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機械仕掛けの宙を廻りて  作者: ドフォー/QSO
第1章【天の川支部】
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第2話【それは、"熱い"のみでは形容できぬほどに】

 カワチは改めて太陽を観察した。神の力で"固定"されていようと、流石に不安定なのだろう。

 莫大な核融合の力から解放されようと膨れ上がった太陽は、再び元の形へと束縛される。その姿が、アズマの言っていた"精神性"という言葉と重なった。


 怠惰、逃避、快楽。何も意識しなければ、人は勝手にそちらへ向く、高所から低所へと落下する物質の如く。


 理想が高いほどその傾向が強い。

 距離が長いと、"辛い"と感じる時点が生まれてゆく。

 費やすべき時間が増えてゆく。


 人は精神力という縄で理想を支え、努力という力で引っ張りあげる。決して、二度と持上げることの出来ない"堕落の底"へと向かわせぬように。その理想を確実に手に入れるために。


 だがその縄も無限の耐久を保持している訳では無い。縄はいずれ切れるのだ。理想(質量)が高いほど、自身の筋力(努力)が足りぬほど迅速に。だから人は一段ずつ、着実に、休止を挟みながらも理想という荷物を自身の元へと引き上げる。

 だが、カワチの縄が切れるのは早かった。力という力が不足していたのだ。


 カワチの理想は高すぎた。

 "楽をしたい"という目標を掲げるには早すぎた。充分な能力を持っていなかった。

 時間は多く残されていたのに、自らそれを狭め、そして絶ってしまった。


 縄が理想に耐えられるほど頑丈でないにもかかわらず、必死に引き上げようと試みた。

 努力を費やす瞬間を見誤っているにもかかわらず、無理やり成し遂げようと試みた。


 磨けば光る宝石も、磨く方法を誤れば歪にくすんでゆく。


 そんな未来を見通せなかった君に、この恒護という役の重さは想定できていたのだろうか。


 秩序を正すのは簡単なことでは無い。君はそれを理解しているのか?


 地球には君より優れたものが多々存在する。その者にこの座席を渡した方が良いのではないのか?


 君には未来予想など出来やしない。ならば君の理想であった、全てを知り、世界を遊覧する"楽な生活"の方が良いのではないのか?


 まだ間に合う、この扉を抜けると良い。


 さぁ、早く。私は君の入隊を望んでいない。


 カワチは口に手を当て前屈みになった。記憶の中から大量に湧き上がった過去が、言葉が彼の体に飽和した。語りかけてくるのは誰だと言わんばかりに、窓に、植物に、ソファに睨みをきかせる。

 だが誰も見つめ返さない。いや、見つめ返せないのだ。部屋は闇に覆われ、ただヘリオスに視線を送るのは、冷ややかに輝く太陽と導くように彼を照らす扉のみ。


 彼の片足が扉の方向へと向いている。

 膨張と収縮を繰り返す太陽からゆっくりと目を逸らし、背もたれと机に手を置いた。


 手を置いただけだった。

 己が何をしようとしていたのかを理解したのだ。


「何を考えているんだ俺は…… 入隊すると言ったじゃないか」


 浮遊する椅子に座り直し、再び太陽と向き合った。これは過去の自分だ。手に余る理想を根性という付け焼き刃で引き上げようとしたから壊れたのだ。


 だが、今は違う。


 焦らす要因は何一つない。悠久の時が流れる宇宙で第二の人生を歩むのだ。


「俺は……悔いの無い人生送りたい。俺という人間としてもう一度!」


 カワチは筒の蓋を思い切り捻った。


 中からは風が吹いている、いや、筒の中が真空になるよう空気が押し返されているのだ。伝導対流によって部屋全体が高温に熱せられるのを防ぐためだろう。


 寸秒経つ間もなく、透明な筒が花のように開いた。太陽を包むはずだった空気がカワチを纏った。


 カワチは、自身の顔がジリジリと焼かれていくのを感じた。だが、そんな外的要因ではカワチの決意は揺るがない。筒の底を把持し、脈動する太陽を口に近づけた。


「ウッ……」


 火傷する、とは程遠い。絶えず幾本もの針が突き刺さってくる感覚だった。耐えきれずカワチは太陽を口から遠ざける。


 太陽は、彼の決意を腹の底から嘲笑うように波打っている。それは神の力を得る儀式などではなく、悪魔との契約に近かった。


 食ってみろよと言わんばかりに、カワチが口元に近づける度、太陽は彼を激しく攻撃する。


「クソッ、なんなんだこれ」


 飲み込ませる気のない欠片に対し、奥底から怒りが湧き上がってきた。舌打ちをしながら、筒を机に置こうとしたそのとき、精神力という言葉が視界を通り過ぎた。


「……やってやるよ畜生!」


 恐怖。忌避。己の行動を抑制する感情に目を合わせぬよう、瞼を固く閉じ、筒の()()を潰すほどの勢いをつけて太陽を飲み込んだ。


 静寂という"無"が部屋に満たされる。


 彼はただただ一点のみを見続ける人形と化した。熱いという形容詞では、彼の感じているものを一切表現できない。超熱? 極熱? 凄熱? 何を、彼の口内にあるのは純粋な核融合の力。その感覚を表すには新たな単語を作らねばならない。


 彼の中に残っている無意識は吐き出せと命令し続ける。だが、彼はその命令を抑え込んだ。いや、抑え込むことしか出来なかった。

 喉は引き締まり、舌が欠片を押し返す。口を開ければ確実に飛び出してくるだろう。そうなってしまえば、再びあの悪魔のリンゴを口に近づけるところからだ。


 カワチはゆっくりと上を向き、喉を無理やり開いた。これにより欠片が喉の近くへと移動したのがわかった。

 喉に蓋をしている舌を残りわずかの体力を使って精一杯伸ばし、押し込んだ。


 入るのは一瞬だった。


 苦痛を一切感じなかったのだ。


 苦痛に悶えていたカワチが感じるのは、ただ安らぎのみ。カワチに反発という反発を繰り返してきた欠片はどこへ行ってしまったのだろうか。


 いや、どこへも行っていない。確かにそれは彼の胸にあった。


 あらゆる物体を焼き焦がし、正と負に引き離す破壊の権化は、春の陽光のようにあらゆる環境を育み、生と死を結ぶ再生の化身へと姿を変えていたのだ。


 その温もりは徐々に胸を満たし、つま先にまで行き着いた。それは、今まで己は寒かったのかと錯覚させる程の安心感を与え、体の奥底に眠る力を引きずり出した。

 彼の髪を、生気を失った白混じりの黒から、猛々しさを感じさせるような黄と橙に彩った。


 間欠泉の如く湧き上がる力に惚れ、手を握ったり開いたりしているカワチの目には、書類のようなものが写った。


 筒しか置かれていなかったはずの机にある書類。そこには大きくこう書かれていた。


 合格通知


 カワチはその四文字を凝視し、そして書類を優しく膝の上に置いた。大きく溜息をつき、背もたれに体重をかけ、頭を前に傾ける。


 喜びの言葉が次々と溢れ出るが、それが口から出ることはない。悦に入り、漂っていた。この感情は大学の合格以来だろうか。だが、彼の中にはそれと同時に恐怖もあった。


 常軌を逸した存在、得体の知れない組織。紅蓮の苦痛が払拭され、その下に眠っていた感情が浮き彫りになった。いや、本来あるべき感情だったのだ。それがただ、隠されていただけで。


 カワチは大きく頭を振り、恐怖を隅へと追いやる。今はそれどころでは無い。


 膝に置いていた書類を持ち上げ、表紙をめくる。そこにはあの時達成感ではなく安心感を与えた、そしてこの場所へとたどり着いた"原因"を思い出させる文章が並べられていた。


 カワチはとりあえず目を通した。中身の無いお祝いの手紙だろうと、彼は必ず読む。もしかしたら型にハマったものではなく、一つ一つ手で打ったもの。つまり何かしらの重要なものが書かれているかもしれないと思い不安になる、そういう人間なのだ。


 案の定、重要であろう三種の事柄が記されていた。


 一つ、本名を名乗っても良いが、他者が発音できない、または聞き取れない音を避ける為、以下のどれかを通名として使用して欲しい。

 (ニチリン、イラ、ジュア、ヘリオス、ホルシード、マタハリ、ラー)


「ニチリンは日輪かな。で、ヘリオスとラーは太陽神で…… まずい他が分からない」


 二つ、君の能力は物体の引力のみを操る"引力操作"、詳細は自身で確認して欲しい。


「引力"のみ"て。鼻につく言い方だな」


 三つ、恒護が知っておくべき要項や、天の川支部と契約している星との規則をまとめたものが本棚に置かれている。

 そしてその要項は常に覚える必要はなく、仕事に行く時のみで良い、との事だ。


 それ即ち、万が一この場でその存在を知っておかなければ、誰もそれについて言及せず、仕事に出向く寸前で知らされ、初めて知る内容を素早く頭に入れなければならない、という惨事を招くということだ。


 初見のものを記憶するのは難しい。カワチは自分の性格に感謝をしながら、本棚へと向かった。


 探すのは非常に簡単だ。あの荘厳さが消え失せ、何のために置かれているのか分からないほど空虚になった本棚、その中に一冊の紙の束が置かれていた。それも捨てられたように乗せられており、今にも落ちそうになっている。


 カワチは助けてほしそうに見つめる紙を手に取り、パラパラと捲った。


 "要項"や"規則"に杜撰さや稚拙さが見られたが、カワチにとっては丁度良い分かりやすさだった。内容の全ては後書きに記す。


「時間遡行装置の開発が禁止……かぁ。懐かしいなぁ、作れないはずなのに色々調べ回ったり、研究したりしてたっけ。待てよ、禁止されているということは開発可能であることの裏返しなのでは? ――まさかな」


 カワチは丁寧に紙の束を本棚に置き、扉へと向かった。誰かが来るまでここで待っておけば良いのか、それとも挨拶に出向いた方が良いのか、そんな不安がカワチの背を這い上がり、拮抗した。

 滑らかな頭を捻り、カワチは何とか打開策を編み出した。


「一先ず、外の様子だけ確認しよう」


 カワチは深呼吸をし、勇気を持って一歩踏み出した瞬間、扉がウィンと開き何かと衝突した。運動の第三法則では説明出来ないほど、彼は後ろに飛ばされ尻もちを着く。


「いたた……ではないのか。すいませ――えっ」


 カワチが見上げると、そこには白衣を着た長身男性が冷ややかな目を向け、忙しなく表情を変えていたカワチを見下ろしていた。

『要項』

①天の川支部に於ける恒護が遵守すべき三つの理念


・不殺の理念・・・善悪に拘わらず、許可無く他者を殺害してはならない。


・助力の理念・・・不殺の理念に反さない限り、各天の川支部と契約した星(以下、契約星)からの救難申請に応えなければならない。また、対立する契約星が両者ともに発信した場合、先着を優先しなければならない。


・自衛の理念・・・不殺の理念、助力の理念に反さない限り、自己の危機は自らで排除しなくてはならない。


②銀河会との関わりについて


・アンドロメダ支部、ファントム支部(以下、他支部)の自由な出入りは必要時を除き許可されていない。


・他支部の動静に干渉してはならない。


・他支部間の連携は許可されているが、相手からの許可が下りない限り、物の移動等の物理的干渉は禁じられている。


・銀河円周※の1/(2.0×10^6)毎に開催される合同演習の内容及び演習地は、各支部の総長による会議のもと決定され、その後発表される。


※銀河円周は天の川銀河を基準にしている。値は各銀河で異なる。


・天の川銀河、アンドロメダ銀河、ファントム銀河以外の銀河への干渉は、銀河会間※で締結されている"不可侵条約"に則り禁じられている。


※銀河会――天の川銀河、アンドロメダ銀河、ファントム銀河のように三種の銀河が協力関係を結んだ団体。他の銀河会の情報は一切開示されず、書斎にも記録されない


③天星間則について


・天の川支部及び契約星間で定められる規則(以下、天星間則)は、恒護にも適用される。


・天星間則の改正を独断で行うのは認められていない。


・定期的に実施される星民投票※にて、特定の規則に対しての不満が総有権者の半数を超過した場合、各星の代表者を招待し審議しなければならない。規則の追加要望に関しても同様である。


※星民投票――天星間則に対して行われる投票。投票権は、各星における憲法が定めた選挙権に関する条項に則り与えられる。


④人工星について


・具体的な説明は天星間則参照。また、大きさや主星に対しての設置距離は書斎に保存されている。以下は天星間則に記載されていない情報を記述する。


・生命が発生した、または発生の見込みがある惑星系には人工惑星及び人工衛星(この二種を以下、人工星と表記)を設置し、生態系の状態や文明の水準を監視しなければならない。


⑤未契約星について


・未契約星が有人系外脱出※を完遂した際、天の川支部の通信部門は、その星の管制室に一通の電子メールを送信しなければならない。尚、内容は固定である。


※詳細な条件は

 ・主星とする恒星に対し公転する惑星郡の内、最外に位置する惑星の公転軌道を超えること。

 ・乗組員は二人以上であること。

 ・母星と定期的、及び相互的な通信が行われていること。

 ・探査船に帰還を可能とする機能が備わっていること。


・系外脱出を行った探査船は、人工星に着陸させ、天の川支部員は乗組員の要求に可能な限り応えなければならない。


・契約の交渉が成立した場合、契約星にその星の存在を当該惑星の許可の下、公開される。


・契約の交渉が決裂した場合、天星間則第八条における非契約星の禁止事項を関係者に流布し、継続的な監視を行わなければならない。


⑥砕理について


・一切の使用を禁止する。使用した如何なる恒護も即時処分される。


・また、他者に砕かれ、尚且つ計画性の見られない不慮の使用であった場合、銀河会における全ての機械仕掛けの神に対して、何が砕かれたのかを詳細に報告しなければならない。情報に不足や余剰が見られた場合、計画性のある行為であったと判断し、処分される。


『天星間則』


 当規則は如何なる憲法、法律よりも上位に位置し、如何なる人類も最優先に遵守しなければならない。

 以下、天の川支部と契約を締結した星を"契約星"、締結していない星を"非契約星"と呼称する。


第一条 領有について(改)


 第一項 契約星は、海抜(海が存在しない場合、平地の平均的な高度である平均平地高度を最低基準とする)より、高度四万キロメートルの領域に領有権が定められる。(以下、領空間)

 また、主星となる恒星から、その恒星の重力により公転を行う天体の、最外までの距離を半径とする範囲を排他的経済領空間とする。(排他的経済領空間の詳細な権利は排他的経済水域と大差が無い為、省略)


 第二項 惑星系外の星を領有する際は、天の川支部に申請書を送信しなければならない。


 第三項 領有する目的等の申請が受理された後、天の川支部職員が対象の環境及び生態系の調査を実施し、開拓可能であるかを判断する。


 第四項 文化的な知的生命体が確認された場合や、異常な経済的格差、長期的な市場の混乱等を生じる危険性を有する資源を埋蔵している場合、申請は即時棄却される。


 第五項 上記条件外の場合、申請は承認され、他の契約星との会議が開催される。当会議は各契約星に於ける国際的な組織の代表が、後述される星民投票と同様の方式で領有の可否に関する投票が行われる。可決後、宗主星の希望に従い最大十年間、天の川支部による補助のもと市街地、物流等が築かれる。


 第六項 領空間に入る(以下、入系)場合、入系許可証を取得しなければならない。入系許可証を取得せずに入系する場合、第七項に記述される刑罰が執行される。


第二条 天の川支部に対する依頼について


 第一項 天の川支部への依頼は、天の川支部が指定した経路を持つワームホール通信によって送信される。


 第二項 天星間則及び依頼先の憲法・法律・条例等に反さないものに限り受理される


第三条 契約星間の移動について


 第一項 契約星間を移動する際は、安全上の理由から天の川支部の保有する交通機関を利用しなければならない。


 第二項 事件事故が発生した場合、責任は全て天の川支部にあるものとする。


第四条 星民投票について


 第一項 天星間則の信頼度、新たな規則の追加要望を集計する星民投票が定期的に実施される。

 特定の規則に対しての不満、または追加要望が有権者数の過半数に達した場合、各星の代表者は、その星と無関係な立ち位置にある天の川支部兵の保護の下、恒護と共に審議をしなければならない。


 第二項 星民投票の結果は、量子暗号を用いて天の川支部の運営する『散光星雲』に集計され、量子・ワームホール通信により天の川支部に送信される。

(エクスロテータのクリース植民地化により、星民投票により第一条、第三項は過去に一度改正されている)


第五条 通信装置及び人工惑星の設置について


 第一項 通信の中継地、及び入系した宇宙船舶の記録、管理の為、設置可能な惑星や衛星に通信装置が設置される。管理は各契約星が行い、修理費や部品等は天の川支部が負担する。


 第二項 また、設置可能な岩石星が存在しない場合、人工惑星が設置される。場所は天の川支部総長、星の代表となる人物や学者等と協議し決定される。


第六条 恒護を除いた職員について


 第一項 恒護を除いた天の川支部に属する職員は、定期的に募集がかけられる。条件は以下の通りである。

・その星における成人以上である

・部門で働く為の能力を必要以上に有している

・死亡する可能性があると把握している

・異文化を積極的に学ぶ姿勢がある


 第二項 給料は部門によって異なっている。詳細は散光星雲の窓口より説明される。


第七条 契約星が遵守すべき事項


 第一項 具体的な定義を必要としない禁止事項

・他星との戦争

・他星における法の違反

・入星が許可された他星人類に対する不平等的な扱いや差別

・接近する小惑星等、危機的状況に含まれない範囲での星の大規模な破壊(研究調査における破壊は許可)

・時間遡行装置の開発

・"いて座A*"への接近、及び"いて座A*"におけるブラックホールからのエネルギー採取(要 天の川支部が正式に発行した許可証)


 第二項 第一項における禁止事項は倫理面、安全面を考慮し、上記の規則は星民投票の対象外とする。


第八条 違反者の刑罰について


 第一項 天星間則に違反した場合、その星は刑罰を執行される。刑罰は一貫して"技術退行"が用いられる。技術退行は年単位を基準に行われるものであり、例えば他星への戦争により死亡者を出した場合、死亡者一名に応じて十年ずつ加算され、その年数に応じて技術退行が執行される。


 第二項 技術退行の方法は、電化製品や兵器の設計図の没収、工場の強制閉鎖等である。


 第三項 違反行為に用いた兵器や機械は全て没収となる。


 第三項 "時間遡行装置の開発の禁止"に違反した場合、開発された時間遡行装置の関係者及び存在を認識している人物の殺害が許可される。回収された時間遡行装置はいて座A*におけるブラックホールに投棄される。


第九条 非契約星との関わりについて


 第一項 非契約星は、以下の行動が禁止される。

・契約星への侵入

・隕石など危機的状況に含まれない範囲での星の破壊(研究調査における破壊は許可)

・時間遡行装置の開発

・"いて座A*"への接近、及び"いて座A*"におけるブラックホールからのエネルギー採取


 第二項 違反した場合、第七条に記述された処罰が下される。


 第三項 契約星は天の川支部の保護の下、非契約星に接近することが可能である。しかし接近高度は海抜もしくは平均平地高度より最低一万キロメートルとし、以下の規則に違反した場合五年間の宇宙間移動が禁止される。


・一万キロメートル未満の範囲での接近

・惑星及び恒星への干渉及び攻撃

・惑星に生息する知的生命体との通信や物体の輸送


 第四項 また、宇宙間移動が禁止された場合、貿易による物資の移動は天の川支部が代理で行う。


第十条 機械仕掛けの神について(改)


 第一項 機械仕掛けの神は天の川支部に属していない。

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