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禁じられていた遊び(スマホの章)  作者: 嬉々ゆう


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スマホの章 第4話

もう後戻りはできません。

それでも、止める人はいない。

 

 スマホの章 第4話


 ⋯━☞教室☜━⋯


 教室へ入ると、先ほどの二人の男子生徒達は校庭へ遊びに行った。

 その間にも、少しずつクラスメイト達が教室へ入ってくる。

 でも、誰も二人を怪訝に思うものは居なかった。



 男子A:

「おいっす!」


 ミキとサキ:

「「おはよ……」」


 女子A:

「おっはよ~!」


 ミキとサキ:

「「おはよ……」」


 男子B:

「えーっす!」


 ミキとサキ:

「「えーっす……」」



 次々と教室へ入ってくるクラスメイト達は、ミキとサキの二人に向かって何時もと何も変わらず普通に挨拶をしてくれる。

 二人は元は男子だったと言うのに、全く驚く事もなければ挨拶以外に何も話しかけてくる事もない。

 元々、クラスのみんなに積極的に話しかける二人ではなかったが……


 その後二人は、放課後に例の場所に集まる計画を立てる。



 ミキ:

「そう! だから、もう一度神社へ行って同じメンバーで試してみるのよ!」


 サキ:

「でも……昨日だって何度も試したけどダメだったじゃない?」


 ミキ:

「昨日はね。 でも、また同じ時間でないとダメなのか知れないじゃない?」


 サキ:

「!……うん、そうかも知れない」


 ミキ:

「……どうしたの?」


 サキ:

「え? うぅん! なんでもない」


 ミキ:

「?……」



 ミキは、そう考えていた。

 ミキ達がスマホで謎の声を呼び出して女の子に変えられてしまったあと、

 何度も同じようにスマホを使ったのだが、結局その後は何も起こらず謎の声からの電話は来なかった。

 もしかしたらスマホを使うだけじゃなく、もっと他にも何かの条件が足りなかったのかも知れない。

 そこで、例の謎の声から電話が来たときと同じ時刻に、もう一度試してみようと考えていたのだ。


 でも、サキはあまり乗り気じゃなかった。



 サキ:

「……」


 ミキ:

「なによ稲見? どうしちゃったのよ?」


 サキ:

「え? う、うん……」


 ミキ:

「ふぅん……ま、とにかく! 放課後また皆が集まれるように声を掛けておかなきゃ!」


 サキ:

「うん……」



 そう言ってミキは、昨日のメンバーが登校してくるのを待った。

 すると、赤木君と馬場君が教室へ入ってきた。



 赤木:

「おはよ」


 ミキとサキ:

「「!……おはよ」」


 生徒達:

「「「おはよぉ~!」」」


 馬場:

「……おはよ……ございますぅ……」


 生徒達:

「「「おはよぉ~!」」」


 赤木と馬場:

「「……」」



 赤木君と馬場君は、そのまま自分の席に座って俯いていた。

 もちろんこの二人も女の子の姿になったままであり、セーラー服を着こなしていた。

 でも誰も二人を怪訝に見る者は居なかった。 やっぱり赤木君と馬場君も、以前から女の子だったようになってしまっているようだ。

 そして最初に居た男子達も校庭から戻ってきて、そろそろホームルームが始まるという頃、まだ立川君は姿を見せない。



 ミキ:

「立川君……今は立川さんかな? まだ来ないわね」


 サキ:

「うん。 あ、もしかして立川さんだけ男に戻ったのかも?」


 ミキ:

「だったら、何も問題なく学校へ来るんじゃないの?」


 サキ:

「あ、そうか……」


 キィ~ンコォ~ンカァ~ンコォ~ン♪


 ミキとサキ:

「「あっ!」」



 結局、ホームルームのチャイムが鳴ってしまう。

 その後、担任の工藤先生が教室へ来て、出席を取り始めたのだが、とうとう立川は来なかった。

 そして出席を取り終わって、工藤先生は出席簿をパタンと閉じると、ある事を話し始めた。



 工藤:

「えー、実はみんなに報告する事がある」


 生徒達:

 ザワザワザワ……


 工藤:

「立川の事なんだが……」


 ミキとサキ:

「「!?……」」


 工藤:

「親父さんの仕事の都合で九州へ転勤になり、立川も一緒について行く事にしたそうで、

 今日中に支度をして出発する事になったそうだ」


 生徒達:

「「「えぇ~!?」」」


 ミキとサキと赤木と馬場:

「「「!!……」」」


 工藤:

「急な都合で、みんなに別れの挨拶も出来なかったのだが……」


 ミキとサキ:

「「……」」



 なんと、立川は親父さんの仕事の都合で九州へ引っ越してしまったらしい。

 これは、とんでもない事になってしまった!

 立川が居ないとなれば、昨日と同じ条件での試みが出来なくなったと言うことになる。

 どうしたものか……

 だが、サキはなぜか嬉しそうに見える。

 なんとなく不思議に思い、ミキは休憩時間に聞いてみることにした。


 そして休憩時間……

 ミキは、サキを廊下に呼び出した。



 ・⋯━☞教室前廊下☜━⋯・


 ミキ:

「ねぇ、さっきなんだけどさ」


 サキ:

「なに?」


 ミキ:

「サキさ、もしかして立川君が学校から居なくなっちゃった事を喜んでない?」


 サキ:

「!……」


 ミキ:

「やっぱり!」



 サキは、ミキからそう言われて後ろめたそうに視線を逸らした。

 ミキは、そのとき確信した。

 サキはきっと、立川が学校から居なくなった事を喜んでいるんだと。

 なぜならサキは、立川からイジメられていたのだから。

 このまま立川も女の子のままで学校へ来たとしても、きっとまたイジメられると思ったに違いない。

 だから立川が来れなくなって、イジメに遭う事もないと思い、本当はこれで良かったのだと。

 でもミキにしては、とんでもない話だった。

 もし、立川が居なければ男に戻れないかも知れないのだから、これは大問題である。



 ミキ:

「サキ、この状況解ってるの? 立川君が居なければ、私達は男に戻れないかも知れないのよ!」


 サキ:

「でも……私もう、イジメられたくない」


 ミキ:

「う、うん。 そりゃサキの気持ちだって解るけどさ、私や赤木さんや馬場さんの気持ちはどうなるの?

 私だってそうだけど、きっとあの二人も男に戻りたいと思ってるよ!」


 サキ:

 キッ!


 ミキ:

「な……なによ?」



 そのとき、サキはミキを睨みつけた。

 そして今までのサキとは思えない口調で、ミキに言い放ったのだ。



 サキ:

「で、でも、こんな事になったのも、佐田の所為じゃない!」


 ミキ:

「なっ!? ど、どうしてよ!? 立川君が余計な事をしたから、こんな目に遭ったんじゃないの!

 それがどうして、私の所為だって言うのよ?」


 サキ:

「だって、この話を最初に持ちかけてきたのは佐田でしょ? 元はと言えば佐田がこの災いの元凶じゃない!」


 ミキ:

「うっ!……」



 そう言われると、ミキも反論できなくなる。

 確かに、スマホを使って立川を懲らしめようと持ちかけたのは、ミキ本人だ。

 ミキは一瞬落ち込んだが、こんな事をしていても仕方が無いと、この問題を解決したいがために話を進める。



 ミキ:

「ごめん……」


 サキ:

「……」


 ミキ:

「でも、サキだって男に戻りたいでしょ? このままじゃ、この先どうやって生きてゆくかなんて想像もつかないじゃない」


 サキ:

「うん……でも」


 ミキ:

「でも、なに?」


 サキ:

「私は……私は今のままがいい」


 ミキ:

「はぁ?」



 ミキは、驚いた。

 なんとサキは、今のままでもいいと言う。 女の子のまんまでいいと言うのだ。

 ミキは冗談じゃないと思った。

 今まで14年間、男として生きてきた。 そしてこの先も、そうだと思ってた。

 いや、それが当たり前だったのに、一人のクラスメイトを助けるためにした事で、女になってしまうなんて……

 もしかしたら、もっと他に良い方法があったかも知れないが、今となっては後の祭りだ。


 それよりも、もしこのまま男に戻れなかったら、この先将来自分は男と結婚して子供を産み、母親として子供を育ててゆくことになるのか?

 たとえ今、外見や仕草が女の子しているからと言って、男だったミキにとって女としての人生なんて考えられるわけがない。

 なんとしても、またスマホを使って謎の声を呼び出し、男に戻してもらおうとそればかり考えているのに、みんな揃って男に戻ろうとしているのに、サキは女のままで生きてゆくと言う。

 ミキには、サキの気持ちが解らなかった。



 サキ:

「今のままでいいの! もう、放っておいて!」


 ミキ:

「な、ちょっと待ってよ、サキ!」


 サキ:

「ふん! あんたに”サキ”なんて呼ばれる筋合いは無いわ!」


 ミキ:

「!?……」



 サキは、そう言ってミキの側から離れて行った。

 どうやらサキは、もう二度とスマホを使って逆さ男を呼び出す事をしない気らしい。


 絶体絶命!

 このままでは、男に戻る方法が絶たれてしまう。

 幾つかのスマホから、同時に一つのスマホへかけたとき、得体の知れない何者かからの電話が鳴るという都市伝説。

 もし今の居る人数で行うなら、ミキと赤木と馬場の3人だけとなるのだが、この人数だけでも逆さ男を呼び出す事はできるのだろうか?

 ミキが見付けたこの都市伝説では、正確な人数までは伝えられていないのだ。


 この類似説の、”怪人アンサー”というものもあるが、この都市伝説では10人の人とスマホが必要になる。

 10人が輪となるように並び、AさんからBさんに、BさんからCさんにという順序で、

 最後にJさんからAさんになるように同時にスマホ電話をかけると、10人の中の誰か一人のスマホがアンサーに繋がるらしい。

 アンサーは、9人にだけどんな質問にも答えてくれるが、ただ一人にだけ逆に質問してくるという。

 そしてそのアンサーからの質問に答えられなかったら……というものだった。

 とにかく、恐ろしい目に遭うという都市伝説だった。

 まさか、クラスメイトを10人集めるなどという事はしたくない。 もしも何か起こったら、それこそ責任がとれない。


 だから今回5人集まったので、”逆さ男”を呼び出す方法を行ったのだ。

 逆さ男は、全ての質問を逆さに答えたとき、必ず一つだけ願いを叶えてくれるはずだった。

 次にまた逆さ男を呼び出すには前回は5人で行ったので、同じように逆さ男を呼び出すためには、また5人必要だと思うし、

 きっと他の誰かを代わりにしても、ダメなような気がした。

 ミキは、逆さ男をまた呼び出すことができるのだろうか?

 そして、男に戻る事ができるのだろうか?

遊びは、形を変えました。

ここから物語は本番です。

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