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立派なモブに転生したのでヒロインを立派に育成することにした  作者: SIN


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1/5

 幾度となく読んだ様々な種類の「異世界転生」をテーマにした物語。

 主人公が謎の強さを発揮するファンタジーものや、ハズレスキルとか言いながらも結局は大活躍するスローライフもの、元の世界の料理を異世界に持ち込む料理もの、色々、色々あるが、俺には物凄く嫌いな異世界がある。

 悪役令嬢だ。

 もちろん、全ての物語が悪いってわけじゃない。

 具体的に言うと、昨日読み終えたばかりの悪役令嬢ものが本当につまらなかったってだけなのだ。

 役立たずだからとパーティーを追い出された主人公が、実は物凄く有能だった。並にモヤモヤしている。

 断罪イベントを切っ掛けにヒロインや周囲の攻略対象者達を逆に断罪する「ざまぁ」展開というありがちオブありがちな内容なのだが……。

 悪役令嬢の婚約者である王太子が婚約を破棄してまで一緒になろうとするヒロインの、世間知らずっぷりが、酷い。

 大体の悪役令嬢もののヒロインってのは、悪役令嬢よりも身分は下であるから?多少の礼儀作法の雑さってのは必要なんだと思うし、悪役令嬢を良い人に見せる為だけにヒロインは非道で無知で嫌な人間に仕立て上げられるのも仕方ないのかも知れないが……王太子って国をしょって生きる人間が、そんなバカなヒロインを王妃にしようというのだ。

 しかも卒業パーティーとかそんな目立つ舞台で、わざわざ高らかと婚約破棄イベントを起こしてしまうのだ。

 そこに隣国の王太子も出席していて、断罪される悪役令嬢をかばう。

 するとヒロインは隣国の王太子にタメ口で「悪女なんか庇う必要はない」だのと言う。

 それに対して隣国の王太子はヒロインに向かって「身分の低い者が気軽に話しかけるな」だのなんだのと器の狭い発言をして、そこで礼儀正しく悪役令嬢が「無礼をお許しください」とか言ってさ!

 言われた隣国の王太子は「そなたが謝ることではない。気にするな」とか抜かしやがるんですよ。

 いやいや、お前つい数秒前まで「この侮辱は我が国への侮辱と捉えても良いのですかね(ニッコリ)」とか言ってませんでしたかー!

 総じてバカ!

 特にヒロインがバカ!

 悪役令嬢も性格が悪いだろ。

 いちいち断罪される舞台まで行っておきながら、逆に相手を侮辱するために虎視眈々と準備を進めてんだからな!

 しかも小説を読んで内容を知ってるだとかいう未来予知能力を使ってだ。

 散々自分で「主要なキャラクターには気を付けないと」とかやっときながら、実際小説の内容が変わると掌返して「内容が……変わってるっ!」とかやる茶番!

 はぁ!?

 もし俺がこの小説の中に転移したらー……。

 キキキキィィィィーーー

「え……」

 ドッカン☆

「嘘……だろ……」


 と、言う訳で物凄くテンプレ的なお決まりトラック事故に遭い、無事に転生した俺です。

 死ぬ直前に読んでいたあのクソつまらない悪役令嬢ものの世界なのかは赤子の俺には知る由もないが、部屋にある家具からしてみると、少しばかり歴史を感じさせるヨーロッパ風ではある。

 両親が人形みたいにキレイな容姿であるって所とか、両親ではなくメイド服を着た人間が俺の世話をしている所から見ても現代の日本では絶対にない。

 そもそも俺の名前もアルケインだからな……小学生からは「歩けないん?」とか1日に10回は言われるだろうネーミングセンスは、この世界の中では良い方に入るのか?

 とりあえずもう少し成長しないことにはここがどんな世界なのかも調べられないか……せめてあのクソつまらない小説の世界なのかどうかだけでも知りたいところだが、もしそうだったのだとしてもアルケインという名前の登場人物には心当たりがないからモブだ。

 とはいえ、メイドがいる家出身なのだ、親父は間違いなく爵位持ちだな。

 さて、異世界といえば魔法。

 俺が読んでいたあの小説の中にも魔法が存在していて、ヒロインは光の魔力を持ってはいるが、微弱である癖に聖女の振りをする頭の悪い人物だった。

 で、隣国の王太子に見初められ、隣国に国外追放となった悪役令嬢が態々国外追放された日に”人生で初めて光魔法を使う”という意地の悪さを披露する。

 名目は、王太子と新しい婚約者様の祝福とか言うんだぜ?

 隣国の王太子はそれを「そなたは優しい」との妄信。

 そこからしばらくして国内で天災が相次ぐってのもムカつくポイントだったなぁ……んで、あろうことか王太子は婚約破棄を自分から言っておきながら、悪役令嬢に執着し戻ってほしいとかなんとか手紙を送り、隣国の王太子はそれを悪役令嬢に見せることもなく破り捨て、只管に悪役令嬢を溺愛するイチャイチャを何ページにもわたって見せられることになる。

 で、ヒロインと王太子の結婚の知らせの手紙だけは何故か悪役令嬢に直接届き「わたくしもお祝いに行きたいですわ」もうね、コイツのせいで一人称が「わたくし」のキャラクターが総じて性格悪く感じるようになったからね。

 もちろん悪役令嬢に執着している王太子は国に戻ってきた悪役令嬢の連れ去りを企てて失敗し、翌日には寒々しくヒロインと結婚式をあげる。

 もはやヒロインはバカなだけで被害者だよ。

 ゴタゴタした結婚式の最中、悪役令嬢が隣国王太子に「わたくしの我儘のせいで申し訳ありません」とかいうものだから、ここで1回本を置いたよね。

 まじであの小説の中の悪役令嬢だけは地雷だったわ……きもっ!って感想しか抱けなかった。

 小気味いい言葉を並べて良い人っぽく見せてるけど、実は中身のない嫌な奴ってな。

 もしこの世界があの小説の中なら、地球での知識を自分の物として披露し、名声を上げまくる悪役令嬢をこと如くのように邪魔してやるんだ。

 そして物語の中で最大の被害者となるヒロインを助ける!

 まぁ、序盤のヒロインもクソに変わりないんだけど……。

「オギャー!オンギャー!」

 あぁ……。

「アルケイン様、沢山出ましたわね~すぐにおしめ取りかえますからね~」

 序盤の俺も、間違いなくクソだな。

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