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「≪最悪の迷宮≫? いいえ、≪至高の楽園≫です!!」~元皇女は引き籠り生活を満喫しつつ、無自覚ざまぁもしていたようです。~  作者:
愚か者たちの末路

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さぁ、選んで? 1

番外編『愚か者たちの末路』

皇帝・正妃・騎士団長・宰相・神子、本編退場後の物語です。


ざまぁ編は人にとっては蛇足かもしれません。

暗い展開等ありますので、明るい話で終わらせたいかたはファウスティーナが主役の本編でご完結頂いた方が宜しいかもしれません。


どんな展開でもどんと来い!!落ちぶれていくヤツらが見たい!という方は続きをどうぞ。




今日の晩餐(ばんさん)は何かしら?


昨日のブラウンシチューは絶品だったわぁ。

じっくりと丁寧に炒められた玉葱の甘みが絶妙にいい味を醸し出していた。

牛肉だってトロットロのほろっほろで、もう歯なんていらないぐらいの柔らかさ。だけど旨みはしっかり残ってて正に手間ひまかけられた味!って感じよね。


昨日のメニューを思い出し、涎がじゅるりとなりそうなのを慌てておさえる。


危ない、危ない。


ふるふるとほんの小さく頭を振って、ご馳走たちを追い払う。

なにせ、ここは玉座の間。


こんなところで(よだれ)をじゅるりとするワケにはいかないわ。


部屋の中央、豪奢なカーペットが敷かれた数段の階段の先、中央に置かれた玉座に座るのは。

正式に皇帝となったセドリック。


ちなみに、玉座はファウスティーナがぶった斬ったため、新たに大急ぎで造らせた新品だ。

前の絢爛豪華な玉座に比べると派手さにはかけるものの、品格を感じさせる玉座はセドリックに良く似合っていた。


前の玉座はクズ親父やクズ兄貴が偉そうに踏ん反り返っていたイメージがあまりに強く、権力や腐敗の象徴のようだった。

なので国の重要なブツを破壊したことにファウスティーナは欠片も後悔はしていなかった。


新しく用意された玉座を見て後悔することがあるとすればただ一つ。


あの日、忌まわしき象徴でもある玉座を斬り捨てた時のこと。


八歳の時は無様に転んで転生の記憶を失った。


今度こそ……っ!!

そう決意し、見事な跳躍と斬撃を決めたのにっっ…………。


まさか最後の最後でしくるなんて!!


着地だって完璧だったのにっ。

剣をしまう鞘がないうえ、ニヒルに微笑むタイミングまで逃すなんて~~!!


沢山の観客、最高のシュチュエーション。

これ以上ないぐらい舞台は整っていたというのにっ!!


だんっ、だんっと心の中で地団太を踏みまくる。


これも全部アイツらが私から武器を取り上げてた所為よ!と責任転嫁してクズ共に怒りを向ける。

なんなら騎士団長(元)から鞘ごと奪い取っとくんだった。


許しがたい失敗にしょんぼりしつつ、苛立ちを込めて拳を強く握り締めて俯く。


空想の中でクズ共をギッタンギッタンに打ちのめし、ひとまず心を落ち着けたファウスティーナはセドリックの少し横、新しい玉座に劣らぬ程の豪華な椅子に腰かけたまま考える。


私、なんでこんなとこに座ってるの?


沢山の貴族や文官、騎士らが控える中、座っているのは現在三人。


一人は当然ながら、皇帝であるセドリック。

もう一人は正式に婚姻を結んだマリアちゃん。


そして……私。


気付いたら私の椅子も用意されててびっくりなんだけど。

しかもマリアちゃんよりお偉い位置だし。


一応、私 国外追放された元皇女だってみんなわかってる?


セドリックたちとは仲良しだし、ちょくちょくご飯食べにきたりもしてるけど面倒事に巻き込まれるのは御免だから国籍は戻してないからね?


つまり私、この国の人間でも何でのないからね?


なのになんで玉座の間に私専用の席があるのか小一時間ぐらいお話ししたい。



なぜだーと考えながらファウスティーナは俯き気味だった顔を上げて広間へと視線を向けた。


※もうこの時点で彼らは身分失ってるんで実際は皇帝でもなければ正妃でも……以下略。なのですが、作中の表記はそのままの呼び名で通します。


だってコイツら、名前ないし……(;´Д`)

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― 新着の感想 ―
[一言] 名前ないのはある意味贖いかも
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