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今日は地元の夏祭り
俺らの地区の祭りはこの町では大きい方で
出店はもちろん打ち上げ花火やカラオケ大会まである
俺と吉は神社にお参りしてから
財布に入れた1000円札を何に使うか出店通りを行ったり来たり吟味していると
「利輝ー、吉ー!」
後ろから名前を呼ばれ、振り向くと
同じ地区に住んでいる
オセロとクッキーがいた
オセロとクッキーも俺と吉と同じ保育園に通っていた幼馴染だ
ちなみにオセロは
夏になると真っ黒に焼けるくせに
冬になると見事に白くなるので
オセロと呼ばれている
クッキーは保育園の時
クッキーを食べすぎてゲロを吐いた事から
クッキーと呼ばれるようになった
「やっと会えたわ!探しとったんよ!」
オセロは俺の手ひいて
こっちこっち!と歩きだす
「何?!どうしたん??」
「もうすぐ出番やから!」
「何の??」
「カラオケ大会!!」
「え!?!?」
なんと、オセロは勝手に俺をエントリーしていた
グイグイと手をひかれステージ裏まで無理矢理連れて行かれる
「最悪最悪最悪最悪、終わりまじ終わり」
オセロはめっちゃ笑っている
こいつはこうゆう奴だ…
「絶対盛り上がるから!!利輝のカラオケ!
なぁ!?ww」
クッキーは不憫そうに俺を見て
「う、うん…」と控えめに言った
ここまで来たらもう出ないなんて言えない雰囲気
年々、カラオケに参加する人は少なくなっていて地区の役員達は盛り上げる為に嫌々出ていたりする
出場してくれるなら、たとえ中学生でもウェルカム大歓迎!大喜びだ
近所のおっちゃんがカラオケの係をしていて
「利輝坊!頑張れよー!」なんて応援してくる
「分かった!歌う!
やからお前等は後ろで踊れ!!!
そやないと俺は出ん!!!」
「オッケー!!任せて!!!」
「えええええーーーー!!!」
オセロはやる気満々で早速エアギターの振りを始めた
吉とクッキーは、ムリムリ勘弁してくれ!!
と言い、逃げるように客席へ
俺とオセロで出る事になった。
「吉ごめんな、オセロが急に利輝をエントリーし出してさぁ」
「俺はええけど」
「ほんまはオセロ自分が出たかったんやと思う、ほやけど自分から言うのは恥ずかしいし
やから利輝に誘われてステージ立てんのは嬉しい筈やわ」
「いや、俺ら巻き込まれんで良かったな」
「ほんまに、、踊れ言われた時は
まじ焦った」
利輝の出場を聞きつけたクラスメイトの瀬名とヤンもやってきた
吉とクッキーと瀬名とヤンは最前列で出番を待つ
すると
大音量、利輝の声で
「千ノナイフガ胸ヲ刺ス!!!!!」
そのまま階段を上がりステージに出てきた
利輝とオセロ
エアギターをかき鳴らすオセロ
利輝は頭を振りながらめちゃくちゃ激しく歌いだした
「うおー!神曲キター!」
吉とクッキー、瀬名とヤンは手を上に上げジャンプして盛り上げる
吉は、かつて利輝と考えたヘンテコ振り付けを踊ってみせた
それを見た利輝も笑いながら同じ様に踊りながら歌う
オセロはステージ上でめちゃくちゃ暴れ踊っている
「愛の名の下 崩れ落ちて 悲しみの果て離れ離れ!!!
tonight I play for you 運命なら!!!
全て受け入れ燃え尽きて!ハイになるまで抱き合おう!!!
tonight I play for you 愛すればこそ!!!」
祭りに来ていた同級生達が前列に集まり
盛り上げてくれて
利輝のカラオケは今日一番の盛り上がりになった
その勢いでもう2曲歌い
なんと、優勝 (などないのだが)した。




