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オドル/ナ/クラヤミ





Danco




 わたしがおどるとまわりに人影ひとかげが増えた。


 みんなで回っているうちに、あらゆる鳥獣虫魚ちょうじゅうちゅうぎょもあつまった。


 虚空こくう幾重いくえもの輪をえがき、つかれも知らず盛大せいだいう。


 踊りくるいたくもなるだろう――


 わたしたちをのこし、ぽっくり(・・・・)地球が死んでしまっては。





 *  *  *





Nomo




 貧相ひんそうな魚に生まれてしまった。


 成長するにしたがい、名前は変わるらしい。


 今生こんじょうは、のために生きようと決めた。


 しかしすぐにけだものにとららえられ、粗雑そざつわれている。


 ――わたしが出世しゅっせしてから殺せばお前の名もあがるだろうに、莫迦ばかやつめ。


 やむなく生まれ変わってやり直す所存しょぞん


 ――だが、なにやら前にも、こんなことを考えたような……。





 *  *  *





En la mallumo




 蛇にまれた、まだ卵である私。


 小さな穴をあけて外をうかがい見れば、真っくらだ。


 自分がなんの生きものかもわからず、からになんとか守られて、ただ生きている。


 殻を破り体を広げれば、未来はそこでおしまいだ。身をちぢめるしかない。


 生まれる際に、なにか大きな野心やしんをいだいていたはずだが、恐怖きょうふのせいか、思い出せない。


 小さく、小さく。なんとか生きる。


 みじめさに私は泣く。


 温かい暗闇のなかで、私の体が少しずつ育つ。


 もう殻が割れそうだ。――







Fino









修正記録/じょぞん→しょぞん (2023-11-28)

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