表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/178

契約についてのあれこれ

 ある日家に帰ると珍しく母がいた。いつもはもっと遅いのに。

「あれ、もう仕事終わったの?」

「ん-。違うんだけどね。今日はちょっとこの後来客があるから」

「そうなんだ。私も挨拶した方がいい?」

「うん。お願い。ちょっと話したい事あるんだけど今時間ある?」

「大丈夫」

「じゃあちょっと長くなるけど聞いてね」

「わかった」

「まず私達は色んな妖怪や精霊達と契約しているの。それはこの前言ったよね。氷冷秘(ひさひめ)さんが居た雪女の里もそう。私達の契約先の一つ。だから交流生を受け入れたりサポートしたりしている。ここまではいい?」

「うん。大丈夫」

「じゃあ次ね。契約と言っているけれど、実際どうやっていると思う?」

「え?どうって契約書を交わしたりじゃない?」

「人同士ならそれでいいわね。でも相手は人じゃない。仮に契約書を作ったとしても人間社会で生きている訳じゃない。だから契約不履行で責められても彼らはそこまで困らない。勿論信用は無くすけど、元々人にはない力を持っている存在よ。利用したいと近づく奴らは後を絶たないわ。それに実力行使に出られたら私達では太刀打ちできない。薬を持っていなければただの人間だからね」

「そう言われれば確かにそうかも」

 考えてみれば普通の人間である私達がらなと戦って勝てる気がしない。何しろ冷気を出すだけでこっちは死にかけるし、凍らされたらそれで終わりだし。清水先生にも勝てないだろうし、そう考えると確かに契約なんて意味ない物に感じる。


「だからね、私達のする契約はもっと上位の存在の力を借りるの」

「もっと上位の存在」

「神様よ」

「神様⁉」

「そう。神様。授業で習うでしょ」

「習うね。イザナミギとか?」

「そうね。イザナミギが実在するかは知らないけれど、神様は実在するわ」

「その神様の力を借りるの?」

「その通り。古来から神は時に恵みを与え、時に戯れで滅ぼす」

「いきなりどうしたの?」

「まあ兎に角ね神とはそういう存在なの。それで契約をする時にね神の名前の元で契約を行うの。一種の儀式ね。それをすると互いに裏切れなくなる。正確に言うと破ると罰が下る」

「罰ってどんなの?」

「死んだり、全身から血が噴き出したり、生涯治らない傷を負ったりね。破った内容によって変わるわ」

 怖っわ。それは破れないね。

「成程。だから契約を結んだ相手は信用していいと」

「基本的にはね。それでも契約の裏を突こうとしてくる奴は必ずいるし、私たちの事を本心では嫌っている事だってある。信用しすぎないようにうまく付き合っていく事が必要なのよ。お互いにね」

「わかった」

「じゃあここからが本題」


 今までの前置きだったの?長くない?

「私達は数多くの存在と契約を結んでいる。その全てが完全に信用してはいけないわ。勿論相手もこっちを完全に信用してはいないと思うけれど。契約している中で二人、要注意するべき存在がいるの」

「それって契約を止める訳には行かないの?」

「行かないわ。二人とも力を持っているから。1人は完全に荒事専門でもう1人はいろいろしてくれるわ。野放しには出来ないし、下手に契約を止めて敵対されても困る。いざという時に戦力にもなるしね」

「契約しているなら縛られているんじゃないの?」

「そうなんだけど、色々ね。その説明は後にするわ。今この話をしたのはそのうちの一人がこの後来るのよ」

「そうなの?何で?」

「あなたに会いに」

「私に?何で?」

「顔を見たいんだって。それが今回の仕事の報酬だって」

「何それ?私を物扱いしているの?」

「それは違うわ。そんなことする奴なら紹介しない。彼女はね特に特殊な立場なの。普通は仕事の報酬で色々な物を提供するの。けれど、彼女がこちらに何かを求めてくることは滅多に無いわ。だからこちらから報酬を提案するの。基本二つ返事でOKしてくるけどね。今回は向こうからあなたの顔を見たいって言ってきた。ただ、紗月(さつき)が嫌と言えば無理強いはしないともね」

「その人(?)怖い人?」

「ある意味ね」

「お母さんは私に会って欲しい?」

「出来れば。私が今抱えている問題は少し厄介なの。彼女の力が借りられれば心強い。さっきも言った通り普段はこちらに要求してこないから出来るなら要望は叶えたい」

「わかった。会うよ」

「いいの?さっきも言った通り無理に会う必要はないわ」

「良いよ。お母さんが悪い人じゃないって言うなら信用する。それに今日この後来るんでしょ」

「ありがとう。これから来るのは元々打ち合わせする予定だったの。あなたがいいと言うならついでに合わせようかと。本当に良いの?」

「良いよ。それでその人なんて名前なの」


「私の話ですか?混ぜてください」

「え?」

 突然混ざった声に驚き振り返るとそこには見知らぬ女性がいた。赤い着物を着ていて黒い長髪の女性。それだけならただの人間に見えるけれど、頭には耳が付いていた。犬の。そしてとても怪しく笑った。



頭の中の設定を上手く説明できているかわからないし、どのくらい出していけばいいのかもよくわからない…。上手な人尊敬します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ