表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩 泥水の海を進む船

作者: 仲仁へび



「大昔に外の国は全部泥の中に消えてしまったんだよ」


「だから、他の国なんてものは存在しないって、皆言ってるよ」


 泥水でできた海の中へ 小さな船で泳ぐ

 いつか死ぬどころか 次の瞬間だって生きてはいない


 正気じゃない 狂気じゃない?

 それでも 向こうへ 海の向こうへ


 狭い大地から 知っているだけの世界から

 はみ出さずに お行儀よく生きる

 なんて出来ない 無理な話だ


 自分が自分であるために

 夢が夢であるために


 与えられた真実を ただただ鵜呑みにしやしない


「嵐に揺れる船 雷にうたれる自分

 怪魚に飲み込まれる船 日照りに苦しむ自分

 

 それでも海を渡る まっすぐ漕ぎ続ける」


 自分が自分であるために

 夢が夢であるために


 与えられた嘘の歴史を ただただ真実だと思い込まないために




「ストーリー」


 ずっと前に、赤子だった頃に、外の国から流れ着いてきた。

 海岸に漂着した私を育ててくれた恩は分かっている。


 船はバラバラになり、波に消えてしまったから。

 異国の存在の証明はできない。


 みんなは外の国なんてないから、危ないことはするなと言うけれど。

 それでも、故郷に対する思いは消えない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ