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第153話 家紋と使い魔


 ガチャ25回引いた部分を数え直したところ、数が足らなかったのでノーマルの数を増やしました。

「それじゃあ家紋決めるぞ〜なんかいい案ないか〜?俺はない。」


『ポチ・いやいや、いきなり諦めないでよ。』


 魔動車を入手したが、家紋が決まらない限り乗ることはできない。だから使い魔を総動員して家紋を決める会議を始めた。しかしそんなのまったく決められる気がしない。俺デザインセンスとかはないんだよ。アフィリエイトやっていた時にサイト作った時もテンプレートを少しいじっただけだし。


『ピース・しょ、商人らしくお金のマークとかは?』


『シェフ・それだとなんかいやらしいだろ。お金にがめついみたいで嫌われるぞ。』


『親方・それなら自分たちのシルエットはどうっすか?我々使い魔が主体の店もあるっすから。』


「使い魔のシルエットか…それいいかもな。よし、それ採用。あと他にはないか?他にもなんかないとな。」


 使い魔達からどんどん案が出てくるが、徐々にわけがわからなくなってくる。どれも良さそうでどれもダメなように思えてきてしまい、話がまとまらない。


『ポチ・もう使い魔ガチャでデザイン系の能力持ってそうな使い魔引いたほうが早いんじゃない?』


「あ、その手ありだな。まあそんな都合よくデザイン系の能力持ちの使い魔は出ないだろうけど…アイテム作成系の使い魔ならデザインも行けそうな気がするよな。」


 そんなわけでここにきて使い魔ガチャが始まった。俺のガチャの様子を使い魔みんなで観にきた。とりあえず回してみると5回連続でノーマルが出た。おい、お前らが見ていると良いのでないじゃんか。


「ちょっと一回離れ…あ!こらポチ!勝手に回すんじゃ…ってスーパーレアきた!」


 やるじゃんかポチ。早速どんな能力か確認して見たいところだが、ここはガチャ運が高まってきたので連投する。すると2回連続でレアが出た。まだまだいけると回してみると2連続ノーマルが出たので、一旦なんの能力か確認しよう。


ミチナガ『“おーい、新入りはどこだぁ?レア以上のやつな。”』


名無し『“ヘイ!俺だ!俺は漁師だ!漁船の扱いなら任しとけ!”』


名無し『“あ、自分もそうです。能力は遠見です。目がいいんです。”』


名無し『“私…耳がいいです…”』


 新入りの使い魔のスーパーレアは漁師で漁船の作成レシピの解放をした。しかしこの漁船…ただの手漕ぎボートなんだよな。しかし投網などの製作レシピも解放した。網はいいな、漁獲量が増える。名前はセンチョウで決定した。


 それから残りのレアの使い魔は遠見の能力と聴覚強化の能力。地味だが結構使い所の多い能力になりそうだ。遠見の能力の方をエン、聴覚強化の方をミミと名付けた。しかしお目当てのデザイン系の能力持ちではないので次行ってみよう。


「次は…おお!レア!からの…スーパーレア!いいねぇ!そして…あ、ノーマルですか。」


 試しにもう2回引いてみるとノーマルが続いてしまったので、一度悪い流れを断ち切るために使い魔の能力確認をした。スマホ内を捜索しようとするとすでにポチ達が呼び寄せておいてくれた。


名無し『“お初にお目にかかる。拙者の能力は隠密。気配を消すことができる。”』


名無し『“俺は研ぎ屋だ。刃物を研ぐのが一番好きだが…金属品の艶出しなんかもできるぞ。”』


 なんともメジャーなのとマイナーなのがきたな。隠密能力は間違いなく強いだろう。このスーパーレアの使い魔にはシノビと名付けた。そしてまさかの研ぎ師とは…しかしシェフとソード、それに親方にノコなどは大喜びだ。刃物を扱う使い魔にとって研ぎ師は最高の職業かもな。名前はトギにした。


「しっかし…狙ったのは出ないもんだな。白金貨50枚もあるから出るかと思ったけど…もう13回も回したのか。その内8回ノーマル出てるし…ガチャ必勝法…ありゃ嘘か。」


 まあガチャ必勝法は俺が勝手にそう思っただけなんだけどね。しかし今回のガチャは本当によくないな。ここで一旦やめておいたほうが良い気もするが、やはり引けるとなると引いてしまうのが男の性。


「ノーマルノーマル…あ、やばい…ノーマルが連続して…だ、だけどま、まだいけるはずだ…いける…き、きた!ウルトラレア!」


 なんとかウルトラレア出たけどやばい、前回のスーパーレアの後ノーマル6連チャンはやばい。ここで止めるかどうか悩んだが、切りよく半分の25回までは引いてしまうことにした。結果はスーパーレア2回のノーマル6回。今回のガチャは割と爆死な気がする。これ以降のガチャはまた今度にしよう。


ミチナガ『“お〜い…今回のスーパーレア以上のやつ〜”』


名無し『“押忍!自分は武術家であります。体術、拳法なんでもいけます。押忍!”』


名無し『“おらは鉱夫だ。鉱山の採掘量がちっとあがるだ。そんで採掘速度も速いど。”』


名無し『“あ、どうもどうも。私は印刷屋でございます。まあ簡単に言うと映像や取り込んだ資料を複製する能力でございます。コピーアプリが解放されましたのでそちらを使えばすぐにコピー可能でございます。”』


 新入りのスーパーレアは武道家に鉱夫か。武道家の方は正直どうでも良い感があるが、鉱夫の方は使えるな。今まで鉱石をどんなに採集しても加工できなかったが、現在炎龍の高炉を作成しているからしばらくすれば鉱石が宝の山に変わる。もうしばらく辛抱する必要があるが、先は明るいだろう。


 そしてウルトラレアの使い魔、印刷屋と言っていたがこれはなかなか使える。元々カメラアプリで書類などのスキャンはできた。しかしそれを印刷することはこの使い魔を入手するまでできなかった。


 この使い魔の印刷能力は印刷する紙とインクを用意すれば無料でできる。何もない状態でも白黒印刷で銅貨5枚、カラーコピーで大銅貨1枚ほどだ。また、用紙の大きさや色の使用数で若干の価格の変動があるらしい。


 さらにそれだけではなく、解放されたコピーアプリを使えばアイテムなどにオリジナルの塗装ができる。まあ解放には金貨1000枚を要した。さらにいくつかのペイント方法の解放に金貨が…まあ今はまだ金はある。とはいえ金貨は貴重になってきたので、銅貨や銀貨で代用する。アプリの課金に関しては金貨に縛られることはないので楽だ。


ミチナガ『“なあ、今家紋を考えているんだけどそういったデザインとかも可能か?”』


名無し『“そういうことでしたらいくつか案を作りましょう。お任せください。”』


 こいつ心強いな。ではこの使い魔が案を考えている間にこいつらの名前を考えてしまおう。武術家に鉱夫か…鉱夫というと炭鉱夫を思い浮かべる。石炭からコークスにするか。武術…英語ならマーシャルアーツか、ならマーシャにしとこう。


 そしてウルトラレアの印刷屋か…コピーでいいか。どこぞの海軍のやつに似ているけど意味も違うから大丈夫だろ。…うん、大丈夫だ。それと今回はノーマル使い魔が多いから色々仕事割り振っても余りそうだな。その辺も考えておかないと。


 それからしばらく待っているとコピーがいくつか家紋の案を持ってやってきた。5種類ほど用意してくれたがどれも良さげだ。まあ話し合っても議論が白熱するだけで決まらないというオチになりそうなので全員で投票することにした。眷属を抜いた使い魔だけの一般投票により一つの案に決まった。


 中心に大きく描かれた使い魔、そしてその使い魔を囲むように丸く描かれた世界樹の葉。これがこの俺の家紋、そしてミチナガ商会のトレンドマークにもなるシンボルだ。


「よし、じゃあこれで決まりだな。あとはこれをリカルドに提出して…いくつか査定を受けてか。」


『ポチ・もしかしたら却下されるかもね。』


『コピー・では他の案も取っておきますね。』


 まあ確かにダメになる可能性もあるのか。ま、まあ大丈夫だと信じたい。


 そして後日、リカルドにより評議会で俺の家紋について議論され、正式に俺の家紋として決定した。決められた家紋はすぐに全てのミチナガ商会の看板に描かれることとなった。




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