第三話「疾走する鋼鉄の騎馬!」3
*
人気のない山中に、ガサリと茂みを踏みつける音がした。
「ネガセルパンのサリネよ。」
「ガンドマ様。」
二つの人影が並ぶ。モグログのキメラ魔人達である。
「すまぬな、女子1人、このような山の中で待たせて。」
「お気遣い傷み入りますわ。でも私、この身体を戴いてから、すこぶる山が気に入ってますの。」
「そうか……。まもなく、聖女を運ぶ段取りがつく。明日の正午といった所か。」
「助かります。では、今夜から仕掛けますね。」
「うむ。そちらは不備はないか?」
「ええ、おそらくは。私の星占魔術によれば、聖女の星と、かの金鎧の星が離れてゆきます。どうやら、今日村に来ていたどちらか……腕前からして、怪我していた方が金鎧かと思います。それが離れたとなれば……」
「奴の力はまだ底が知れぬ。サズーラ殿も倒れたのだ、ゆめゆめ油断をするな。」
「はい、ガンドマ様……。行ってまいりますわ。」
ネガセルパンのサリネは、藪や茂みだらけの周囲に溶け込むように、その身体をツチノコに変えて村に向かった。その後は一切の物音も立てず、するのは山風の音のみであった。
*
リボリアムは急ぐ。路銀も気にせず早馬を使い、町や村に着く毎に馬を乗り換え、また急ぐ。
その間、アンザイは冒険者2人や村の戦える者達をかき集め、防衛の準備をしていた。
「きっ来た……!来たぞーーーー!!」
リボリアムが発ったその夜。
村の男衆が各々武器になりそうな物を手に集まり、聖女のいる家を広く囲うように展開していた。
聖女シプレは、元いた屋敷ではなく、村の中心近くに位置する一軒家に移動している。守りやすく、逃げやすいという位置である。家の周りと、離れたところにもめいっぱい篝火を焚いている。月も明るく、夜襲とはいえだいぶ視覚を確保できている。
男衆は他にも交代要員がおり、近くの家で休憩している。
アンザイは男衆をまとめ上げ、このような陣形とした。
今まさに村人の一人が声を上げたと同時に、他の連中の何人かも同じものを見ていた。あの赤いヘビ……否、ツチノコである。
「数はどんなもんだ!?」
「い、1匹だ!!」
「……1匹?」
その返答に、周りの男達はどっと笑った。1匹ならなんの驚異でもないのに、大げさだなぁと。
だがアンザイほか、何人かの戦闘要員は逆に焦った。
「……よし、確実にしとめろ!その後持ち場に戻って、警戒を続けろ!」
アンザイは努めて冷静に判断を下す。
ボリアミュートへの奇襲といい、今回の夜襲といい、モグログは軍略もある程度できるようだ。
アンザイが思うにこれは、消耗戦である。
今夜中いっぱい、散発的にあのツチノコがくる。1回1回は少なくとも、後ろには通せない。すると村人たちは、全員がずっと気を張っていなければならない。時間が経てば経つほどこちらが不利になる。
「いいか、夜は長い!肩肘張らずに、雑魚が労せず減らせると思え。こんな感じのがずっと続くぞ!」
敵の意図を伝え、なるべく消耗を少なくするよう声をかける。長い夜が始まった。
………………………………
………………
「きっ来た……!いっぱいいるぞ!」
「こっこっこっちもだ!」
「囲まれてるぞ!」
「ついに来たか……男ども!ここからが本番だ!」
アンザイが叫ぶ。
敵はいつになく大量だ。本命の攻撃と思って間違いない。まだ遠くにいるのに、無数のツチノコが蠢いているのがわかる。
味方側の状況は、はっきり言って悪い。
最初は1人が向かってしとめれば済んでいたツチノコが、だんだん2人、3人と同時に対処する人数が増えてきていた。対処に追われる人数が増えれば、疲れも溜まる。そして敵は、減るどころか増えてくる。
敵が無限にも思える数に感じる。その終わりのなさに、少しずつ村人達の心労がかさんでいった。
戦いが本職でなく、しかも夜に武器を振るなど、慣れない事をしてへたり込む者達も出ている。
その極めつけがこの状況だ。
夜の闇でもわかる。無数に蠢いている。
正直絶望的だが、それでもやらなければならない。アンザイは檄を飛ばした。
「すぁ~~村人たづ、いよいよやるぞ!無理せず、自分のペースで後ろに下がりながら戦え!決して前に攻めるな!休憩中の連中も出せ!!」
男たちに緊張が走る。
「いいか、敵の狙いはワシらを殺す事じゃない、聖女様を攫うことだ!恐れず戦え!」
武器を握る手に汗がにじむ。
あと少し……
もうちょっと……
まだ……まだ……
………………今!
「うわおおおーーーー!!!」
ばずん!
村人の鋤が地面を叩く音を合図に、皆が一斉に戦い始めた!
遠くにいるときは大量に固まっているように見えたが、その実一匹一匹の感覚は広めな印象だ。
そして先のキメラ魔人、ネガセルパンのサリネが言った通り、目的は聖女の誘拐が最優先らしく、ツチノコが飛びかかるのは本当に近くにいる者のみで、後はまっすぐ家に向かうように動いている。
「数を減らせ、後退後退!」
「うおっこのっうおっ」「くそ、下にいて狙いづらい!」「落ち着いて当てろ!落ち着いてだ!」「早めに下がれ!追い越されても後ろから狙えばよく当たる!」
男衆の中にはあの冒険者2人組や、村に滞在していた戦闘も出来る人材が何人かいた。そういった者達を等間隔で配置し、村人に細かな指示を出したりしている。
だがツチノコの侵攻スピードは予想以上で、男たちは早くも家の周囲に集まり、片っ端からツチノコに攻撃している。
その甲斐むなしく、1匹2匹とツチノコが家屋に侵入していった。
───家屋内
ツチノコはまず、壁の隙間から進入してきた。そして……
スパッ
と、速やかに首を落とされた。
家屋内には聖女シプレとその祖父のほか、4人の女性がいた。
1人は一番身なりが良い。良い顔、良い髪、良い服、良い剣を持ち、一目で貴族令嬢とわかる。進入してきたツチノコ第一号の首を落としたのは彼女である。
2人目は、これまた身なりも顔も装備も良い。貴族の娘と違い金属防具を着けており、貴族令嬢の護衛騎士だと分かる。
3人目も戦士と分かる防具を着けているが、騎士より劣る鞣し革の軽装だ。しかし逞しい肉体に刻まれた傷跡が、確かな実戦経験を感じさせる。傭兵か冒険者といった所だろうか。
4人目は神官である。シャロット教のシンボルである杖を象ったペンダントをつけている。身なりは3人目の女戦士と同程度なので、おそらく仲間同士なのだろう。彼女はシプレとその祖父のそばにいる。
神官以外は聖女を囲むように立ち、周囲を守っている。僧侶は頭上からの攻撃を警戒しており、いざとなれば防御魔法でサポートする事になっている。
ツチノコを斬り捨てた令嬢が言う。
「来たわね。私の騎士を救って貰った恩、ここでしっかり返すわ。」
最初の1匹を皮切りに、続々とツチノコが入ってくる。騎士も戦士も、それぞれ迎撃していく。
「また存分に剣を振れるんだ。こっちもしっかり仕事すっぞ。」
女戦士がにやりと笑う。ここにいる者達も外の有志達と同様、聖女に命や生活を救われたのだ。
出入り口と反対側。殿となる騎士が言う。
「お嬢様、なるべく時間は稼ぎますが、おそらくすぐ手に終えなくなります。合図をしたら……」
「ええ、わかってるわ。でもせっかく治してもらったのだから、今度は無傷で生き延びなさい。冒険者さん、そちらもよろしくて?」
令嬢が隣の戦士に向けて言う。
「ああ、問題ない。……デス。タイミングはそっちにま、ま~~……」
「お任せします。」
「おまかせします。」
女戦士は貴族への対応がうまく出来ず、神官にフォローされた。
3人はそれぞれツチノコをしとめていったが、やがて追いつかなくなり、僧侶が防御魔法を展開する事になった。 女騎士が素早く叫ぶ。
「……いかんな。脱出準備!」
「も、もう!?」
即決の判断に、令嬢が戸惑う。
「多少粘っても、あまり意味はありません。各々、準備いいか!」
女騎士の声に、神官と戦士が応える
「聖女様、いけます!」
「アタシもいつでも!」
「では、お嬢様。先頭をお願いします。」
「ええ!では皆、合図に合わせて!1、2の、3ッッ!
令嬢が出口付近のツチノコを、戦士と騎士が防御魔法周りのツチノコを排除する。
聖女シプレは大量のツチノコに怖がって動けないので祖父が抱え、神官は防御魔法を解く。
騎士を殿として、他の者は出口を蹴破って飛び出した!
周囲は思ったよりツチノコの数が少なく、そのまま走り抜けられた。
出口の真正面にいたのはアンザイだ。貴族令嬢が呼びかける。
「撤退するわ!護衛を!」
「おう!みんな聞いだな!?走れ走れ!聖女様を守れ!」
アンザイのデカ声が夜の闇に響き渡る。
脱出は作戦の内である。大量にいるであろうツチノコを一カ所に集め、そこから離れることで、少しでもメインの包囲網を薄くできれば、一気に馬で走り去ることもできるかもしれない、と考えた。
次は馬小屋まで走る。そこまで行ければ、いくらモグログのキメラ魔人だろうと追えまい。
そう考えていたのだが……。
「!」
先導するアンザイ、貴族令嬢に女戦士の足が止まる。、
「く……読まれたか……!?」
行く手には重なり合い山となったツチノコ。そして、それが形作るのは。
「フスーーーーーー…………逃がさないわ。」
モグログのキメラ魔人、蛇のような鱗を持つ異形の女、ネガセルパンのサリネである。
「でもすごいわね、あなたたち……。予定を変えて、持っていけるだけ持って行くことに……するわぁ!」
サリネが手を振ると、四方八方からツチノコがはいより、襲いかかってくる。
「こりゃあ……」
「いかんなぁ……」
着いてきた冒険者二人組、オーベンとセザムも青い顔をしている。
アンザイが覚悟を決め、周囲にその大きな声で叫ぶ。
「いいか!でぎるだげ数を減らせ!!助けは必ず来る!魔獣の群れに襲われたボリアミュートを救い、さらわれた領主様を助け出すた勇者がきっど来る!最後まであぎらめず抵抗しろ!」
その言葉に、サリネが反応する。
「勇者……あの噂の金鎧……?
そういえば、あの若いコがいない!あっちがそうなの!?」
「リボリーか、そうとも。すかすワシもここでおめおめと負けるつもりはねえぞ!!」
アンザイが剣を構え、走る!
「おおおーーーーッッ……!!」
雄叫びを上げ突撃するアンザイ、サリネはその気迫に少し押されたが、そこはキメラ魔人。『たかが人間』などに恐れるわけはない。
「ぜああぁッッ!!!」
まっすぐ振るわれるアンザイの剣を、サリネは蛇鱗の腕で弾いて見せた!
「うっく……!人間は……ここまでできるのね。でも……」
「む!?な、なんだ、こん手ごたえは……!?」
アンザイは驚く。今の一撃は避けられるつもりで放った型通りのものだが、その分当たれば威力は強い筈であった。大型の魔獣の毛皮も深く傷つけることができる筈だった。
単に甲殻が硬い、等であれば分かるのだが、目の前のキメラ魔人はそれとは違う。硬いのと柔らかいのが半々で、斬撃を鈍く吸収してくるような手ごたえであった。
「いいわね、人間にしとくのは本当にもったいないわぁ。みんな残らず、私たちの同志になりましょう!」
「……話にならん!
お前だづ!戦えるモンはこっちへ!複数でいぐぞ!!!」
アンザイの集合で、戦える人員が一気に集まる。聖女を守っていた女性4人、男の冒険者2人、その他にも何人か。
「波状攻撃だ!次々いぐぞ!」
「「「「おう!!」」」」
「たくさんの人間……おぞましいわ。」
ネガセルパンのサリネは、ねっとりと笑った。
「……かかれぇ!!」
アンザイ以下、戦闘集団が次々斬りかかる!
アンザイの他にも出来る者が揃っている筈だが、相手のキメラ魔人は少しも怯まず迎え撃つ。
剣を払い、剣を払い、剣を払い、魔法の火弾も通じず、槍を受け止め、矢を通さない。
四方から首を斬りつけられても、その余裕の表情は崩れない。どころか、不気味な笑みをより強め……口の端がヘビの如く大きく裂けていく。
サリネは腕を横に広げる。その腕が大蛇に変化し大きく伸び、四方を囲む人間を自分の体に縛りつけた!
締め付けられるアンザイが呻く。
「ぐ、ぐあ……!」
「すばらしいわ、キメラ魔人は……私、祝福を受けて幸せよ。だって……こんなに憎いやつらに囲まれているのに、少しも怖くないのよ……? ───もう何にも怯える必要もないの!」
縛り上げられている4人の首に、ツチノコが嚙みついた。
「がっ……!」「うぁ……!!」
噛まれた4人は、そのまま眠るように昏倒した。
「殺しはしないわ。みんな、私たちの神に祝福を貰いましょう……」
「痛っ!」「なに!?」「ほっほあっ……!」
それを皮切りに、周りの人間たちも続々とツチノコに噛まれ始めた。
「ううっ……!」「おじいちゃん!!」
聖女シプレの祖父も噛まれ、その場に倒れる。
「さ、いきましょ?聖女様。あなたは私たちの巫女様の、大切な後継者にしてあげます。」
「うっ……!」
最後に聖女シプレも噛まれ、村には静寂が訪れた。
「……ううん、どうしましょ。さすがに多過ぎかしら?まぁ、持っていけるだけ持ってきましょう。」
*
聖女の村を発って一夜明け、太陽は昼前。リボリアムは───
「はぁ、はぁ、ついた……」
ボリアミュート近郊に到着した。一晩中馬を操ってヘトヘトだが、弱音を吐いてはいられない。休まず、自分の行くべき場所に向かう。
……………………
「マザー!」
「おかえりなさい、ナンバー004。」
ヴァルマ領の最南端、未だ全貌不明の大森林内にそれはある。
遥かな古代から、人類の脅威に対抗するため稼働を続ける、失われた超文明の遺産……特別協定工房4番基。通称『SDF4』。リボリアムの生みの親、生ける知恵の賢者。マザーの在る場所。
「マザー、BRアーマー、直ってる!?」
「直っています。」
「よかった、今すぐ必要なんだ。」
リボリアムは足早に部屋の一角まで行き、服を脱ぎ始める。BRアーマーは、服の上から着装することができないのだ。
そして、暗い部屋にぽつんと置かれた箱に入り、装置が起動する。箱の内側にセットされたBRアーマーがリボリアムの身体にあてがわれ、各所が固定される。
耳慣れぬ音がアーマーの内側から響き、その正常を確認するためのランプが明滅する。
すべてのプロセスが終わった時、その双眸が鮮やかな緑に輝いた。箱が開き、『金色の勇者』が歩き出した。
「ナンバー004。急ぎますか?」
「え?うん、すごく。……マノ・ターバインを全開にしても、間に合うかどうか。」
「であれば、BRE-V01が完成しています。」
その言葉に、急ごうとするリボリアムの動きが一瞬止まる。
「……本当!?」
「はい。隣へどうぞ。」
マザーに促され、箱のあった部屋の隣の扉が開く。
そこには、鈍く銀に輝く、大きな金属の塊があった。
それは駆ける馬を象ったようであり、小さな船のようでもあり、巨大な鳥のようでもあった。
黒い車輪が前後に二つ。倒れないように小さな支柱が中心に立ててある。
BRE-V01───それは、鋼鉄の騎馬である。
リボリアムは騎馬の横に立ち、その背に跨った。
と、ピココピポポ、と小気味良い音が鳴り、正面のランプが点滅した。
「機械語……?」
「サポートAIが搭載してあります。詳しい機能は、彼に聞いてください。」
マザーの言葉に続いて、またピコピコと音がした。
「……名前? マザー、名前を付けてと言ってきてるけど?」
「あなたがリボリアムと呼ばれていることを知って、興味があるようです。よければつけてあげるとよいでしょう。」
「名前……今、時間が惜しいんだけど……」
『BBBB,BBBB』
リボリアムがぼやくと、不満を表すような音がした。
「うぅん……じゃあ……」
ふと、リボリアムの脳裏に、パッとある顔が思い浮かんだ。
「……ベルカナード、Mk-Ⅱ…………。それがお前の名前……俺の相棒だ!」
自分で名付けて、悪くないと思った。名づけとは、望みである。名前の通りにあれと願う、人の原初の魔法である。
目の前の新しい相棒は、心なしかさっきより軽快な電子音で応えた。
ベルカナードMk-Ⅱの下部から、低い唸りが上がる。システムが起動し、エンジンに火が入ったのだ。
「いってらっしゃい、ナンバー004。」
「ありがとう、マザー!行ってくる。……いくぞ、ベルカナード!」
リボリアムは新たなマシンと共に地下通路に飛び出した。
地上に出ると、今度は村に向かって進路を取る。そのスピードは実に軽快で、これなら夜どころか、数時間で到着できるだろう。
と、また目の前のランプが光り、機械語が流れる。
「ん?そんなに急ぐのかって?まぁ、そうだな……なるべく早く行ってあげたいけど?」
リボリアムのその言葉を聞くと、急にベルカナードMk-Ⅱは止まった。
「ど、どうした!?」
戸惑うリボリアムに、再び機械語で語り掛けられる。
そして頭部センサーヘルムの内部ディスプレイに、あるデータが送られてきた。
「……重力基準式座標電送……G.S.ジョウント!?そんなことが可能なのか!?」
驚愕の機能である。ベルカナードMk-Ⅱがもたらした情報は、おおよそ不可能と言われている領域の技術である。それは、超文明のあった時代ですら成し遂げられていないものだ。
物体を量子に変換して、別の場所で再構成する。無機物ならともかく、生物でそれをやって無事なのかどうか、理論の段階で既に問題視されるものだ。他にも根本的な問題があるのだが……
「……よし、やってくれ!」
しかし、リボリアムは即決した。いくら早くても、間に合わなければ意味がない。ならば『最短』を選ぶべき。それがリボリアムの考えだった。
それに、マザーが自分のために作ったものを疑うなど、無駄な事なのだ。それくらいマザーはリボリアムに対して、そして人類に対して真剣なのである。
ベルカナードMk-Ⅱの各部が光り、周囲に魔力による魔法陣が描かれる。───描かれると言っても、人類の扱うそれではなく、一見すれば陣には見えないものであるが。
それは見た目には鋼鉄の騎馬を覆うように、軌跡を伴って舞う小さな光の玉が、無数に飛んでいるようだった。それはやがてリボリアム達の前方に伸び、トンネルのような形状になった。
機械の扱う電子プログラムの魔術。『機魔術』の神髄である。
「……いくぞ、『G.S.ジョウント』ッ!」
起動呪文を唱えた瞬間、ベルカナードMk-Ⅱのエンジンが唸りを上げる!タイヤが地面を削り、ぐんぐん速度を上げ、魔法陣のトンネルを疾走し、その終着点に到達する!
辺りに眩い閃光と衝撃波が発生した。だがそれも一瞬の事で、後には何もない平野がただ広がっているだけであった。
第3話ラストだと言ったな。
あれは嘘だ。
どう考えても長くなったので一旦区切り、本当にラストの第三話4は本日更新。たぶんお昼ごろ?
スマソ。
補足:機械語、マシン語は本来、コンピューター言語の事なんですが、ベルカナードが喋る(?)これは、それで言いたい事を音声化したものと考えてください。
早い話がR2D2のアレです。