表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/173

寄り道

 新学期初日はこれからの説明と教科書購入だけなので半日で終わる。私は姉のお古の教科書があるので買う数が少なくて済む。詩織(しおり)が買い終わるのを教室で待って一緒に帰る約束。12時半を過ぎた頃だった。


「お待たせ。混んでて時間かかっちゃった」

「大丈夫だよ。帰ろっか」

「うん。教科書どうする?一応持って帰れって言われているけど」

「持って帰る訳ないじゃん。何冊あると思っているの。そもそも学校で使うんだし」

「そうだよね」

「お昼どうする?」

「どっかで買おうか」

「わかった。マキドはどう?新商品のシェイクが気になっているんだよね。玲奈(れな)が美味しいって言っていたし」

「いいよ」


 田原(たはら)さんにお昼はいらないと伝えておいて良かった。

 校門を出ると風が吹いている。最近は暖かくなってきて過ごしやすい。桜はまだ殆ど咲いていない。昨日は入学式だったはずだけど、アニメみたいに満開の桜の中でという風にはいかなかったようだ。


 途中でマキドに寄ってハンバーガーとシェイクを買う。美味しいけれど、カロリーが高いのが問題だ。詩織(しおり)は私より一つ大きいLサイズのハンバーガーを選んでいた。食欲があるようで良かった。詩織(しおり)は元々見た目に比べて結構な大食いだ。私の二倍近く食べる。それなのに全然太らないのでうらうやましい。


 近くの公園の椅子に座り食べる。周りに人がいないことを確認し話しかける。念の為麗華(れいか)の名前は出さない。


「調子どう?さっき話出ていたけど、大丈夫だった?」

「うん。何とか慣れてきた。慣れるなんておかしいし、いけないことなんだけど」

「私はそうは思わないな。詩織(しおり)が元気なのが一番だよ」


 麗華(れいか)も頷いている。


「ありがとう。ごめんね巻き込ん」

「それは違うよ」


 言葉を遮り断言する。


「あれは私が決めたこと。それに提案したのも私。だから詩織(しおり)は自分を責めちゃ駄目」

「うん。でも」

「でもじゃないよ。本当の事だから」

「…わかった」


 少し強引に話を打ち切りハンバーガーを食べる。


「とにかく何かあったら何でも言って。出来る限り協力するから」

「ありがとう」


 その日はそこで別れて翌日から本格的に授業が始まった。麗華(れいか)の話もそこまで出ることもなく安心した。数日間は何事もなく、麗華(れいか)の報告でも特に心配すべきようなことはなかった。


 けれど、十日後事態が動いた。私の予想外の形で。


 私と麗華(れいか)に脅迫状が届いた。それも詩織(しおり)から。


麗華は基本的に詩織と一緒に居ます。


一部エピソードのサブタイトルを変更しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ