表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Requiem  作者: 秋本そら
序章
1/32

おわりとはじまりの場所

 花が咲き乱れる野原を彷徨う少女が、ひとり。

 少女が向かう先は、大きな川。

 そしてその先にある——。


「あなたには、心残りはありませんか?」

 鈴のような声がして、振り返る。

 そこにいたのは、白いワンピースの少女。

「あなたは……?」

「私は、この川の渡し守です」

 渡し守——それは、渡し舟の船頭を意味する言葉。

 しかし、白いワンピースの少女は、どうしても船頭には見えない。

「……渡し舟の、船頭さんですか?」

「いいえ。正確には、渡し守は渡し舟の船頭を指すのですが、この地では船頭と渡し守は別物として扱われています。船頭は渡し舟の船頭を務めます。川の渡し守は川とここを見守るような仕事ですかね。間違ってやってきた者が川を渡らないようにしたり、元の場所に帰したり。あとは船に乗る者の案内もしますよ。そして、今あなたに声をかけたのも、仕事の一環です」

 白いワンピースの少女は微笑んだ。


「もしあなたに心残りがあるならば、戻ることが出来ますよ。限られた時間ではありますがね。もちろん、このままあちらに向かっても構いません」

 思わず、少女は目を見開く。

「……本当ですか」

「はい」

 白いワンピースの少女はうなづいた。


「——戻らせてください!」

 少女のその一言が、全ての始まり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ