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第4話  魔精返上の疑い

 魔精返上(ませいへんじょう)ねぇ……。

 いや、いっそのことそうしたらいいんじゃないか?

 もう面倒くさいし、そういうことに、


主様(マスター)。それは不可能です。魔精返上(ませいへんじょう)は、この世の中に大きな影響を及ぼします。魔精返上(ませいへんじょう)が起きると、古代魔王が復活するおそれがあるなど、魔族界に刺激を与えることになります』


 ーー。まじかー。てことはもう、俺には何もできないと。このスライムたちの真ん中で大人しくしてろと。


『しょうがないですね。大賢者能力(サージュスキル) 操作交換(デレスト)。私にお任せください』


 え? あれ? 身体が……?


『個体名リウス・レティーウェルの身体操作主導権を交代しました。以後、リウス・レティーウェルの身体は私が操作します』


 なるほど。俺と、ユーフィミアの立場が入れ替わったんだな。


大賢者能力(サージュスキル) |身体固定《》』


 俺の身体がシャールの手から動かすことができなくなった。


『これで、動けます』


 ユーフィミアはそう言ったあと、俺の身体をスライムに向かって振り下ろした。もちろん、シャールの腕もついてくる。

 

「えっ? えっ? つるぎくん!?」


 シャールにとっては、意味がわからないだろう。だって、手に持っていた剣が勝手に動き出して、それが手から離れないんだからな。


「ちょ……ちょっと!!」


 ユーフィミアは次々にスライムに向かって飛んでいく。

 なるほど。よく考えたな。スライムに斬りかかってるのは俺たちだけど、傍から見れば、シャールが剣でスライムを倒しているように見えるのか。

 俺が感心している間に、シャール、もといユーフィミアはスライムを全て倒しきっていた。


操作交換(デレスト)。……完了しました』


 お。身体が動かせるようになってる。


「シャール! すごい!」

「違うの! マイ! これは、つるぎくんが勝手に動いて……」

「そんなわけないじゃない! すごいよシャール!」


 マイは当然信じてない。


「ほんとだって! 信じてよ!」

「そんなの魔精返上(ませいへんじょう)が起きない限りあり得ないよ」

「でも…………」

「じゃあ、魔書で見てみようよ。魔精返上(ませいへんじょう)以外の、物が動き出す現象」


 そう言ってマイは再び魔書を開く。

 そこは、ちょうど特殊能力(ユニークスキル)のページだった。

 言語発生(ヴォーチェ)はないか!?


 あっ! あっt……


「あ、ここじゃないや」


 ペラっ。


 ちょーーーー!! 

 シャール!!

 なんでこのタイミングでページをめくるんだよ! もうちょっと見ようよ。特殊能力(ユニークスキル)のページなんだからさー。

 瞬間記憶(メーンメモリ)

 どうやらこのスキル、魔法名を見ただけでは覚えられないらしい。魔法名と、その魔法の特徴、使い方、効果なども全部見てからでないと、覚えられない。

 まぁ、当たり前か。

 本のタイトルを見ただけで、本の内容が分かる人なんていないのと同じことだ。

 くっそーー。もう少しで言語発生(ヴォーチェ)を覚えられるところだったのにーー。


「えっーと……すごい! 見てマイ! 特殊能力(ユニークスキル)だって!」


 シャール。それは、さっきのページでやってほしかったな。

 もーこうなりゃ、ヤケだ。特殊能力(ユニークスキル)だろうが何だろうが、何でもかんでも習得してやる。


 えーーと。なになに?

 《物理攻撃無効》 自身に向けた物理攻撃は全て無効化。


 《痛覚反射》 自身が感じた痛みや苦しみは全て特定の相手に反射される。


 《再生能力》 自身の身体が崩れた際に再生する。人間には無効。


 《アイテム鑑定》 アイテムのレア度を鑑定する。


 《モンスター愛》 特定の魔物を懐かせ、魔物の心を魅了する。


 へぇー。いろいろあるなぁ。

 こんな感じで俺は、瞬間記憶(メーンメモリ)をフル活用して、シャールがページをめくるたび、特殊能力(ユニークスキル)をどしどし習得していった。

 あっ!!!!

 遂にシャールは、言語発生(ヴォーチェ)が記されているページを開いた。


 《言語発生(ヴォーチェ)》 自身の言語能力を著しく上げ、発声が出来るようになる。


 よし! やっとだ。

 ちゃんと習得したかな。

 ユーフィミア! もう1度ステータスを見せてくれ。言語発生(ヴォーチェ)の他にもどれくらいの特殊能力(ユニークスキル)が習得できたか確認しておきたい。


『了解です』


     リウス・レティーウェル


 職業   ーー

 体力   27

 魔力   33

 素早さ  16

 知識   38

 攻撃力  28

 防御力  55


 【使用可能魔法】

 火球(ファイアボール) 大火球(ファイヤー) 超魔火球(サタンファイヤ) 超神火柱(ファイヤーザン) 

 火炎刃(フレアラム) 大火炎(フレイム) 灼熱炎(レッドホット) 地獄火炎(インフェルノ) 

 水球(ウォーターボール) 大水流(クーロンドゥ) 超水流嵐(グラッセ) 大運河流(フェリゲ) 

 氷球(アイスボール) 大氷刃(コリエンテ) 超大氷嵐(アイシクル) 凍結氷霜(フリーズスロスト) 

 真空刃(ヴォート) 大真空刃(ヴォルテックス) 暴風十字路(ブラストクロス) 大魔大嵐(テンペスト) 

 爆発(エクスプロス) 大爆発(グランドエクスプロス) 閃光大爆発(バーストゾーン) 巨大雷爆発(グランデノヴァ) 


 【獲得スキル】

 希少能力(レアスキル)

 火炎魔法無効 氷雪魔法無効 風魔法無効 爆発魔法無効 炎息耐性 氷息耐性 魔力吸収


 超能力(エクストラスキル)

 念力通話(テレパス) 火炎操作(パイロキネシス) 水流操作(アクアキネシス) 風力操作(エアロキネシス) 電気操作(エレキネシス) 土操作(ランドキネシス) 岩石操作(ペトラキネシス) 念力動作(サイコキネシス) 


 伝説能力(レジェンドスキル)

 瞬間記憶(メーンメモリ) 空間移動(テレポート)


【獲得特殊能力(ユニークスキル)

 物理攻撃無効 痛覚反射 再生能力 アイテム鑑定 モンスター愛 魔法反射(リフレクション) 魔法操作 能力吸収 魔術分解 空中浮遊 透明化(ステルス) 超加速能力(アクセラレーション) 超鋼装甲(アーマー) 千里眼(クリアボイヤンス) 空間把握 言語発生(ヴォーチェ)


 こんなに増えてんのかー。


『物理攻撃無効と、痛覚反射により、主様(マスター)が受けた物理攻撃は全て無効化されます。そして、魔法反射(リフレクション)によって、受けた魔法も全て無効化となります』


 なんか解説しだした。


『さらに、魔法操作、能力吸収、魔術分解により主様(マスター)が取得していない魔法攻撃を受けた場合は、吸収され、習得できます。超加速能力(アクセラレーション)は、あらゆる物質の加速度を操ることが可能になり、相手の攻撃を分散したり、そのまま相手に返すことが出来ます』


 えげつない。


『さらに、』


 まだあんのかよーー!!


 第5話に続く。


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