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盲目の整体師は異世界でのんびり過ごしたい〜僕の整合スキル、なぜか性豪って呼ばれています!?美少女達にゴッドハンドを求められ、勝手にハーレムを作られて困っている〜  作者: 大木げん
第二章 迷宮都市ルボンド

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第33話 整合師【熟練度2】

「タクミ……早く出して欲しいにゃ……」 


 目の前には見事に酔っ払い、色っぽい猫なで声で僕に絡むミケさんがいた。元々美人さんな上に、アルコールで頬が上気していてとても艶っぽい。


 キラリと光る瞳が柔らかくすぼまり、僕の心を射抜く。


 ――『性交』――




 なんてインパクトのあるスキル名なんだろうか。


 今、僕はとても悩んでいる。


 これ……神殿や国のステータスを見ることのできる水晶玉に鑑定されたら『性交』って載っちゃうんだよね? それはちょっと恥ずかしい。


 多分そういう時はルナと行動しているだろうから「君たち、スキルになるほどやりまくってんだね?」と思われちゃうじゃん?


 Dランクの歪界者(ヴァリアント)になったら、仕事を斡旋してもらう為に、自分のステータスの内容をギルドに登録しなきゃいけないらしい。しかもそれは公式に神殿で発行した書類でなきゃいけないんだとか。


 まあ、その理由はわかる。自己申告でいいのなら、実力以上のことを書類に書いて、良い仕事をもらおうとする人もいるだろうからね。

 

 鑑定といえば、ミケさんの目はアイテムだけではなく、人物も僕みたいに鑑定できているのだろうか? ひょっとして、今も既に性交スキルを見られていたりして……


 他人にスキルを聞くのはマナー違反だから聞けないけど、凄く気になる。


 歪界者(ヴァリアント)のDランク帯は魂の位階(レベル)でいうと11〜20くらいだそうで、僕らにはまだ少し早い。


 しかし、Eランクモンスターの討伐数の実績と、Dランク上位の歪界者(ヴァリアント)であるヴァンスとデリアを退けた実績を鑑みて、近い内にDランクに昇格できる、と昨日言われた。


「Dランクといえば、経験と実力を兼ね備えた本格的なプロの歪界者(ヴァリアント)です。そんなランクに、まさか私がもうすぐなれるなんて……夢のようです」


 こちらも酔っ払って目がとろんとしたルナが、尻尾をブンブン振り回して僕にしなだれかかってくる。


「ひゃははは! 良かったなぁタクミ! ルナとうまくいって! おかげで俺も儲かったぜ」


 モヒーのアニキも上機嫌で僕に語りかけてくれた。


 なんでも前回飲んだお店で、本当に僕の初体験で賭けをしたらしい。いつやって、何日間こもるかの連複で大当たりしたんだそうな。流石はモヒーのアニキだ。


 斥候(スカウト)らしく、素晴らしい観察眼で僕とルナのことを把握してくれていたようだ。……が、恥ずかしいのでそんな予想をするのはやめてください……


「ランクアップが本決まりするまでには、書類を提出しますね」


「できるだけ早く出すにゃよ」

 

 そう言って尻尾でテシテシと僕をはたくミケさん。


 尻尾……触っても良いんだろうか?


 シャーと威嚇してミケさんの尻尾をはたくルナ。仕返しにルナの尻尾をわしづかみにするミケさん。二人は本当に仲が良いね。見ているだけで幸せになれる光景だよ。


「実力的には間違いなくDランクで良いんだろうが、俺はもう少し時間をかけた方が良いと思うんだがなぁ……あまりに早すぎると後から弊害が出てくるから、強さ以外の経験をもっと積むべきだと思うぞ」 


「なるほど。流石はブルのアニキですね。具体的にはどんなことをすれば良いですか」


「そうだな、まずDランクになると護衛任務が回ってくることがあるから、先輩歪界者(ヴァリアント)に護衛任務の補助としてバイトで雇ってもらって経験を積んだほうが良いぞ」


「それは必要そうですね。他には?」


「採取・採集の仕方や、モンスターについてもだな…………」





 

 楽しい飲み会が終わり、宿に帰って来た僕とルナ。


「ねぇ、ルナ、本当に僕のスキルと整合師の職業どうしようか? これって絶対に悪目立ちするよね?」


「そうですね、何か隠す方法でもあればいいのですが……残念ながら私には何もできません。過去に見たことがあるスキル一覧には『隠蔽』や『偽装』といったスキルも載ってはいましたが……使える人には出会ったことがありませんしね」


「なんとか隠したいんだけどなぁ」


 そう思いながら『性交』スキルを一心不乱に眺めていると……『性交』の文字が読めるかどうか、というほど薄くなった。グレーアウト、と言うんだろうか?


 そして……『性交』スキルの隣には新たに『精恍(せいこう)』の文字が……



【精恍】――対象の界理(ロゴス)から発せられる情報を「精巧に曖昧化」する能力。鑑定玉等による情報の正確な把握を困難にし、情報の隠蔽と認識を攪乱することに特化。




 慌てて今起こった出来事を、ルナと共有した。


「これは……通常のスキルツリーとは全然違っていますね……タクミ様が整合師熟練度2になってから覚えたスキルは……【清光】【性交】【精恍】……」


「見事にバラバラだね。わけがわからないよ」


「いえ……一見バラバラのようですけど……どれもタクミ様の中にある界理(ロゴス)を調整して……必要なものに作り変える……? ……それとも……産み出す?」


 ルナの言葉に、僕もハッとする。


「……『整合』……しているのかな?……『清光』の時なんてルナを失いたくないから真剣に願ったよ。……他のスキルの時もそうだった」


 二人揃った動きで、同時にルナと顔を見合わせる。


【整合師熟練度2】――かなり凄いんじゃないか?




 ――――――――――――――――



 現在のタクミの職業スキル


【整合師】徳本巧(とくもとたくみ)固有のユニーク職業。世界の「歪み(ヴァル)」を感知し、「調和」へと整える能力をもつ。世界の根源である界理(ロゴス)に作用する。


【神眼】あらゆる情報(ステータス、アイテム、魔素など)を視覚情報として直接捉えることができる能力。世界の根幹であり、あらゆるものにあまねく宿ってもいる界理(ロゴス)に記録された情報を直接読み取る力。魔力や生命力、歪み(ヴァル)なども、光や色、情報として認識できる。


【整合】――物理的・魔力的・精神的な構造そのものに存在する「歪み(ヴァル)界理(ロゴス)」を感知し、それをステータスボードを通じて「整え」、本来あるべき清らかな界理(ロゴス)の状態へと「統合」する能力。


 ――――――――――――――――


整合師熟練度2


【清光】――清浄な光で対象の歪み(ヴァル)を取り除き、体内の界理(ロゴス)の異常を健全な状態に保つ。状態異常の緩和、治癒が可能。



【性交】――精神と肉体が深く交わることによって、二人の魂の根源である界理(ロゴス)が繋ぎ合わさり、魂の回路(パス)を構築する能力。



【精恍】――対象の界理(ロゴス)から発せられる情報を「精巧に曖昧化」する能力。鑑定玉等による情報の正確な把握を困難にし、情報の隠蔽と認識を攪乱することに特化。




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