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天秤のこちら側は耐へ難き痛み

作者:hizo
 木田は田舎の地方都市に住んでいる。
 地元中堅スーパーで、とある支店のドライ物を担当している。独身で、変化のない、つまらない日常を送っていた。
 配置転換で赴任して来て約半年、急な歯痛に襲われて、仕方なく近場の歯医者に通うようになった。小心者で、痛い事にすこぶる弱い木田は、ちょっとした刺激でも大仰に騒ぐ。そして怖がる。工夫して処置しようとする原口医師にもどうしようもない。
 そんな時、原口が新しい治療法を試してみないかと提案した。
 歯の素……を歯茎に埋めると、程なく新しい歯が生えて来るのだという。痛みはないという説明に心を動かされ、木田はその治療法を試す事にした。
 町外れの、廃屋寸前の歯医者に通う内、木田の性格や言動に変化が出始めた。積極的になり、これまでの嗜好と違う自分が表に出るようになる。同僚のデブ女からも優しく接してもらえるようになった。
 原口医院では、自分にしか見えない妙な男との遭遇などもあったが、別に気にしていなかった。が、ある日、自分の性格が決定的に変化しつつあると気付いた頃に、その妙な男が夢に現れた。木田の居場所が気に入ったので、自分もここに居ついていいかと男は問う。
 目一杯拒絶した木田だが、自分の変化が自分でも恐ろしく感じるようになり、その変化の原因は、原口に埋められた歯の素のせいではないかと考えるようになる。
 原口の元を訪れると、自分の前に同じ治療を施された男が、時折り医院で見かけ、そして夢に出て来た男であると知る。
 木田は、その歯の素が自分の身体を巣食い、やがてはその素になったモノに乗っ取られると思い込んでしまうが……。
前篇
2013/12/11 20:40
後篇
2013/12/11 20:47
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