表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

カブトムシ La kornoskarabo





 悪夢あくむ近頃ちかごろしきりに見る。


 わたしがまた苦しんでいると、甲虫かぶとむしが一匹やってきて夢のはしかじりだした。


 どうやらたすけようとしてくれているらしい。


 だが少しずつしか食べられず、悪夢がさっぱり減らない。


 思わずきつく不満の言葉をぶつけると、甲虫は悲しげな様子を見せた。


 そしてのろのろと向きを変えて去っていく。


 わたしははっとして、今はもうこの世にいない人とのかかわりを思い出した。


 ――お養母かあさん――


 呼びかけたはずみで目が覚めた。


 窓がふるえている。外は大きな夜嵐よあらしだ。


 でもわたしはもう大人おとなで、おびえても抱いてもらえない。


 わたしが一人でおなかの子を守らねばならないのだ。


 あの養母ははのように。






Fino







お読みいただき、ありがとうございました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ