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「≪最悪の迷宮≫? いいえ、≪至高の楽園≫です!!」~元皇女は引き籠り生活を満喫しつつ、無自覚ざまぁもしていたようです。~  作者:
本編

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十一

※ in 迷宮


「ああ゛ぁ~~!!!」


慟哭が、漏れた。


深く、深い慟哭とともに両手で顔を覆う。


バカな…。

そんなバカな………。


信じたくなくて思わず呟くけれど、無情な現実は変わらない。



真っ黒に塗りつぶされた画面。



負けた。


ようやくたどり着いたボス戦。

「倒したっ!?」と喜んだのも束の間、ボスの形態が進化しての第二戦…………からの第三戦、第四戦。


ボス……進化しすぎじゃない??


でもこれでこんどこそ最後だろうと思っていた第五戦。

もはや元の面影が全くなくなったバケモノと化したボスに渾身の一撃を叩きこもうとしたその瞬間……。

全てが無に帰した。


しまったっ!

回復が先だったかっ!!


でも漸く必殺技が打てる準備が整って、また下手に動きを止められる前にトドメをって思ったんだよ!!!


深い後悔と絶望が心を覆う。


ボス戦に費やした3時間余りが……。


しかもセーブポイントからやり直しでしょ?

またあのボス相手に第一形態からやり直しっ?!


思わずコントローラを投げ放つ。



無理。

今すぐもう一回挑む気にはとてもなれない。


勇者たちも死んだけど、何より私のこころが死んだ。

復活まではしばらく時間がかかります…。


ソファにぐてりと丸まることしばし、気を取り直して立ち上がる。


取り敢えずなんか甘いモノでも食べよう。


今の私には早急に癒しが必要だ。



キッチンにたってポットを火にかける。

カップと茶葉を用意して、うーんと腕を組む。


さて、何を食べようか?


アイス?

チーズケーキ?

あ、スウィートポテトもあったかも。


冷蔵庫を開いてみれば目についたのは「私を食べて!」と囁く(※幻聴)ミルクレープちゃん。


よし、キミに決めた!!


再放送のドラマを見るとはなしに流し見ながらティータイム。

もっとも再放送っていっても地球のだから私見たことないやつばっかだけどね!


フォークを手にまずは一口。


うむ、美味し!!


何口かは普通に食べ、フォークの先端で生地をぺらり。


なんだろう。

なんかミルクレープって層になってる生地をぺらってしたくならない??



それにしても………。


本当に最高。


迷宮生活も早2週間。

流石に暇を持て余したりシャバが恋しくなるかと思いきや……全然イケる!

いや、偶に「暇だ―」ってなることもあるけど、それすら贅沢よね。


本も漫画もゲームのDVDも幾らでも取り寄せるし、身体が鈍ることもない。


食事は手間暇でいうなら前の方がよっぽどかかってたんだろうけど、ジャンクなフードは嫌いじゃないし、なにより食べたいモノを食べたい時に食べれるのが素晴らしい!


幼少期はネグレクトで手抜きだったし、その後は豪華だったけど食卓を囲むのは憂鬱で無理やり喉に詰め込んでたし、一人で食事取るようになってからは忙しくって味わってる余裕なんてなかったもの。



大国の皇女。

傍から見れば恵まれた環境だったんだろうけど……。


実際は全然そんなことなかった。


それも全てあのクズ共の所為よね!!


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