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第48話 枯れ草系の危機(美咲視点・巧視点)

 ――Side 美咲――


「もう我慢できない! 美咲さん、やらせてください!」


「はひ!?」


 え!? ちょっ!? ルナちゃんが情報収集に部屋を出ていった途端に、まさかあの(・・)巧先生が迫ってくるなんて!? ま、本気(まじ)!?


「る、ルナちゃんが帰って来たら困ります!」


「ルナなら一時間以上帰って来ないと思いますよ? だから今の内にやっちゃいましょう」


 そ、そんな!? ぎ、ぎらついた本気の目で求めて来るなんて!?


「で、でも……私……できればその……そういうのは落ち着いてゆっくりと……」


「すみません、美咲さん。最近僕も体力に不安があるので、長くはやってあげられないんですよ。だから十五分で終わりにさせてください」


「ええぇ!? 十五分で!?」


「はい、この世界に来て僕もパワーアップしました! ですので日本で一時間みっちりやった時以上のことが、最初に美咲さんに触れてから十五分で今の僕ならいけるんです。安心してください!」


「ええっっ!?」


 それって(そう)………!? 


「異世界に来て僕の知らない間に、そんなにみだれた美咲さんを放って置くなんて僕にはできません! さぁ!」


 私は(みだ)らな女じゃありません! ま、まだ……その……したことないし……


 耳が、ほっぺたが熱い。顔が真っ赤になっているのが自分でもわかってしまう。

 

「そんなに心配しないでください、絶対に満足させてみせますから!」

 

 そ、そんな!? 枯れてるなんて噂されてたあの(・・)巧先生が異世界だとこんなに積極的になってしまっているなんて!? こんなに求められたら……恥ずかしいけど……嬉しい……かも……


「え、と……はい……」


 ぎゃ〜!? 今の!? 私の口が言っちゃったの!? ど、どうしよう……


「それじゃあ早速初めましょう」


 始まりの言葉と同時に、私は座っていたベッドに押し倒される……逃げ道をふさがれ……いきなり胸に手が伸びてきた……と思ったら……素通りして二の腕……続いて腕の付け根をとても優しく触られる。


「ひゃあん!? あっ、あん……くっ」


 な、なにこれ!? 腕を触られただけなのに!? 気持ち良さが!? 日本の時より更に凄くなって……


「やっぱり……美咲さん相当溜まっていましたね? これじゃ辛かったでしょう」 

  

 い、いや! そんな……私はそこまで言われるほどエッチな女じゃありません! ……たぶん……違うよね?……


「あっふ……い……だめ……き、気持ち良すぎて……」


「良いんですよ、どんどん気持ち良くなってください。ほら身体から力を抜いて」


 流れるような手さばきで、気付けばいつの間にか仰向けからうつ伏せにされている。巧先生の手が背中から肩へと這っていく……


「ん~~!? いっ!? だ、だめ!」


 や、やだ! 良すぎて変な声が漏れちゃう!?


 え……キ、キスは? キスから始めるものなんじゃないの? まだキスしてもらってないよ?


 触れられるたびに全身がゾクゾクして、身体中が切なくなってしまう……頭がぽーっとして何も考えられない瞬間が長くなって……


「あ、そこっっ! あぁ~~!!」


 あまりの快感に身体が自分の意思に反してビクビクとし、全然おさまらない……

 

「ふー、終わりました。どうですか美咲さん? 集中してやったので、少し負担は大きくなってしまったかもですけど……完全に整ったはずですよ?」


 巧先生の声を聞いただけで、身体がピクピクと反応してしまう……


「……え? 今なんて?」


「え? 整体終わりました。肩周りが凄く縮こまって、凝り固まっていたので辛かったでしょう? 偏頭痛とかおきていたんじゃないですか?」


「……はい。……巧先生と合流する前までが特に……凄く肩が凝って、頭も痛くなることが多かったです……」


「やっぱり。今日は全身を軽くと、肩こりに集中してやりました。これから僕の方に余裕があれば、もっと長い時間をかけられますから全身を整えていきましょうね」


 巧先生の言葉を聞いた私は一気に脳が覚醒した。……あれは最初から最後まで施術だったのね……立ち上がって肩を回すと、嘘のようにほぐれている。


 さすがは巧先生ね……


 ……どうせ……どうせ……こんなことだろうと思ったわよ……あの草食どころか枯れ草系男子だった巧先生が、いくら異世界に来たからって肉食系男子に豹変するわけないもの……


「ありがとうございました」

 

 キッと巧先生を見て、お礼を口にした。なんだよぉ……乙女の純情を返して欲しい……舞い上がってしまって……超恥ずかしい……

 



 ――Side 巧――


 ん? お礼を言われているはずなのに、何故か美咲さんの視線が刺さってくるんだけど……?


 僕、なにか悪いことしました?


 美咲さんの身体が辛そうなのを放っておくのは、もう我慢できなくて 美咲さんに(施術を)やらせてくださいって頼んだでしょ?


 どうせ声が漏れちゃうと思うから、他人に聞かせるのは嫌だろうと配慮して、ルナがいない間に済ませちゃう段取りは完璧でしょ?


 本当は徳本整骨・整体院の時みたいに、ゆったりとしたクラシックを小音量で流せていたらもっとリラックスできただろうけど、異世界じゃできないからそれは無理だったし。


 今の僕は魔力枯渇で体力に不安があるから自分の体力に合わせて、超特急コースで十五分で終わりにしたけど……それ以上は今は無理だし……


 異世界で離れている間に、あそこまで筋肉と骨格がみだれた美咲さんを放って置くなんて、僕の職業倫理的に到底できないし……


 時間が短いとちゃんとした施術にならないかも、と不安がられていたみたいなので、絶対満足させる宣言してとりあえず施術を受けてもらえるように促して……見事原因を取り除けたし。


 うん、我ながら今の自分にできるパーフェクトな対応だったはず……うん、間違いない。


 それなのに……なんでなんとなく怒られているような雰囲気なんだろう……解せぬ。


 それにしても……美咲さんの声……艶っぽくて破壊力があったな……今までは全然気にならなかったけど……ルナと色々あって女体の神秘を探求するようになってから……ものすっごく気になるようになってしまった。


 なんとか施術者としての理性を保ち、煩悩退散できたけど、これからは大変だなぁ……僕……日本にいる時、童貞で良かったよ……

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― 新着の感想 ―
こんばんは。 美咲さん、巧先生は恥ずかしくても自分から「抱けって言ってんだよオラァァァァ!!(要約」って行動しないとダメだと思いますよ? いっそのことルナに相談するのが早道かもしれない…。
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