表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

星条旗は悲しみに靡く

第二次世界大戦にてナチスドイツは春のバルバロッサそしてノルウェーを橋頭堡としたイギリス上陸により戦勝した。

欧州において、フランス・イギリス・ソビエトといった大国は破壊した。

イタリアはドイツ降下猟兵がジブラルタルに降下することでイギリスはアフリカに武器や食料などといった備品の輸送が困難となりそこをイタリア軍が進行、スエズ運河を制圧した。

欧州が血に染まる中、アメリカは大日本帝国との大海戦にて困難を極めていた。

この世界では真珠湾攻撃にて石油タンクは全て破壊。米空母艦隊も撃破されていた。

日本の連続的戦勝にはアメリカは戸惑いを覚えた。

しかし、星条旗の下には世界トップの工業が広がっておりその力は大日本帝国の連勝を無意味とするものであった。

ハワイにて再建された米海軍と日本軍が硫黄島で衝突すると、結果は日本の辛勝。

1945年7月4日、日本軍の航空基地からドイツの戦略爆撃機が青空の広がる朝八時に飛来した。

ホノルルが強い光と熱に包まられた数分後、そこには腕足が硬直と黒く焦げた死体の衆に肘から腕の皮膚を垂れ下げた人々。そして喉の乾きを潤す為に焦げた死体の浮かぶ川の水を飲む子供が居た。

ハワイに存在した人々と米海軍基地が消滅した後、アメリカは無条件降伏した。


枢軸国が戦勝したのだ。

戦後の世界は大きく変動した。

インドからハワイまでに広がる大東亜共栄圏の長である大日本帝国は経済を大きく押し進め東京を中心に亜細亜を発展へと導いている。

ドイツは戦勝後、建築家シュペーアの協力もあってか1950年に世界首都と言われるゲルマニアが完成した。

アメリカは自由国家機構OFNを設立し枢軸の秩序を破壊しようと日々企んでいる。

その自由国家機構は北米から南米にまで広がっている。

この世界で人類はどのような歴史を描くのか。


[1957年5月6日]

=ゲルマン帝国−国家放送協会=

本日5月6日午前9時にて世界初の大陸間弾道ミサイルが打ち上げられました。着弾地点はラブラドル海近郊の北大西洋であり、同じく核の力をより強力にしようと研究に没頭していたアメリカは又してもドイツに遅れをとったのです。

ユダヤの悪魔アインシュタインの技術を継いででも研究を続けたアメリカの脅威はもはや無に等しく。大ゲルマン帝国が世界全土を支配するのも時間の問題です。我らアドルフ・ヒトラー総統のお力は自由国家機構を震え立たせることでしょう。Heil Hitler!


1957年5月6日、大ゲルマン帝国はアルベルト・シュペーアの強く支持した原爆開発が第二次世界大戦末期に活躍することとなったこともあり、ドイツ親衛隊メインに大陸間弾道ミサイルの研究を行っていた。そして5月6日午前9時に打上げられミサイルは北大西洋に着弾した。

その着弾の様子はSS降下猟兵大隊の兵站改良で設立された航空親衛隊が確認しその様子はカメラに納められた。


=ゲルマン帝国−陸軍兵器局=

航空機設計者▶ウィリー・メッサーシュミット「見事成功しましたな。大陸間弾道ミサイル。この技術を用いれば月面への上陸も左様でありますでしょう。」

親衛隊国家長官▶ラインハルト・ハイドリヒ「かつてのヒムラー”元”長官もこのミサイル技術に興味があるようです。メッサーシュミット。あのミサイル技術を駆使してロケットの研究を行って下さい。」

航空機設計者▶ウィリー・メッサーシュミット「期間はどれくらいでありますか?」

親衛隊国家長官▶ラインハルト・ハイドリヒ「1960年までには完成させて下さい。」



=ゲルマン帝国−総統官邸=

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「総統閣下はどちらに?」

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「どうやら他の職務でお忙しいらしい。君がアフリカからドイツに帰ってきた理由は予め知らされている。進捗を聞こう。」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「では。現在進行中であるアトラントローパ計画はジブラルタル海峡を塞き止めてその海水をすべて排水し、沿岸地域の河川の淡水によって200mにまで引き下げることに成功しました。」

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「大した成果だ。しかし、昨年の経済の不安定化の時はさすがにアトラントローパ計画を中断せざる得ないと考えていたが、シュペーアとゲーリングの協力による経済改革によって6月に一度は中断されたものの今年に入ってようやくアトラントローパ計画を続行することが出来た。」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「ゲルマン帝国内各地に広がる収容所の運用状況の改善や奴隷の労働規約を定めたことがドイツ経済を回復させる鍵だったとゲーリングさんから聞きました。」

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「地中海をより深く引き下げたら、次のことを行うよう総統閣下から説明された。このフォルダがその内容だが話して置こう。次はサハラ砂漠において大規模な灌漑計画を実行し、緑化政策を進める。地中海の淡水はこのサハラ緑化計画で活用する。コンゴ川にダムを建設してコンゴ海、チャド海を形成し、またザンベジ川にもダムを建設してヴィクトリア海を作り上げるそうだ。これはラッツェルの生存圏の思想に基づいた計画であり、アフリカの豊富な資源を目的としたヨーロッパによるアフリカ大陸支配計画という側面が強い。この計画が完遂した後ドイツの経済は大幅に飛躍するだろうな。」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「現時点、コンゴ湖がかなりこの計画に貢献しています。」

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「ではアイヒマン。引き続き計画を進めてくれ。」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「はい。所で今何時でしょうか。飛行機で現場に向かわなくてはなりません。」

ヨーゼフ・ゲッベルスがカチカチと鳴る壁の方をみて口を開いた。

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「1時だ。もうアフリカに出発するのか?」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「はい。部下が待ってるので。」

ドイツ宣伝大臣▶ヨーゼフ・ゲッベルス「では、来月の休日に交流はどうだ?ミャンヘンで互いの成果の話でもしようではないか。ゲーリングも経済用途の仕事で忙しいそうだが、来月に休みがとれたらしい。」

親衛隊大将▶アドルフ・アイヒマン「分かりました。来月ですね。」


=ソビエト連邦−ニカテリンブルク=

ゲオルギー・マレンコフが演説会場の壇上に上がりマイクに顔を近づけた。

???▶ゲオルギー・マレンコフ「我がソビエト連邦は第二次世界大戦末期、最高指導者スターリン同志は覆せない敗北に屈し最後には失踪した。その後、絶望しまともに空を見上げることも出来なくなったロシア人をまとめ上げ立ち上げさせたのは新たな最高指導者ヴャチェスラフ・モロトフでありました。我々はこのニカテリンブルクに首都を構え、ソビエト連邦とロシア共和国で分裂したロシアの大地を統一しここにロシア人を集結させました。しかし、そんな指導者も先日お亡くなりになられた。では、誰がこの国の次の指導者に相応しいか。では、私が同志ヴャチェスラフ・モロトフの意思を継ごう。我々は大ゲルマン帝国の脅迫に猛進に屈しない!何故ならここにロシア人が団結し集結してるからだ!」


5月10日にソビエト連邦新指導者にゲオルギー・マレンコフが就任。

翌日の5月11日には死亡した三代目指導者ヴャチェスラフ・モロトフの葬式が行われた。


[1957年5月11日]

=アメリカ合衆国−大統領公邸=

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「大統領閣下。世界情勢のニュースをいくつか持ってきました。」

大統領▶リチャード・ニクソン「ではそのニュースとやらを教えてくれ。特にゲルマンとソビエトだ。指導者モロトフの後継者は誰になったのかだ。」

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「ではまず、大ゲルマン帝国についてですが、5月6日に打ち上げられた大陸間弾道ミサイルの生産体制が整えられ本日からミサイルの大量製造が行われるとのことです。ちなみに言いますと我が国の開発しているミサイルは5月20日に完成するとのことです。」

大統領▶リチャード・ニクソン「互いに核を武装するという体制はこの冷戦を生き残る道具となるか。日本はどうだ。」

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「大日本帝国につきましては核ミサイルの配備を進めているとのことです。しかし、彼らは地震の多い島に本土を構えている訳ですから、この先ハワイやオーストラリアに基地を置かれる可能性が高いです。」

大統領▶リチャード・ニクソン「オーストラリアが大東亜共栄圏に組みられてなければ、また基地が置かれるのはインドネシアか。」

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「ソビエト連邦三代目指導者ヴャチェスラフ・モロトフの後継者ではゲオルギー・マレンコフが四代目に就任しました。」

大統領▶リチャード・ニクソン「なるほど。ロシアは核ミサイルは研究しているのか?」

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「まだそこまで調べが回っておりません。」

大統領▶リチャード・ニクソン「そうか。」

米国CIA・ヨーロッパ本部長▶ウィリアム・コルビー「最後のニュースですが、インドネシア共和国で現地民が独立を巡って蜂起を起こしたようです。」

大統領▶リチャード・ニクソン「そうか。では武器を支援として送ってやれ。大東亜共栄圏の国々を自由国家機構に組することが出来れば日本の亜細亜での覇権も揺らぐだろう。我々はこの見えない大戦の中でCIAなどの情報網を駆使して生き残らなければならない。」


次回:ハインリヒを撃て:

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ