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Requiem  作者: 秋本そら
幕間6
16/32

準備

「……七時間目に、会えるんだよね?」

「うん……でも、記憶がないって」

「そうだね……」


 朝から教室の空気が、淀んでいた。


「本当に……会えんのかよ」

「知らねーよそんなの。会えねーかもしれねーし、会えるのかもしれねー。そんぐらいに思っときゃいいんじゃねーの?」

「……ま、そうだな」


「記憶がないって……本当かな?」

「さあ。でも、春菜が嘘つくとも思えないけど」

「まあね。……ねえ」

「ん?」

「……もし本当だったら……ちゃんと、話せるのかな、うち」

「……思い出してもらうために話すんでしょ?」

「……あっ、そうだね。ねえ、何話したらいいかな?」

「うーん……あっ、そうだ! あの時の——」


「……大丈夫ですかね、みんな」

「確かに、彼女が記憶をなくしていると聞いていると……不安ではありますね。でも……私は生徒たちを信じたいです」

「ええ……私もです」


「本当に……記憶、戻ると思う?」

「分かんないよ。ただ、何もしないよりかはいいんじゃないかと思って」

「そうだけどさ……」

「うちは信じてる」

「……そっか。なら、うちも信じるよ」


 ゆっくりと、ゆっくりと。

 皆、心の準備をする。

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