部屋の中で
その日から、私は自分の部屋に閉じこもるようになってしまいました。
そして誰も、それを責めませんでした。
ハルは、暇ができるたびに、私に会いに来てくれました。
それでも、わたしは、ただ、おふとんにもぐってハルの言葉に返事をしませんでした。
ある朝、鏡の中に見つけた、うつろな目の女の子。
はじめて見たとき、それが自分だと信じられませんでした。
ハルに少しでも変な目で見られたら……。
そんなことありえないって思えるのに、でもそれが怖くて……。
ティトやミスティや召使いのみんなは、私のむらのある態度に付き合って、たいへんな思いをしたと思います。
それでも、いやな顔もせず、そんな私にやさしくしてくれました。
本当に嬉しかったです。
トートン先生は、二、三日おきに、私に本を贈ってくれました。
私の好きそうな本を、王都の書店から取り寄せてくださったんだそうです。
あのトートン先生が、騎士物語や恋物語の本のカタログを前に、考え込んでいるところを想像すると、なんだか可笑しいです。
クルは、私の部屋には来ませんでした。
俺が顔を出したからといって、何がどうなるわけでもなし……でしょうか。
そんなふうに考えるのがクルですから、仕方ないよねって思っていました。
そうして、私は、みんなに気を遣わせて、つらい思いをさせていました。




