ガール?ズトーク 上
前回は下、下半身の話。
今回は上、上半身、バストの話です。
「ちょっと、そんなにジロジロ見ないでよ」
そう言いながら桂は大事な箇所を隠している毛を両手で隠そうとするが、その小さな手では全部を隠しきれず濡れた和毛が未だに三人に目に晒されることに。
「いいじゃん、これまでも何回も見ているだし」
「そうだけどさ……改めてマジマジと観察されるとなんか嫌だな」
そう言いながら桂は大事な部分を両手で隠しながら、湯船の中へとゆっくりとその身を沈めていく。
頭と大きな胸がお湯の上に浮かぶ。
「しかし、こうして見ると桂の胸は本当に大きいのがよく分かるな」
自分のとは違い、お湯の上に浮く桂のぷかぷかと浮かぶ、自分とは違う、巨大な双丘を見ながら実里は感想を。
「そういえばさ、ちょっと思ったんだけどシロはどうして巨乳にしなかったの?」
実里と同じく、桂のを見ながら麻実が。
「そういえばそうだな、ある程度は好みが反映されるという話だったな。さっきのパイパンではないが、男は総じて巨乳が好きだろ。私は小さいからすぐに飽きられたが」
昔語りを。
「だってさ、シロは確か桂の大きな胸目当てで付き合い始めたんだよね」
と、麻実が。
昔麻実に馴れ初めを聞かれ、胸目当てと冗談で答えたことを今更持ち出されてしまった。
「えっ、酷い。稲葉くん、私の身体が目的だったの。ヨヨヨ」
ものすごく下手な泣き真似をしながら桂はお湯の中へと沈んでいく。
「ちょっと待ってよ。それは酷い誤解、風評被害だよ。確かにそういうのが無かったかと聞かれたら全く無いとは言えないけどさ、桂と付き合ったのは何回も芝居を観に来てくれてそこで会っているうちに……惹かれていったというか……好きになっていったから……」
恥ずかしさ照れのあまり後半部分は小さい音に。と、同時に稲穂は桂と同じように湯船の中へと沈んでいく。
「しかし巨乳でない理由には答えてもらっていないな」
「ああー、そういうことなのね」
さっきまで湯船の中に沈んでいた桂が勢いよく浮上。
「どういうこと?」
「私の胸の形が悪いから大きいのは嫌になったんだー」
桂の胸は大きいが、有体に言って形はそんなに良くない、やや崩れている。それに乳首の色も綺麗なピンクというのとは程遠いやや茶色であるし、そのうえ乳首もやや大きく、乳輪もまあデカい。正面から彼女を見据えたとしたら大きな胸と大きな乳輪で、それから成長期の失敗でやや垂れぎみに、昔友達から「パンダの顔みたい」と評されたこともあった。
「それは違う」
今度は稲穂が勢いよく浮上。
「じゃあ、どういう理由なの?」
「えっと……それは……」
「うりうり、ほら答えなさいよ」
「しかしそうだな、桂の胸の形が悪かったとしても稲穂のそばにはずっと麻実もいたわけだ。麻実のほうを参考にすれば美巨乳になりたいと思ってもいいんじゃないのか?」
「ちょっと実里。私をディスらないでよ」
「悪い悪い。しかし事実だろ」
「まあ、それはそうなんだけど……」
桂の胸は前述した通りで、麻実のは大きいうえに張りがあり乳首はやや上向きで、その上色もピンク色。
「シロはあたしみたいなのも嫌だったの?」
「うーん……まあ正直に言うと……嫌いじゃないけど、ちょっとなーと思ってしまって……」
「ということは稲穂は、私みたいなのが好きなのか?」
実里の乳はこの四人の中で一番小さい、貧乳であった。
「ああ、ゴメン実里さん、趣旨替えをしたというわけじゃないんだ」
「でもさ、稲葉くんってある時から私の胸よりもお尻を触るというか、お尻で遊ぶのが好きになったよね」
この場にいる四人はキチンと認識したのだが、ちょっと誤解を招きそうな言葉だったので少し補足。ここのお尻で遊ぶというのはアブノーマルセックスに興じたというわけではなく、胸同様に大きな桂のお尻の揉み心地がすごく良くて、胸よりも隙あらばお尻の感触を堪能していた過去が。
「なるほど稲穂はお尻が好きなのか。うん、まあ納得だな。稲穂の胸はそれほど大きくはないが、お尻は桂には負けるけど麻実よりも大きく魅惑的だ。そこは性癖みたいなものが反映されたのだな」
「そうやって改めて言葉にされると……なんか嫌だな……」
「まあいいじゃん、シロはお尻星人だったということで。そんでさ、胸に話を戻すけど、どうしてそっちは桂やあたしに似せなかったの?」
「ああ、そうだなその答えをまだ聞いていなかったな」
「どうなの稲葉くん」
「うーん、まあ……胸の大きな二人に挟まれての生活を長いことしていたから。大きな胸はじゃ……大変そうだなと思ったからかな」
日頃から巨乳の二人の生活のちょっとした大変さを目にしていた。それに大きな胸で遊ぶのは好きだがそれは他人の物だからであって、自分の身体に付くとなれば重たい余計なもの、日常生活で支障をきたす程ではないが、それでも動くのに邪魔になりそうだ、と。
だがそれをそのまま言葉にしたら、言いそうになったけど、二人の気分を害してしまうので。
「今さ、邪魔って言いそうになったんじゃないのシロ?」
「そんなことないよ。本当に大変そうだと思っていたから」
隠したことをズバリ言い当てられてしまうが、何とか取り繕う。
事実、桂がよくブラの選択肢が少ないという愚痴を溢しているのを聞いていたし、それに二人ともに重たい胸が要因で肩こりになっていた。その凝っている部分をよくマッサージもしていた。
モゲタンが身体をある程度は制御してくれるはずだから二人のように重たい胸に悩まされることはないのだが、それでも伊庭美月の頃のような動きは無理だとしても、この成瀬稲穂の肉体でもそれなりの運動を行いたいと考えていたので、そうなると必然的にデッドウエイトとになりうる、また腕の動きを阻害してしまう可能性がある大きな胸は、正直邪魔になる。
ここで少し補足しておくが、稲穂の胸は二人ほどの巨乳ではないが、実里のような貧乳でもない。日本人の平均的なバストサイズより少し小ぶりなくらいの大きさではあるが身長があるために相対的に小さくみえるだけであり、大きさは兎も角形はすごく綺麗なお椀型であり、やや大きめのちょっとエロい乳首も上向きの美乳である。
「まあ、そういうことにしといてあげるわ」
「しかし、稲穂の胸はそんなに小さいわけでもないだろ。私のよりもずっと大きめだ」
「それは実里のが小さいから」
「でもまあ、ちょっと不思議な感じがするわね」
「どういうこと麻実ちゃん?」
「おんなじ女の身体で、胸も二つずつなのにこんなにも個体差がるなんてさ。……そうだ、三人ともちょっと立ってみてよ、せっかくだから比べてみようよ。大きな鏡もあるし」
浴室ではないが、室内には壁一面の鏡が設置されていた。
「ええー」
この非難の声はさらし者になってしまう実里ではなく、桂が上げたものだった。
この中で一番バストサイズが小さいのは実里。
そしてその実里は、
「そういうことにはあまり興味はないが合法的に稲穂の身体を、いつものムードのある空間とは違い、明るい場所で見ることができのだから賛成だ」
と、参加を表明。
「そんな学生みたいなことしなくても」
「だってあたし学生だし、シロもだよね」
麻実も稲穂も大学に在籍中の学生でもある。
「……稲葉くんは私と比べっこしてみたいの?」
昔の漫画なんかでよくあったシチュエーション。女の子同士の胸の大きさの比べっこ。それがある種のファンタジーであることは理解しているが、少々の憧れもあったのもまた事実。
したがって桂の質問に対し稲穂は、即答できずにしばし考えてしまい、しばらくしてから静かに、
「……まあ、ちょっと興味があるのは事実かな……」
と、内心の願望のようなものを吐露。
「もう……エッチなんだから。……今回だけ特別だからね……」
甘い瞳で稲穂を見つめながら桂は承諾を。
ということでお風呂から出て身体の比べっこが急遽開催される運びとなった。
フィクション、妄想です。




