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チートな俺が、チープなあたしに変わったら、くすぐりに悩まされる日々が待っていました  作者: 広瀬みつか


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45/109

45.助けに来てくれた、なのに…

 地下室で鎖に吊されていたミユウは突然目が覚めた。

 何時間にも続いたミンクからのお遊戯が終わると同時に、気を失ってしまったのだった。

 あれからどれだけの時間が経ったか分からない。

 しかし、あまり疲れが取れていないことから、あまり時間も経っていないのだろう。


 では疲れが取れていない彼女がどうして目を覚ましたのか。

 それは部屋中が騒がしかったからだ。

 もっと正確に言うと、部屋中に少女の笑い声が響き渡っていたからだ。

「あははははは!やめ、やめてくだ、やははははは!」

 声の発生源であるミユウの左隣を見ると、ミンクが少女の両脇をくすぐっていた。

 その少女はミユウより若く、下着姿で天井から吊るされた鎖に両手で拘束されていた。

(かわいそうに。あたしが寝ている間に捕まって、新しいミンクのおもちゃにされたんだ)

 暗くて容姿ははっきり見えないが、なんとなくミンクに似ているように見える。髪こそ短いが、その色合いや顔の容姿などは鏡でも見ているのかと思うほどだった。

(待てよ。ミンクに似ているということはあたしにも似ているということか。でも、どこかで聞いたことがあるんだよな、彼女の声)

「許して、おね、お願いしま、あははは!助けて、にぃにあははははは」

「あらあら。あなたもくすぐりが弱いとは、なんと素晴らしい姉妹なのでしょう!」

「……ん?にぃに?姉妹?」

 聞いたことのある笑い声と、なんとなく自分に似ている容姿、そして二人の言葉。

 もしかしてと思いながら、もう一度左側に目線を向けて目を凝らす。

「サ、サヤ!」

 そう、そこにいたのは紛れもなくミユウの妹サヤであった。

「あら?お目覚めになられましたか?もう少しお休みになられてもよろしいですのに」

 ミユウが目覚めたことに気が付いたミンクが、くすぐりの手を止める。

「はあ、はあ。にぃに、助けに、来たよ。そして、助けて……」

「ありがとう。そして、無理……」

「だ、だよね……」

 ミンクは、くすぐられ続けて疲労したサヤの顎をグイっと上げて、赤く輝く目で恍惚と眺めていた。

「あなたの妹さんもなかなか素晴らしいリアクションをされますね。あなたたちは本当に私の心を掻き立てますわ」

「う~。こんな辱めをうけるなんて、く、悔しいよ~。にぃに~」

 笑いすぎか、悔しさのせいか、サヤの頬に一筋の涙が流れていた。

「今日の私は本当に運がいいですわ。一日でお二人の新しいおも、お友達を手に入れることができるなんて」

「さっき"おもちゃ”って言いかけたよね!」

「いいえ。少し言い間違えてしまっただけですわ」

「う、嘘だ……って、あれ?“二人”?」

 ミンクの言葉に違和感があった。サヤだけなら「二人」とは言わないはず。

「ミ~ユ~」

 背後から弱々しい、これまた聞いたことのある声が聞こえた。

 後ろに振り返ると、もう一人の下着姿の少女が鎖で拘束されていた。

 彼女の頭の上には黄金色の獣の耳、そして腰から同じように黄金色の毛深い尻尾が生えている。

「シュ、シュナ?!あなたまで……」

「う~。申し訳ない……」

 耳としっぽを垂らしていた。そんな彼女に近づいていくミンク。

「私、獣人族の方を拝見するのは初めてですわ。さあ、どのように遊んで差し上げましょうか?」

「や、やめろ~」

 ミンクがシュナの顎の下を指で撫でると、シュナの顔の筋肉がどんどん緩んでいく。

「ボクの、心も、体も、ミユウの、もんじゃ~」

「うふふ。そう口でおっしゃっても、体は正直ですね。ほらほら、もっと撫でてほしいのでしょ?」

「くぅ~~ん」

 犬のように鳴きながら必死に自分の本能に抗うシュナ。そんな彼女をミンクの細い指が容赦なく襲う。もうここに主従関係が築かれている。

「ミユウさん。あなたのお仲間は面白い方ばかりですね。ジークは、もう一人潜入しておられると言っていました。その方はどのような方なのでしょう。楽しみですわ」

「それってもしかして……」

 アストリアの名前を出そうとしたが止めた。

「まあ、その方が捕まるのも時間の問題でしょうね。そうなれば、私のおもちゃ、お友達は4人……」

「今完全に“おもちゃ”って言ったよね!」

「言っていませんわ」

「……」

「そんなことより、存分に楽しませていただきますね」

 ミンクは部屋の机の上に置かれた錠剤の入った瓶を手に取る。

「まずはお二人にこちらを飲んでいただきましょうか」

「そそそそそれは、体の感度を上げる薬!」

 そう。それは捕まって二日後に飲まされた薬だった。

 それを飲んでから、今まで以上にお遊戯が過酷なものになったことを覚えている。

「まずは妹さんから……」

 ミンクは瓶から錠剤を三錠取り出して、水の入ったコップと一緒にサヤの前に近づく。

「サヤ!それ絶対に飲んだらダメだよ!」

「う、うん!わかったよ、にぃに!」

「さ~て、お薬の時間ですよ~。お口を開けてくださいね~」

「ん~~~!」

 サヤは口を堅く結んで、ミンクから顔をそらす。

「あらあら。お薬は苦手でしゅか~?聞き分けの悪い子にはお仕置きが必要でしゅね~」

 ミンクは床に落ちている道具を一つ手に取る。

 それは人の手の形をした道具だった。

 スイッチを押すと、本物の手のようにワキワキと動き出す。

 ミンクはその道具をサヤの無防備な右わき腹に取り付ける。

「ん~~!ん~~!」

 サヤは全身を動かして、くすぐったさを必死にこらえる。

「我慢は体の毒ですよ~」

「いや、その薬の方が体に悪いよ」

「さ、お口を開けましょうね~」

 同じ道具をもう一つ床から拾い、スイッチを入れてからサヤの左わき腹に取り付ける。

 サヤの両脇を無慈悲に手型の道具が襲う。

 サヤはあまりのくすぐったさに腰を左右に激しく振る。

「ん~~~……あははははは!」

 そして、ついに我慢できなくなったサヤは口を開けて笑ってしまった。

 ミンクはそんなサヤの顔を強引に正面に向けて、大きく開いた口に錠剤を放り込む。そして、コップの水をサヤの口に流し込む。

「あはははは!し、しまったーーあはははは!」

「もう少しで効果が出てきますので、そのままお待ちくださいね?」

「しょ、しょんなーーーあはははは!」

 ミンクはサヤの脇腹に手型の道具を取り付けたまま、サヤから離れる。

 そして、机に戻って瓶から錠剤を三錠取り出すと、今度はシュナのところに近づいていく。

「さ~て。今度はあなたの番ですよ~」

「ひい!こ、こっちに来んといて!」

「あなたは大人ですから、私のいうこと聞いていただけますよね~」

「ん~~~!」

 シュナもサヤと同じように口を堅く結んで、顔を背ける。

「あらあら。あなたもですか?そうですね~。こ~ん~ど~は~」

 ミンクはシュナの腰に右手を回す。そして、彼女の尻尾の付け根を人差し指でくすぐり始める。

「ひにゃ~~~」

 シュナは力が抜ける声を出しながら口を開けてしまう。

 それを狙って、彼女の口に錠剤を放り込んで、水を流し込む。

「ひ、ひきょうな~~~」

 目的を果たしたミンクはシュナから離れ、机の上にコップを置く。

「ふう。これで準備完了ですね。で~は~、早速本番に入りましょう。まずは先輩のミユウさんからですね~。うふふふふ」

「ひい!あ、あたし一人のときよりテンションあがってない?」

「当たり前ですわ。人は誰でも新しいおもちゃが手に入ったら気持ちが高揚するものですもの」

(あ。あたしたち『おもちゃ』と断定されちゃった。もうツッコまないけど)

「さあ、お二人に正しいお遊戯を見せて差し上げましょう」

 ミンクは箱の中から新しい道具を取り出してミユウに近づいてくる。

「来ないで!」

「薄情ですわ。私たち、あーんなことやこーんなことまてしてきた仲だというのに」

「人聞きの悪いことを言わないで!」

「あ、なるほど。私の気持ちをより高めるために敢えて冷たい言葉を。さすがはミユウさん。私をよく理解していらっしゃる。では、その期待に応えて……」

「違う!いや、やめ、ま、あ、あーーーーははははは!」


 道具に両わき腹をくすぐられ続けるサヤと、力の抜けたシュナに挟まれて、ミンクとのお遊戯第四幕が開かれた。

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