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チートな俺が、チープなあたしに変わったら、くすぐりに悩まされる日々が待っていました  作者: 広瀬みつか


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36/109

36.飛び出してみた、そこで…

 サヤと仲違いをしたまま、次の町シュターナリクスという町の入り口近くまで来た。この時には日が沈み切っていた。


 いざ町に入ろうとするあたしをアストリアが止める。

「ミユウさん。町に入る前に伝えておきたいことがあります」

「え?」

 アストリアは一つ咳をすると、説明を始める。

「今から入るシュターナリクスは要塞のある町です。つまり、町の中には公国の役人や軍人が多くいらっしゃいます。今のミユウさんなら心配はないとは思いますが、行動には気を付けてくださいね」

「なるほど。わかった。できるだけ気を付けるよ」

「それなら大丈夫です。サヤさんも気を付けてくださいね?」

「わかったよ」

 一瞬、あたしとサヤは目線を合わせるが、すぐに目をそらす。

「はあ。ほんまに大丈夫なん?」


 シュターナリクスはトーアのように店や宿が多く並ぶ大きな町であった。

 トーアと違うところは、町の周りを10メートル以上のレンガの塀で囲まれていて、町の真ん中には物騒とした要塞が堂々と建っているところだ。

 夜遅くなっているが、町には多くの人が行き来し、多種多様な明かりが夜を照らす。

 活気に満ちてはいたが、その中にわずかな緊張感があることを肌で感じる。


 あたしたちは人々をかき分けながら宿を探す。

 宿探しを始めてから30分ほどたったころ、ようやく4人部屋を確保することができた。

 部屋に荷物を置き、町に出て飲食店で夕食を簡単に済ませる。

 そして、宿の部屋に戻るとシャワーを浴びてそれぞれのベッドで眠りにつく。

 この間もあたしはサヤと一切話をすることはなかった。



 ---



 次の日の朝が来た。この日は厚く黒い雲が空を覆っていた。


 あたしたちは目を覚ますと、それぞれのベッドに腰かけて今後の計画を立てる。

「今後なのですが、次の町のナクトリスまでには2日かかりますので、この町で十分な準備をしてから出ようと思います」

「どれぐらいおるつもりなん?」

「そうですね。2日後でいかがですか?」

「そうだね。それだけあれば十分じゃない?」

「しかし、昨日もお伝えしたようにこの町は公国の役人や軍人が多く滞在しています。くれぐれも不殺族であることを知られないようにしてくださいね」

「「はーい。あ!ふん!」」

 あたしとサヤは同時に返事したが、それに気づくと互いに背を向ける。

「はぁ。もうそろそろ仲直りしてはどうですか?」

「「サヤ(にぃに)が先に謝るなら……ふん!」」

「仲がええんかどうなんだか分からん姉妹じゃなぁ」


 いたたまれなくなったあたしは立ち上がりドアに向かう。

「待ち!どこ行くん?」

「ちょっと気分転換に散歩に行ってくる。これ以上サヤと一緒にいるのは嫌だからね」

「あたしもにぃにといたくないもん!どこにでも行けばいいじゃん!」

「「ふん!」」

 深いため息をつくアストリアとシュナ。

「大丈夫だよ。ちゃんと気を付けるから。夜になるまでには帰るね」

 そういい残して、部屋を出て勢いよくドアを閉める。



 ---



 あたしは町の大通りを一人歩いていた。宿を飛び出しては見たものの、目的がない。

「お金もないし、どうしよう」

 ふとある違和感に気が付く。

 町の人々から、すっと視線が突き刺さっていた。

(あれ?なんだか、みんなあたしのことを見ているような気がする。あたし、特別目立つようなことしたかな?……してたな)

 脳裏には、町に下着姿で晒されたり、町の人々にくすぐられたりした記憶がよみがえる。その度、顔が赤くなっていく。

(よくいままであんな恥ずかしいことしてたなぁ。きっとその噂がここまで届いてるんだろう。今までの町と近いみたいだし…)


 仕方なく町中からの視線を受け入れながら歩いていると、ある果物屋に目を向ける。

 そこには色とりどりの新鮮な果物が並んでいた。

「お腹空いたな~。お金あれば買えるのにな~」

 店頭でしゃがみ、並んでいる果物を眺めていた。


「油断してはいけませんよ。お嬢さん」

 いきなり背後から耳元に囁きかけられた。

「え?」

 振り向こうとすると、背筋をゆっくりなぞられる。

「ひゃん!」

 背後の人物に気付くことなく、気絶してしまった。

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