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「……あっ…あぁっ…ん、あんっ!…んぅ…」


止めどなく声が漏れるのを抑えられない。

否、抑える必要なんてない。


熱い吐息が唇から漏れる。

頬や首筋に張り付いた髪から零れる雫、刺激に揺れて跳ねる身体。


もう何も、我慢する必要なんてない。


一際強い刺激にきつく眉根を寄せてぎゅっと瞼を閉じて。


「くぅぅっ~!!…さいっこう!!!」


手にした缶をぐっとあおった。


「やっぱ湯上りはコレだわ~!」


ごくごくと喉を鳴らして握り拳で口元を拭う。



おっさん臭い??


いいの、いいの。

だって誰も見てないし。


これからは誰の目も(はばか)らず生きていけるんだから!!


湯上りの火照った身体を楽チンなルームウェアに包み、ソファにだらりと寝そべって、足元にはフットマーサージ機。

威力はMax。


振動マッサージがふくらはぎを揉み込む度に声が出るほどの痛気持ちよさ。

だが、これがいい!!


ほぐされてるって気がするわー。


テーブルの上にはお菓子やおつまみ。


手にした缶にはジンジャーエール。


酒じゃないのかって?

一応未成年だからね。

ピッチピチの十五歳。

この世界じゃ飲酒OKだけど前世の記憶思いだしたら二十歳超えてからでいっかなって。


キンキンに冷えた液体が喉を通り抜ける爽快感。


たまらない!!とばかりにぷはぁ~と息を吐いた。


空になった缶を置き、投げ出されたコントローラーを握りしめる。

胡坐をかいてテレビ画面に向かって前傾姿勢。



さぁーて、いっちょ攻略を再開しますか!!


9時からドラマが始まるからー、それまでにアイテムゲットして次の村のセーブポイントまで行けたらいいなぁ。

そんなことを考えながらコマンドを選択し、ふとその手を止めた。


いけない、いけない。


その前にすることがあった。


再びコントローラーを放り出し、カラフルなチラシを手に取る。

スマホ片手に番号をぴっぽっぱっっと。


「すみませ~ん。シーフードピザ一枚お願いします。サイズはMで生地はクリスピーで。あとサイドメニューでポテトとナゲット……」


早めに注文しとかないとドラマ見ながら食べれないじゃない!


危ない危ないと思い出した自分を自画自賛しつつ電話を終えて、さて今度こそとコントローラを握り直し冒険へレッツゴー!!



ドラマも見終わり、ごはんも食べてふぅっと一息。


スタンド付きの鏡の前でチューブから絞ったクリームを顔にぬりぬり。


髪を束ねてヘアバンドで前髪も上げて、目と鼻と口以外真っ白に塗りたくったパック姿はちょっと人様にはお見せ出来ない有り様だ。


別に誰も見てないしいいけど…。


タイマーを十五分後にセットして、ソファにぐたりと寄りかかる。



さて、ここいらで現状の説明でもしましょうか。


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