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第69話 白骨大将軍

 ――――――――――――――――――――


白骨大将軍(スケルトンジェネラル)――B+ランクの固有(ユニーク)個体。かつて一万の軍団に対して、自ら先頭に立ちわずか百騎にて突撃し、全てを蹂躙したこともある一騎当千の大将軍。指揮能力も高く、巧みな用兵で縦横無尽に兵を動かし、大将軍の覇気は万軍をひれ伏させる。鈍色に輝く鋼のように強靭な骨は魔法に対して強い耐性を持つ。


 ――――――――――――――――――――


「B+ランクのユニーク個体、スケルトンジェネラルだ!」


 神眼で読み取った情報を皆に素早く伝える。


「第一階層のボスはEランクのスケルトンソルジャーだと聞いていましたが、やはり全然違いましたね」


 スケルトンソルジャーなんて、これまでに掃いて捨てるほど遭遇してきたからね。ある意味予想通りだ。


 スケルトンジェネラルの濃密な武威に結界の中でも空気が震え、興奮した魔馬がいななく。


 気合いの入ったメイとラヴィは、わらわらと周囲に集まって来たスケルトン、スケルトンソルジャー、ウィスプ、ゴーストなどを気にもとめず、スケルトンジェネラルとの距離を詰める。


 アンデッドモンスター達は美咲さんの『聖域展開・界』の結界に触れたとたんに消えて逝くので、なんの障害にもならない。


 スケルトンジェネラルの真正面ではなく横にずらして、半径十メートルの結界がぎりぎりで当たる位置取りにて二頭の魔馬は駆け抜ける。

 

 身長2.5メートルほどのスケルトンジェネラルが長柄斧槍(ハルバード)を構えるが、それを振るわれるよりも先に結界がスケルトンジェネラルの左腕に触れた。


 結界に触れたスケルトンジェネラルの左腕には虹色のヒビが入り――そこで止まってしまった。


 ズガン!

 次の瞬間にはハルバードが振り抜かれた!


 斬撃をすり抜けた僕らの後方の墓石群が、一直線に切り裂かれている。


「悔しいね。一回では浄化しきれなかったよ」


 美咲さんが嘆くが仕方ない。神眼での鑑定にも聖属性が弱点とは明確に書いていなかったし。


「他の魔法は効果がなさそうなところを、ちゃんとダメージが与えられるだけ凄いと思うよ」


「ケケ! ケケケケケケケッッッ!!」


 赤い光の視線で左腕を見たスケルトンジェネラルは、高く掲げたハルバードを上下左右に複雑に動かした。見渡す限りの墓石が震え、土を跳ね除けて白い指先が突き出す。


 墓石の下から続々とスケルトン群が湧き上がり、軍勢となっていく。――スケルトンソルジャー、スケルトンアーチャー、スケルトンナイト、スケルトンメイジ――多種のスケルトンが十重二十重に僕らを囲み、逃げ場がなくなった。


 スケルトンジェネラルやスケルトン軍団と互いに牽制し合う間に、どんどん軍団の囲みは分厚くなっていく。


「これは……まずいね。とっとと逃げたいけど……背を向けたとたんにスケルトンジェネラルにざっくりと殺られそうだ」


「ここは私に任せて先に行ってください!」


「ルナ!? なにを言って!?」


「ふふふ、私を置き去りにしないでくださいね。タクミ様とミサキさんがスケルトンの軍団を消し去るその時まで……私がこの場でスケルトンジェネラルを抑えてみせます」


「だけど……」


 ルナのレベル帯やステータスは歪界者(ヴァリアント)のCランクだ。対するスケルトンジェネラルは固有(ユニーク)個体ということもありBランクの上位種。本来なら安全に対処するには、複数のBランク歪界者(ヴァリアント)で立ち向かわなければならない。


 ――――――――――――――――――――――


名前:ルナ

種族:狼獣人

魂の位階(レベル):24(脳筋モード)

筋力:9

耐久:7

敏捷:11

器用:4

知覚:4

知力:1

精神:1

運 :1

歪み耐性:1


 ――――――――――――――――――――――

 

「タクミ様、私のこれまでのことをお忘れですか?」


 ルナの覇気溢れる眼差しを見て――ルナならやり遂げられると確信した。


 ルナは筋力・耐久・敏捷がずっと1だったにもかかわらず、一対一なら一つ上のランクと互角以上に戦えていた。狼牙封禍拳の才人なのだ。 


「わかった……ルナに任せるよ」

「お任せください」


 お互いに頷き合う。


「それなら……同時展開……できるかしら?……うん、いける! 『聖域展開・刻』!」


 美咲さんが両手の指を組み、祈りの姿勢を取ると虹色の煌めきがルナの装備を覆った。


「わぁ! 鋼のショートソード(ショーちゃん)アクアスケイ(ミー)ル・バックラー(ちゃん)が虹色に!?」

 

 剣と盾だけでなくアイアンボア製の防具も虹色の光に包まれている。


「これなら……確実にやれます!」


「身体には聖属性付与できないから、生身のところは十分に気を付けてね」


「わかりました。美咲さんありがとうございます!」


「必ず戻ってくるから……絶対に、無事に生き残っていてよ」


「はい! 倒してしまってもいいんですよね?」

 

 ラヴィの背から飛び降りたルナは、軽やかに着地すると、愛剣を抜く。


「ははっ! もちろんだ! よし、美咲さんは右から、僕は左から回ろう。行くぞ!」


「また後でね! ここに! 三人で!」


 スケルトンジェネラルにくるりと背を向け、メイとラヴィが駆ける。


 すかさずスケルトンジェネラルがハルバードで僕らに斬撃を飛ばそうと構えるが、そうはさせまいとルナが立ち塞がった。


「あなたの相手は私ですよ」

いつもお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

 

お忘れの方が多いかと思いますので補足情報ですが、『|アクアスケイル・バックラー《ミーちゃん》』のゆえんは色がとても綺麗な水色だからです。先代は『バックル君二号』

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