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仲間になったわけで(巨乳と貧乳)

「ちょっとバッカじゃないの! あんた、何一人で抜け駆けしてるわけ!? 旧きの魔神どもを倒すって使命はどうすんのよ!? あんた、それでも御子の巫女!?」


「それは貴方に任せましたわ、フィアット。私には@様と添い遂げるという新しい使命が授けられたのです」


「『使命が授けられたのです』じゃないわよ! だったら私だって、聖霊の囁きに従って@と一緒に行くわよ!」


「あらまあ、貴方までそんなことをなさったら、この国の住民はどうするのです? 見捨てるというのですか? 旧きの魔神どもを見過ごすというのですか?」


「もち! 当然でしょ!」


 うん、何だかわからないけど、これは穏やかではない。


「あの、いいかな」


「「はい」なんでしょう、@様」


「俺はどこにも行こうとも思っていないわけで。何だったらここで日向ぼっこしながら暮らしていければいいわけで」


「そ、そんな勿体ない!」


「フィアットの言う通りですわ。貴方様のような高貴なる王族がこのような廃虚に燻っていいはずありません。貴方様ならそれ相応の城にて……あ、わかりましたわ」


「何でしょう?」


「貴方様はご自分に相応しい国を探してらっしゃるのですね。きっと貴方の国では末子にて国は与えられない、ならば自分で探せ、と言うことなのでしょう。……うう、なんてお(いたわ)しや。このヒタチ、涙が堪えられません」


「え、そうなの?」


「そうね! @ならきっとそうよ! だったら私達がそのお手伝いをしてあげるべきよ! @、感謝してよね。この国で最高の聖霊師と司祭が仲間になるんだから! 国王どころか世界の主だって夢じゃないわ!」

「いや、うん、そういうことはどうでもよくてだね」


「わかりましたわ。そういうことなら是非お供いたしましょう。不肖ヒタチ、そしてその愚鈍な小童フィアットとともに。参りましょう、貴方様の国のために」


「俺のことなんてどうでもいいわけで、君達にも目的があるだろう? それはいいのかい?」


「ああ、そんなの寄り道ついでになんとかするわよ。たかが魔神でしょ? しょうもない」


「ええ、新しい旅の目的に較べれば、路端の石に過ぎません。さあ、@様、腰を上げて。いざ、出発いたしましょう!」


 こうして、おうどんこと@に仲間が加わった。聞く耳も持たれず、何もかもわからないままに。すべてがすべて説明不足のままに。猫だもんね、仕方ないよ。

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