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閑話:森の姫の助言

あら?

どうしたの?


まぁまぁ、あれが気になってしょうがないの?


ふふふ

良いわ。

教えてあげるわ。

皆も呼んでいらっしゃいな。

ほら、あそこにも

皆気になっていたのね。




どうやって、風の御方の許しを貰ったのか。

とっても簡単なのよ?




まずはね、近くにいる動物たちの体を借りなさいと教えたの。

この中にも覚えている子はいるでしよ?

そう。

あの御方、動物がお好きだったでしょう?


あなたは知らないのね。

よく、お疲れになると一人でこの森に来られて、森に住んでいた動物たちを、抱き締めたりしていらっしゃったの。

あの頃は、わたくしもまだ幼くて、「おばさま、おばさま」って後をついて回って、時にはコーコンプロヴァの群れの中でお昼寝なんかをして…

そういえば、あの時は目覚めると決まってお兄様と闇の叔父様が一緒に寝ていらしたわね。叔父様はまったく変わらないものね。こういうのを筋が通っているとか純情っていうのよね。


あれは、封印される少し前の事…きっと、とてもお疲れだったのよね…



動物たちの体を借りて、叔母様の前でその身を投げ出しなさいって伝えたのよ?

無防備な動物の姿って、とても可愛らしいから…叔母様も追い出す真似はなさらないでしょう?



次に、風の民の子供たちに素直な気持ち、風の精霊王をどれだけ大好きか、風の民が待っていたのは貴女なんだと、本心をぶつけなさいと教えたわ。

人の可能性を愛していらした叔母様は、可能性に溢れている子供がお好きだったの。

ましてや、叔母様も子供を生んだことがあるのよ?

大きな目を潤ませて強い想いを投げ掛けてくる子供を邪険には扱える訳がないでしょう?

ここで、ほとんど絆されているとみて間違えはないわ。




最後の止めの役にたつ良いものを風の方たちに貸してあげたの。


『僕と貴女の徒然なる日々』という本

『聖なる人の像』という小さな石像

『愛する貴女』という絵画


これを見せて、こう言いなさいと言ったのよ

「お許し頂けないのは仕方がないことですね。

ならば、私たちは貴女を見守るものとなりましょう…

闇の御方のように…

そっと影から、貴女の幸せを見ております」





作戦は大成功だったでしょう?

ちゃんと、お許しを得て傍にいられるようになったわ。


本当に良かったわ。

私も頭を絞ったかいがあったというもの。




あぁ、あれらはね。

この前、闇の叔父様もがいらっしゃった時に

お父様に薬を飲ませるにあたって、効果の程を実験したくて叔父様のお茶に仕込んでみたの。

よく効いたみたいで、ぐっすりお眠りになられて…

その時にお借りしたのよ。

お兄様の悪戯で破壊された後は、肌身離さず持ち歩いていたのですって。



そういえば、

あれらは、風の叔母様に処分されてしまったみたいですけど…

どうしましょうか?


ふふふふふ



真面目な父親から生まれた兄と妹

ちょっとしたトラブルメーカー。



コーコンプロヴァ

毛狩り直前の羊をもっとモコモコにしたイメージ。

それが、日当たりのいい場所に大量にいたと想像してください。

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