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5.何かの声
もう疲れたよ帰りたいよカカ様—―—
どさっ!
何かの中に押し込まれました。
「私が作業が終わるまで少し待っていてね」
私は素直に受け入れられませんでした。
狭い箱の中に押し込められたのですら。
体験したことがある人ならわかるでしょう
息苦しいほどの空気感を人間は感じるのです。
「いやだ!おねがい!だ!し!て!」
しかし私の声は空に消えただけでした…。
動きだしたのを見て観覧車だと気づきました
その時・・・
「た・・・・・」
何かが聞こえました。。。
「たすけて・・・」
という声が聞こえてきたのです。
よく聞くと周りの観覧車がざわめいています。
悲鳴、嗚咽、おかしくなったような声様々な声がこだまして
私は耳をふさぎました。
怖くなった私はここから出る方法を考えました。
その時…
ズシーン
と止まったのですなぜか扉も開いており運よく
地面の感触がありました。
誰かが開けてくれたのでしょうか?
その時
「にげなさい、おねがい・・・にげて」
と力のない声が聞こえたのです。
観覧車での叫びは私と同じように『しの』
に閉じ込められた人達だったのかもしれません。
何かの『作業』が終わるまで───