6.思いが形に
誰かの声が聞こえる
「忘れられないから形になったのだ」と・・・
あれから私はひたすら逃げました
カカ様に背中を押されるというよりかは
私に入ってきて一緒に走っているような気がしました。
「あなただけは友達になってはダメと生きて!と・・・」
何かに導かれるように出口に向かい。
家へと帰りついたのです。
家に帰りつくと私が行くのを止めようとしたのか
家の中は散乱し乱れ切っていました。
私が連れていかれたのではなく
私が連れて行ってしまったこと
そしてカカ様が守ろうとしていてくれたこと
すべてが分かって涙がながれました。
私はとっさにカカ様を助けようと
裏野ドリームランドに急ぎました。
急いだつもりです。ただたどり着かないのです
ここらへんかな…と思ったところはたった一つお墓がポツンとあるだけでした。
指でたどると刻印は篠原えみだったのです・・・。
そして父親でしょう
隣にはいっぱい『友達を連れて行くからな』と
木製の札に彫られていました。
浦野ドリームランドは妄想だったのでしょうか。
人の思いは形作るのでしょうか。
私は『ぶるっ』と身震いをすると
途方に暮れてその場所で佇んでいました。