閑話:旅路の中で
先行して出発した風の民たちの中にいる子供たち。
守護しているのは、風の高位第二位と闇の高位第三位(指差して笑う派)。
大丈夫か。
あまり良い道とはいかないが、ここ以外はこれ以上に荒れている上、荒くれ者が出たり、魔物とかが多いからな。
我慢してくれ
そうだな
お前たちは風の子だ。
これくらいで弱音を吐くような子たちではないな。
『森の姫』に貰ったのか。
小さな木の実だが、あの方の力が宿っているな。
疲れを癒してくれる効果がある。
おいおい、俺には必要ないさ。
疲れたらお前たちが食べるもんだろう。
ただ、食べるのはもう少し待っておけよ?
この先にちょっと難所があってな。
まぁ、あそこを領域にしている水の御方は今や島に張り付いて下なんて見ていないだろうが・・・
あそこの配下は、ちょっと難癖ある奴らばかりだから慎重にいかないとなぁ・・・
心配するな。
俺たちがついている。
絶対に、あの方のもとへ連れて行く。
俺たちは許してはもらえないかも知れんが、あの方は民の事を見捨てるような方じゃない。
前に知り合った人間が言うには、ツンデレって言うらしい。
ん?
知らんか。
俺も意味はよく分からなかったが、
「君が話してくれた風の精霊王のような方を僕の故郷ではそう言うんだ」と言っていたな。
どうした
元気がないな。
何処か調子が悪いのか?
あっ?
あぁ、なんでもない。
驚いただけだ。
そうだな。『森の姫』にはご挨拶出来たが、闇の御方には出来なかったものな。
そうか。
お礼を作ったのか。
大丈夫だ。
またお会いした時にでも渡せばいいさ。
その程度のことで怒るような方ではないだろ?
なぁ、闇の。
ほら。配下のこいつが言っているんだ。
大丈夫だ。
闇の御方なら、例えあの方が何と言おうと会いに来るさ。
・・・昔からそうだった。
仲良し・・・
そうだな。
仲は・・・よかった・・・・と言っていいのか?
おい。
笑うな、闇の。
変なことを教えるな。
・・・・・・闇の御方が「やさしい」「かっこいい」「おんこう」ね・・・・・・・
あの御人は、風の民を手懐けて何するつもりだぁ?
あぁ、こういうのを鳥肌が立つっていうのか・・・