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盲目の整体師は異世界でのんびり過ごしたい〜僕の整合スキル、なぜか性豪って呼ばれています!?美少女達にゴッドハンドを求められ、勝手にハーレムを作られて困っている〜  作者: 大木げん
第二章 迷宮都市ルボンド

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第14話 迷宮都市ルボンド

 ゼニス王国との国境を越え、僕らの目に飛び込んできたのは、巨大な迷宮都市ルボンドだった。


 半径一キロメルにも及ぶ高い壁に囲まれた街は、趣のある赤いレンガ造りの建物が雑然と並んでいる。この街のダンジョンは発見されてから二百年、誰も攻略できていないという。


 ダンジョン探索者、彼らを相手にする商人、さらに大規模な卸売業者。あらゆる人々がそれぞれの目的で集まり、街全体が活気に満ちている。


 屋台の店主の威勢のいい声が響き、軒先から肉を焼く香ばしい匂いと、甘くスパイシーな香りが風に乗って流れてくる。


 どこからか賑やかな歌声と楽器の音が聞こえ、楽しげな雰囲気でにぎわっていた。


 ルナが鼻をクンクンと鳴らしながら、屋台の並ぶ通りを進んでいく。僕も隣を歩き、二人で買い食いを楽しむ。


 大通り沿いの屋台を覗くと、牛、羊、豚、鶏……さらにはダンジョン産モンスター肉まで、様々な串焼きが食欲をそそる匂いを放っていた。


 シンプルな塩味から、香ばしい香辛料やバーベキューソースが塗られたものまであり、目移りしてしまう。

 

 屋台はその場で次々に色々な味を楽しめるのが魅力的だ。


「タクミ様、ここの豚の串焼きは脂がのってて、とっても美味しいですね」


「うん、美味しいね。でも、僕はさっき食べたハーブ塩味の牛肉串が一番好みかな」


「あー、あれも良かったですね♪」


「爽やかなハーブの香りが効いてて、たまらなかったよ。ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がって美味かった」


 二人で街をぶらつきながら、おしゃべりをして買い食いするのって凄く楽しい。


 ルナが鼻で選んだ屋台の串焼きはどれもこれも美味かった。さすがは狼獣人だよね。ハズレがない、というのが凄い。それにしても……ルナ、肉食いすぎじゃね? 僕はそろそろギブアップだよ? ……まだ食べれるの? じゃあ僕の分まで食べて?


 僕は満腹だが、肉をぱくついてご機嫌なルナの、楽しそうに揺れる尻尾を見ているだけで飽きなかった。まだ痩せているから、もっと食べてほしい。そう願う僕の望み通り、ゼニス王国でもらった銅貨が飛ぶように消えていく。


 街の中心から少し東に寄ったところに、『調和の神殿』はあった。


 小高い丘の上にそびえ立つ神殿は、太陽の光を浴びて白く輝き、威厳に満ちた姿で街を見下ろしている。荘厳な石柱が天を突き、屋根には精緻な彫刻が施されていた。


「タクミ様、次はあそこに行きましょう。この世界の誰もが一度は訪れる場所のことを何も知らないのは不自然ですから」


 ルナはそう言って、神殿を指差した。


 たしかにその通りだ。ルナはけっこう気が回るし、頭が良い。僕の異世界生活の確かな道しるべとして、とてもありがたい存在だ。


「ここは宗教施設であると同時に、この世界で唯一転職もできる施設なんですよ」

 

 ちなみに、お布施の額は国によってまちまちで、ゼニス王国は高いが、フォレル王国は良心的な値段なんだそうだ。


 昨晩の発見で、僕の『整合』スキルには、なんと職業選択の自由もあることが分かった。十分な経験を積めば、職業欄に新たな選択肢が出現するらしい。


 そんな訳で、今の僕の職業はルナと同じ『歪界者(ヴァリアント)』に設定してある。



歪界者(ヴァリアント)】「歪み(ヴァル)」に侵された「世界」に生き、その歪んだ世界を渡り歩く者。ダンジョンコアを消滅させ、世界の歪みを無くすことを目標に戦う。



 神眼による職業の説明にはこう書いてあった。


歪界者(ヴァリアント)』は、ダンジョンモンスターを自力で倒せば現れる、ありふれた職業らしい。


 だが、響きが格好良くて、ルナの職業を見た時、うらやましく思ってしまったのは内緒だ。


 これならば世界規模のギルドである、歪界者(ヴァリアント)ギルドに登録できる。登録条件は初登録時に歪界者(ヴァリアント)の職業についていることと、ランクに応じた登録金を支払うこと。


 登録さえしてしまえば、その後の職業がなんであろうとも自由なので、変に勘ぐられることもないという。


 神眼の制御訓練の甲斐があって、普段の僕の瞳の色は虹色ではなく灰色だ。集中的に調べようとする時には、虹色になっているみたいだけど。ルナのチェックによれば、僕はちゃんと目立たずに周囲の人に溶け込めているらしい。


 神殿内に一歩足を踏み入れると、香炉から漂う清らかな香りと、静謐な空気が肌を撫でる。


人の良さそうな顔をした神官に、若干のお布施を払い参拝した。目的が神殿を体感することだから、もはやただの観光だよね。


 僕は日本では観光地に行っても景色を見ることはできなかったので、こうやって、各地を観光して回るというのも新たな楽しみとして過ごしていきたいと思う。


 神殿での参拝を終えると、ダンジョンを挟んで西側にある歪界者(ヴァリアント)ギルドに移動した。


 ギルドは三階建てのがっしりとした石造りで、大勢の人で賑わっていた。汗と埃、そして紙やインクの匂いが混じり合った、独特の匂いが充満している。


 受付カウンターの列に並び、順番が来たので受付の綺麗なお姉さんに歪界者(ヴァリアント)ギルドへの登録を申し込む。


「こんにちは。ギルドへの登録をお願いします」


「こんにちは、歪界者(ヴァリアント)ギルド、ルボンド支部へようこそ。ルボンドには初めて来られたのですか? 今まで、他のギルドに所属していましたか?」


 制服を着た赤髪ロングのお姉さんは、ハキハキとした丁寧な口調で問い返してきてくれた。


「はい、ルボンドへも初めて来ましたし、今までどこのギルドにも所属していません」


「それでしたら登録はスムーズに終わります。では、簡単に説明しますね」


 受付のお姉さんの説明は、ほとんどがルナから聞いていた内容と同じだった。


 仕事内容は、ダンジョン内の草木や鉱物などの採取、モンスターの討伐など様々で、常時出されている依頼は自由に受けて報酬が貰えるらしい。


 更に、Dランク以上の中級者になると、ダンジョン外の護衛や野生モンスターの討伐任務も斡旋してくれるそうだ。


 当然依頼を失敗したらペナルティが科せられるので慎重に仕事は選ばなければならない。


 説明が終わると、おもむろにお姉さんに右手を握られた。


「はい、それでは登録します。ちょっとチクッとしますよ」


 え? と思うまもなく、指先を針でぷすっと刺され、小さな金属のプレートに押し当てられた。


「はい、登録完了です。ギルドでは今後の取引は全てこの歪界者(ヴァリアント)証で行いますので無くさないでくださいね」


 びっくりしたが、ほんの数滴血が垂れる程度だったので、痛みはもう治まりつつある。


「ありがとうございます」


 歪界者(ヴァリアント)証を受け取って、早速買取のカウンターへと向かったら……


「お前ら、まだ歪界者(ヴァリアント)になりたてなんだろ? 俺らがきっちり一から教えてやるから、明日から一緒に行動しようぜ?」


 途中ですっごいガラの悪い二人組に絡まれてしまった。



 


 

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