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俺ゼウスの生まれ変わりなんだけど、無双してたらボッチになった件について  作者: 紅羽 慧(お神)
この歳で初体験とか……これもう分かんねえな編
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第八話 有頂天空神

 


「次はメシ!って言いたいところなんだけど、まずは女っしょ~どう考えても。これ必☆須☆条☆件!」



 渇きを癒したゼウスは、次の欲望を満たすため『とある女性』を探していた。



「えーっと、どこらへんだっけか? 前に天界から何回かチラっと覗いた時、いたんだよなぁ~俺好みのエロい格好したやつがっ!!」



 彼は辺りをくまなく見渡すと、うろ覚えの記憶を頼りに女性を探し始めた。



(ヘラにばれっからあんまり覗けなかったんだけど、あのとき見た子、半端なく可愛いかったんだよな。似たような格好してるやつはさっきからチラホラ見かけるんだけどさ。どいつもこいつもはっきり言ってくそブスすぎん? くそっ! あの子どこにいんだぁ?)



 甘い考えを抱いていたゼウスは思い通りにいかないことに嫌気がさし、足元の石ころを蹴飛ばしながら歩いた。


 ゼウスが秋葉原に来た大きな理由の一つは、その女性を口説くことにあった。彼は自分の気に入った女性は何としてでも手にいれようとする性格で、これまでに何度も浮気をしては妻である『ヘラ』からきつい制裁を受けていた。



「くっそ~。スキル封印されてなきゃ二秒くらいで見つかるんだが。あー、ムラムラしてきたぁっ!!!」



 体の奥底から止めどなく溢れ出てくる性欲に身を任せていた彼の目は、獲物を探す飢えた狼の様に血走っていた。




――――人間の三大欲求ってあるじゃん? 


 食欲・睡眠欲・性欲だっけか?? 実は神も似たようなもんなのよねぇ~。

 とりあえず今はさ、食欲と睡眠欲はまだ全然我慢できるんだけどよぉ。性欲セックスはそろそろしとかないとなって思うんだよね~、いやこれはほんと冗談抜きでまじで。


 おれっちの崇高な哲学を紹介しちゃうとさぁ。朝昼晩の『三食・三睡眠・三セックス』は、やっぱり健康にはかかせないって思うんだよね! あーこれっ、自然の摂理ってやつ?

 天界の生活もさぁ、この3つで一日が終わると言っても過言ではないんだよね~。マジでこれ最強のテンプレ! シンプル・イズ・ザ・ベストってやつ?    

 おこちゃまとクソ童貞共にはわかんないかなぁ、これ?


 簡単に説明すると、天界での一日はね。まず朝おきるじゃん? ふつーに朝セックスするじゃん? ご飯食って、二度寝っ! ってか、これまじテンプレすぎて笑える~w。当たり前すぎて言うまでもないってやつ??

 昼はぁ~ご飯食うじゃん? 当然、昼寝すんじゃん? ほんでセックスするじゃん? はい終わり☆

 夜も聞きたい~? まぁご飯食うじゃん? そしてセックスするじゃん? 歯を磨くじゃん? はい、お疲れさまでしたーおやすみなさいまた明日☆彡


 いやぁほんと最高だねぇ、もう飽きたけどっ! だって天界の女、クソブスばっかなんだもんwwwwww。


 ヘラとかさぁ。まぁ、最初はあいつも可愛かったんだけどねー。だんだんくっそめんどくさくなってって、ガチでやばいんだわぁ、、、うん。

 ほら、俺ってさ。くそイケメンで超モテるじゃん? そんなこと説明するまでもないんだけどさ。だから、誘惑がメチャクチャ多いんだよね~。マジで俺のせいじゃなくて、天界のクソビッチ共のせいなんだわw。


 ヘラに浮気がバれた時があったんだけどね。あいつの情報収集能力マジ半端なくてさぁwwwすぐバれんの。ありゃあさすがの俺様も、ほんの少し反省したんだよねぇ、不本意だけど。

 あんときは、マジでやばかったよね。冗談抜きで、地球なくなってもおかしくないレベルで暴れたんだよね~あいつ。一度怒るとほんと何するか分かんないからさぁ、マジで止めるの大変だったわ。

 つまりさ、今地球が無事に存在出来てるのってわりとガチで、俺のおかげなんだよね。ほんと俺、仕事人のプロテクトGODだわぁ。感謝しろよムシケラ共!!!


 まぁ、常識的に考えてさ。いくらあのババアでも、こっちでの浮気はバれねえっしょさすがに。――――バれないよね?

 ぶっちゃけた話、浮気がばれてもよぉ! あいつがキれたら地球がなくなってぇ! BL本が買えなくなっちゃうからぁ! おれっちに手出しできないんだよね~くそウケる~www。はぁ。時々、自分の頭の良さが恐くなるわぁ。



 ゼウスはヘラの存在に少し怯えつつも、引き続き目的の女性を探した。




………………




「全然見つからん! それにしても、あっちぃなぁ? このキモオタの体だと、汗の量はんぱねえわ」



 ゼウスはふくよかな体からとめどなく溢れでる汗を手で拭いさると、服をヒラヒラと振って、体に風を送り込んだ。



(う~ん。やっぱりエンバイロメンタルを封印されるとマジできついな。視力もありえんほど悪いし、このメガネとかいう装備ほんといらないっ! でもこれ外すと、幻術かけられたみたいに見えなくなるんだよなぁ。この人間ほんとポンコツ!)



 著しい能力の低下に嫌気がさしていたゼウスだったが、しばらく探してみると意外にも、彼のお目当ての女性らしき人物はすぐに見つかった。



「ん~、、、あっあれだぁっいたいたっ!! あのフリフリしてるくそエロい格好のやつ~まじエロスw」



 彼は目を細目ながら遠くの女性の格好を凝視すると、歓喜の雄叫びをあげた。



(あんな感じの格好だったよな? たしかヘラは、メイドコスプレとかなんとかかんとかほざいてたな~どうでもいいけれど。つーか、あいつの知識量まじやばくね? 物知り博士かよwww。インターネットってそんなやべぇのかな?? まぁ、ヘラの顔に比べれば屁みてえなもんだと思うけどなw。あいつ、歴史に語り継がれるレベルのクソブスだからな~wwwwww。元気にしてんのかなぁ……風邪とか引いてなきゃいいけど、、、会いてぇな)



 ゼウスが人間界にきて半日も経っていないが、彼は早くもヘラのやかましさが懐かしく思えてきていた。彼女に人間界に行くことを伝えずに来てしまった彼は、ヘラのことが気になっていた。



(ま、まぁあいつは大丈夫だろ。どうせ、おれっちがいなくなってせいせいしてるはずさ! 今はそんなことより昼セックスの時間だよねっ? もう俺マジで性欲、爆☆発☆寸☆前!なんだよね~分かるかなこの気持ち?)



 ゼウスはヘラの様子が気がかりではあったが、そのことには一旦目をつむり、女の子のもとへ駆け足で行った。



「さぁ、いっこう~! はぁ、あっ、はぁあ”、っぁっはぁ”ぜぇえ――はぁ?」



 ゼウスは少し走っただけで息切れを起こす予想外の体に驚くと、あまりの衝撃に笑ってしまっていた。



(なにこの体! ちょっと走っただけでこんな息切れするとか、まじありえんティ~なんだけどwww。こりゃあテクノブレイクあるでマジで?)



 ゼウスがそのように思いながら向かっていると、彼は急いで行ったことが間違いだったことに気づいてしまった。



(んはぁ、はぁぜぇっあっはっぁはぁ、、はぁっ!! ――って、は? うわっ、はぁっ!? なにこのブスwwww天界でもいないわこんなブスwwwわろしわろしwwまじふざけんなよwwww死ねやぁああ!!)



 チラリと見えた女性の顔を見て走るのを止めたゼウス。彼は苦笑いをして、その場に立ち尽くしてしまった。



「うわぁほんと最悪、走らなきゃ良かったわぁっ! なんなのマジでっ!? おれっちの期待を返せよくそがぁ! まじかよ~俺があの時見たスイートエンジェルちゃんはどこにいったんだよ!」



 ゼウスはTシャツの胸元を引っ張りながら風を送りつつ、頭の中で不満をぶちまける。



 エンジェルで思い出したんだけどさっ! よく人間がさ、可愛い娘をさっ、天使とか女神とかって呼ぶじゃん? あれまじ意味不明なんだよねwwwwwお前らの目は節穴かってマジぶち殺したくなるレベルでさ~。

 天使とか女神って基本くそブサイクでねっ。見ると失明するレベルなのって知ってるかな?


 天界の野郎共の間ではさっ、生まれる前から知ってるレベルの常識なんだけど。こっちがお世辞で呼んでるだけでさぁっ! 天使とか女神とか呼ばれてるやつって、ほとんど可愛いやついないんだよね。まじエンジェル不足に俺、涙って感じ?


 それにねっ! 天界の女ってさぁ、基本みんな裸だからさぁ。何と言うかほら、こう、、、慎みがないんだよねぇ。

 俺ってほら、超絶モテるからさっ。女はたくさん寄ってくるんだけどね。近づいてくるのって慎みがある可愛い女の子じゃなくて、なんか調子こいたクソババアばっかなんだよね~wwwww。


――――俺、呪い受けてんのかな? 


 天界の女ってクソブサイクばっかりなくせにさぁ、やけに根拠のない自信に満ちてる勘違いブスが多いからほんと手に負えない~w。


――――特にヘラッw! 


 お前だよお前www分かってんのかバカチンがよぉっ!!!



「はぁ~、それにしてもどこかなぁ?」




………………




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