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2人は、土砂降りの中ジジイを背負って
学校の隣にある神社に行った
「この社の下に隠そ」
周りに誰もいないか何度も確認して
俺たちは、ジジイを社の下に置き去りにして
雨の中、傘もささずに自転車で帰った
その夜、吉から何度もラインがきた
ジジイ死んだかな
死んでたらどうしよう
救急車呼べばよかった
バレたらどうしよう
捕まるかな
俺は何度も、
大丈夫、あれは事故やから
証拠も無いしバレるわけない
大丈夫、吉は大丈夫、と言った。
でも、よく考えたら
あんなとこに置き去りして死んでたら
やばいよな
すぐ見つかって事件になる
せめて埋めてこれば良かったか…
社の下やし、深めに埋めたらバレへんはず
利輝はスマホで時間を確認すると
0時をまわったとこだった
雨はもう上がっている
寝ている家族を起こさないように
静かに家を出た。
家の前に広がっている畑の
物置から大きなシャベルを借りて、自転車に乗る
夜中の車も人も、街灯もない暗い道を
信号も関係なく走る
学校横の神社に着いて
社の下を覗きこんだ
ジジイはさっきと変わらない姿で横たわっていた
利輝は持ってきたシャベルで土を掘り出した
雨上がりの土は柔らかくサクサク掘れる
社は少し高床式になっていて、動きやすく
あっという間に深い穴が掘れた
スコップと一緒に畑の物置から持ってきた
石灰を敷き詰め、ジジイを穴に放り込んだ
掘り返した土を戻し、きれいに埋める
自然に見えるように表面に葉っぱとか置いたらもう分からない
利輝はポケットからスマホを取り出した
吉からラインが来ている
「寝れない」
利輝は、ふっと笑って
もう大丈夫やで
と打とうとしたが
1時間ずっとシャベルを握りっぱなしだった手は震えて上手く動かない
諦めて、自転車に乗る
利輝は、汗だくで全身土まみれだったので
服のまま海に入り全てを洗った
そのまま自転車に乗り家に帰って
シャワーを浴びて寝た
疲れたのでぐっすり寝れた
起きたのは昼過ぎだった。
手のひらの豆を見て
現実を確かめる
不思議と罪悪感は無くて
むしろ達成感に満ちていた。




