第34話 ルナの誤算 *
「タクミ様! やはり今のステータス値では、単なる力任せスピード任せになってしまい、技術の向上が見込めません」
いつものように寝る前の鍛錬を終えると、ルナが勢い込んで語りかけてきた。
今日僕らは第三階層のボス、魚型モンスターの『ピクルーピラニー』の討伐に成功し、めでたく第四階層へと進むことができた。
……そのピクルーピラニーでさえも、単独で簡単にルナが捌いてしまえたことに不満をおぼえているようだ。
「そう……かな?」
「せっかくステータス値を整合して、物理系の数値を上げていただきましたが、再調整をお願いします」
ルナは戦闘面ではストイックだなぁ。僕だったら楽に倒せる間は、それでレベルアップを続けていくことに戸惑いはないんだけど。
「ダンジョンでの戦闘は戦闘、鍛錬は鍛錬で別に行うっていうんじゃ駄目なの?」
「はい! それではいざという時に身体が反応してくれません。魂がひりつくような戦闘体験を積み重ねることでしか体得できないこともたくさんありますからね!」
武人気質というか、なんというか……これが噂の戦闘民族というやつだろうか?
「どういうふうに変えたい?」
「そうですね……あ! 少しお待ちください」
そう言ってあの痺れ薬の魔法薬飴玉を取り出すとクンクンと念入りに匂い始めた。毎日、暇を見つけては嗅いでいる。
「どう? 何か違いがわかった?」
「悔しいですが、まだ毒や魔法の匂いの判別がつきません。タクミ様、今日は……知覚をタクミ様と同じ10にしていただけますか?」
「なるほど知覚を10ね」
「はい。お願いします」
ルナが恥じらいながらも、つんと胸を突き出す。
夜着をかき分け、出された左胸の心臓部を意識しながら……
「……ん……」
数回肌に触れてルナの整合を行い、他を減らして知覚を10にした。
「終わったよ」
「ありがとうございます! わっ!? これが普段タクミ様が感じている感覚なのですね!? 感覚が鋭敏になった気がしますが……私にはタクミ様のように、色々なものを網目状に把握するというのはできないようです。……でも凄く……匂いが……」
クンクンクンクンクンクン!?
クンクン!?
「こ、これは!? 微かに……臭い……気が……する?」
クンクンクンクン!?
「これで匂いを嗅ぎ続ければ、いつかははっきりと……嗅ぎ分けられるかもしれません……」
ルナがすごい勢いで更に飴玉の匂いを嗅ぐ。僕も自分の袖をつまんで匂ってみた。臭いのは僕じゃないよね??
目が合うと、ルナがにっこりと微笑んだ。
「タクミ様からは……いつも以上にいい匂いが漂っていますよ♪ 濃厚で芳醇で……匂いだけで発情してしまいそうです……」
自分では何も匂わないんだけど……ルナはフェロモンでも感知しているのかな?
艶やかに微笑むルナは、目がギラついている。僕を食べようという捕食者の目だ。
「ま、まぁ、少し落ち着きなよ。ほら、いつものマッサージがまだ終わっていないしさ」
「そ、そうでしたね……」
ルナの舌なめずりと、瑞々しい唇が妙に目を引いてしまう。
いつものようにうつ伏せになってもらい、背中からマッサージを始めた。
「ひゃう!?」
ひゃう?
すっ、すっ、と初めは筋肉に沿って滑らかに刺激を与える。
「ふああああぁぁぁぁ!」
びくっびくっとルナが痙攣した。
「だ、大丈夫!?」
「…………」
「ルナ?」
「ひゃい……だ、大丈夫れふ……ちょっと……気持ち良すぎて……」
なんだ、気持ちが良いのか。それなら確かに大丈夫だね。僕はホッとし、マッサージを再開した。引き続きツボを刺激しつつ筋肉を緩めていく。
「あ……ふ……」
「く……ん~~!? い……」
「っく……だ、だめっ……」
??
……おかしいな?
性的なことは一切行わずに真面目にマッサージしているのに……ルナの反応が……いつもより……激しい?
……というか声がエロい。
……身体もピクピク震えて……
いったいどうしちゃったんだろう?
あれ? 動きが止まった……
「ぷはぁ、ふぅ〜……ふぅ〜……タクミ様……お願いです……知覚……元に……戻して……び、敏感に……なりすぎちゃ……て、こ、壊れちゃいますぅ……」
ゴロリと仰向けに向き直り、涙目のルナが訴えかけてきた。
そ、そうか。……僕は……知覚10に慣れてるからそうでもないけど、急激に感度が上がったルナは……
知覚を戻すには……整合するしかないわけで……
荒い吐息で激しく上下する、ルナの大きな山を眺める……
すっと夜着の隙間から手を入れ、肌に触れた瞬間。
「ひあぁっ!!」
ルナが大きく跳ねた。
「ひっ……くっ!」
こう激しく動かれては落ち着いて整合できない。こちらも集中力が必要なのに……手が左胸から外れてしまったし……
「……もう!……タクミ様は……いじわるですぅ……」
ルナが恍惚の表情で、僕の唇を貪ってきた。
あ……れ? ……整合は?
キスをしながら激しく震えているルナは、それでも僕にしがみついてきて離さない。
「こうなったら……タクミ様も道連れです! あむっ……」
「おわっ!?」
「一滴も残しませんからね♪」
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