取り憑かれたわけじゃないぞ。
「い、一回だけ…ってあれ?引けないの?金貨1万枚あるのに。もしかして白金貨じゃないとダメってこと?」
色々試して見たが、どうやらそうらしい。しかし白金貨は今まで見たことないな。まあ金貨1万枚以上の取引なんてそうそうない。とりあえずガチャは諦めるか。じゃあステータスの確認方法だな。そういえば前にカメラの精霊視モード買った時に使えそうなのがあったような…
「あった、鑑定。これならいけるんじゃないか?」
試しに鑑定モードを買ってみる。お値段1万枚だが、ファンタジーゲームに置いて鑑定は万能能力だからな。そのくらいしても仕方ない。それと暗視モードも買っておいた。迷子になって一人森の中を抜ける時、薄暗いところとかは見えなくて危なかったからな。金貨1000枚だし、まあいいだろ。
試しに鑑定するので使い魔達に出てきてもらった。使い魔が5体に増えるとちょっと嬉しいものがある。
「じゃあポチから鑑定していくな。動かないでじっとしていろよ。」
鑑定にはそこそこ時間がかかるようで、一体につき1分ちょっとかかった。しかし俺が見たいものが見られた。
ポチ 職業なし 能力なし
…ポチ。一番長くいるのに何もないのかよ。まあいろいろな作業やってくれるし、感謝しているけどね。
シェフ 職業料理人 能力、料理関連の能力の上昇
シェフは完全に料理人特化だからな。ぴったりの能力だ。能力はおそらくウルトラレアのように元々持っているものと、職業による能力付与の二つがあるようだ。
名前なし 職業なし 能力なし
名前なし 職業なし 能力なし
新入り二人はまだ何もない。まあ当たり前なのだが。とりあえず名前をつけるのは、職業についてから決めると言うことで納得してもらった。そして最後に一番楽しみだったウルトラレアの使い魔だが…
名前なし 職業なし 能力、FF無効、全身体能力半減
FF無効って何?終わりの物語的なやつか?銀髪ロングの超長剣持ってくる敵役がいるやつか?しかも全身体能力半減っておい、まじか。ウルトラレアなんだろ?なんでそんなダメ能力ついてんだよ。
「あ、FFってフレンドリーファイアの略か。つまりは仲間からの攻撃無効ってことかな。」
その前に仲間同士で殺し合うなよ。危ないな。もしかして内乱的なことがあったりするの?怖!ちゃんとみんな仲良くしてくれよ…
「みんな仲良く平和に暮らしてくれよ?あ、そうだ。平和的な能力だから、お前の名前ピースにするか。平和が一番だからな。」
『使い魔の名前が登録されました。以後変更はできません。』
ピース 職業なし 能力、FF無効、全身体能力半減
うん、名前つけても能力に変化なしか。まあこのスマホだし仕方ないよな。まあ名前考えるのがひとつ楽になったと考えよう。
「じゃあまだ名前のない方の使い魔はそのままスマホに戻って就きたい仕事選んで。ピースは…当面はポチのサポートかな?少しづつ仕事覚えてもらって。シェフはいつも通りよろしく。」
指示を聞いた後はすぐにスマホに戻って、それぞれやることをやっている。さて、俺はこの後何をしようかな?やっておきたいことはやれたし、残っている金貨を何に使うか考えるか。
新しく追加されたアプリを見ているとどこか見覚えのあるようなアプリを見つけた。多分あのアプリのパクリっぽいんだけど、何に使えるんだろ。
「メッセって…もうこれ完全にラ◯ンだよな。名前は違うけど。普通のメッセージアプリの方のパクリかな?金貨200枚か。安いし、とりあえず買ってみよ。」
多分最近の俺の金銭感覚狂っているけど、なんか買ってしまった。一体これで誰と会話すればいいんだよ。なんて思っていたら誰かからメッセージが届いた。
ポチ『“あ、ボスだ〜”』
ミチナガ『“ボスって…お前あのポチか”』
ポチ『“そうだよ〜使い魔のポチ。これは使い魔との交流用アプリだから”』
ミチナガ『“アプリの内容知ってんの?”』
ポチ『“んっとね〜。買ったアプリについてはなんとなくわかるよ。あ、みんなも話したいって。”』
シェフ『“あ、ボスこんちわ。やっと話せましたね。”』
名無し『“おっす!”』
名無し『どもっす!』
ピース『“あ、えっと…ピースです…その……こんにちは”』
ミチナガ『“まさかお前らと話せるようになるとはな。後、名無しだとどっちがどっちだか全くわからんな。早いとこ職業ついて名前つけさせてくれ。それと、みんなこんにちは。”』
名無し×2『『“へーい”』』
これ結構当たりアプリだな。値段の割に使い魔達と交流するのに特に問題もない。追加課金も特になさそうだ。あ、このボタン押すとボイスで文字打てるのか。へぇ〜…便利〜。今はグループになっているが、個人向けに送ることもできるらしい。
あ、課金要素見つけた。スタンプあんじゃん。だけど別にこんなの買う必要なくね?値段は安いけどさ。あ、このスタンプかわいい。買っちゃお。
それからしばらくスマホを操作しているとどうやらあの名無し2体の職業が決まったようだ。1体は鍛治、もう1体は木工だ。そのアプリは人員が欲しいところだったので、実にありがたい。ちゃんと通知も来て、職業についたことを知らせてくれた。
ミチナガ『“職業選べたみたいだな。じゃあ早速名前つけるか。鍛治についた方はスミス、木工の方は…親方…でどう?”』
スミス『“異論ないっす。これから頑張っていくんでよろしくっす。”』
親方『“親方って役職名なんすけどね。けど嫌いじゃないっすよ。”』
ミチナガ『“なら良かった。これからもよろしく。”』
スミス&親方『“よろしくっす!”』
この二人似ているな。兄弟みたいな設定もあんのかな?まあ全員このスマホから生まれている時点で兄弟みたいなもんか。
意外と今日一日で色々と変わった気がするな。生産面も落ち着いて来たし、明日あたりは戦うことができるように色々と教えてもらうとするか。