史上最小の作戦 その4
前半は変則
後半は普通
気象警報
島根県 鳥取県沿岸部、大雨、波浪、高潮、高波警報
危険ですから海に近づかないでください
気象情報
大雨 高波 波浪警報解除
鉄道情報
山陰本線全線運転見合わせ
鉄道情報
運転再開
ニュース速報
日本海竹島付近EEZ内で船籍二隻が航行不能という情報
海上保安庁の巡視船が確認のために
ニュース速報
航行不能の二隻のうち、一隻は不審船の可能性が
ニュース速報
巡視船に向けた発砲か
某局ワイドショー放送中
『……ですが。ここで速報です。先ほどもテロップでの表示がありましたが、海上保安庁によると巡視船が日本海EEZ内で射撃にあったという情報が。どのように状況で発砲を受けたかのという詳細は現段階では入ってきておりません。新たな情報が入り次第お知らせします。詳しいことは分かりませんが、発砲を受けたというのは穏やかではありませんね。それでは先程の続きを……』
ネット情報
某掲示板
名前:名無しの権兵衛
某国からの攻撃かな
名前:名無しの権兵衛
その可能性あるな。やっぱ半島からみか
名前:名無しの権兵衛
もしかしたら拉致かもしれへんな
名前:名無しの権兵衛
どういうこと?
名前:名無しの権兵衛
今日の朝、船が出航したんだよな。あんな天気だったのに
名前:名無しの権兵衛
怪しい
名前:名無しの権兵衛
しかも変な女を乗せて
名前:名無しの権兵衛
へんな?
名前:名無しの権兵衛
一人はスーツ姿でもう一人は白衣
名前:名無しの権兵衛
なにそれ
名前:名無しの権兵衛
その格好で拉致はないだろ
名前:名無しの権兵衛
写真は撮ってないの うpきぼう
名前:名無しの権兵衛
ちらっと見ただけでそんな余裕ない。そんなことできる天気じゃない
名前:名無しの権兵衛
そうだよな
名前:名無しの権兵衛
そういえば関係ないかもしれないけど
岩国からオスプレイが飛んで行った
名前:名無しの権兵衛
緊急情報
ホーネットがスクランブルで飛んだ
名前:名無しの権兵衛
しかもEAのほうっぽい
名前:名無しの権兵衛
電子戦
名前:名無しの権兵衛
まさか第三次世界大戦勃発?
名前:名無しの権兵衛
キタ――(゜∀゜)――!!
名前:名無しの権兵衛
ないない。発砲はマジだったとしても遺憾砲しか撃てないって
反撃できない国だし
名前:名無しの権兵衛
それな
名前:名無しの権兵衛
九条改憲しないかな
名前:名無しの権兵衛
無理だろ。
左の連中がうるさいし。
名前:名無しの権兵衛
それより続報まだー
名前:名無しの権兵衛
詳細きぼ
名前:名無しの権兵衛
全然入ってこない
名前:名無しの権兵衛
G○○gleアースで確認できないの?
名前:名無しの権兵衛
光の戦士 H口じゃないからそんなことできない
「ああ、全然続報見つかんない。徹夜して損したー」
パソコンのモニター、テレビの画面を長時間見続け、酷使して赤くなっている目をこすりながら麻実は言う。
そして続けて、その自身の背後にいて同じように徹夜した実里に、
「ゴメン実里、徹夜に付き合わせて」
「いや、別に構わないぞ。徹夜にはまあ慣れているしな。それに研究ができない今の私は暇だからな。することといったらカレーを作ることくらいだ」
現在稲穂が出張中のおり、成瀬家の食事は実里のカレーが主であった。
「シロがいてくれてら、もう少し情報が集まったんだろうけど」
クラッキングの技があるわけでもなし、ネットサーフィンで関連しそうなサイトを覗くくらいの技術しかない。
「稲穂は情報、サイバーにも強いのか?」
実里の見ている限りだとあまりその手の機器を使用している姿は。
「ああ、それはモ……警備会社だからそういう情報が流れてこないかなと思って」
危うく口走りそうになったがモゲタンのことは実里には秘密である。
「そういうことなら麻実でも得られるんじゃないのか。会社の人間と仲は良いんだろ」
「仲が良いといっても整備部の人が大半だからなー」
主に出入りしているのは整備部、一応は部外者だから、内部の機密の強い箇所にはなるべく近づかないようにしていた。
「なら、桂に聞くのはどうだ。昨日からずっと帰ってきてないだろ。今回のことと何か関係があるからかもしれないぞ」
急な仕事で、桂は昨日からずっと事務所に詰めたまま。
「それはないと思うけどな。もしあったとしても多分、守秘義務とかで話さない」
「そうか……ああ、そうだ。外の人に聞くのはどうだ? あの人たちは元軍人なのだろ」
現在成瀬家のマンション前の路駐している車の中には、万が一に備えて実里を護衛している警備部の人間が。
「うーん無理だと思うな。現役じゃないからそんな情報は入ってこないと思うし」
「なるほど、そうかもしれんな」
自身で提案したことを否定されたが、そうかもしれないと得心しながら実里は返事を。
「まあもう寝るとしようかな。けど、寝れるかな」
興奮状態で副交感神経が刺激されており、やや精神が高揚しているような状態。それに加えて実里が作ったカレー、さらには刺激が弱いとはいえオロナミンCの効力もややあり、徹夜した割には全然眠気がなかった。
「じゃあ、寝る前にカレーはどうだ? お腹の中が温まっているとよく寝られというからな。それに桂が帰ってこなかったから余っているからな」
お鍋の中にはまだカレーが。そして炊飯ジャーの中にもご飯が。
「実里のカレーはいつもよりも辛かったけど、美味しかった。でも刺激がちょっと強すぎるというか、目覚めたらいけない快感が目覚めそうな気がして……」
「ああ、そうか。まあ、それほど嫌なものじゃないらしいぞ」
「実里はソッチの経験もあるの?」
「うーん……ないな。求められたこともあったが、なんか変な感じがして断った」
自身の遍歴をしばし思い起こし、該当する記憶を。
「……気持ちいいのかな?」
「興味があるのか?」
「まあ、そういう本も読んでいたわけだし、無いといったら嘘になるかな」
「しかし、後始末が大変だと聞いたことがあるぞ」
「ああ、なるほど。確かそういうホテルでもご利用は断られるとか」
等々の、下の話で少々盛り上がってるとこに家の電話が。
「はい、もしもし……って何だ桂か。どうしたの?」
『良かった出てくれた。さっきからずっと携帯にかけているのに全然出てくれないんだから』
受話器の向こうから安堵した声。
「えっと、ちょっと待ててね。……ゴメン、充電切れてた」
情報収集のためにスマホも活用していたのだが、早々にバッテリー残量が0になり、そのまま放置してあった。
『いいわよ別に、それで実里はいる? まだ寝てる? 実里にもかけていたんだけどコッチも全然出なくて』
「いるし、起きてるよ。ちょっと待ってね、実里、桂からの着信ってあった?」
「うーん。あったぞ」
麻実に言われ、実里は自身の携帯を見ながら言う。
「あったてって。あ、スピーカーにするね」
『出なさいよ』
「すまんすまん、麻実に付き合っていたらすっかりと携帯の存在を忘れてしまっていた」
『携帯の意味ないでしょ』
「悪かった。それで私に何か用か?」
『うん、今から稲穂ちゃんと一緒に帰るから』
「おお」
『それで帰ってから実里に大事な話があるから外出しないようにしてほしいというお願いなの』
「そんなことお願いされなくても出れるような状態じゃないからな。それに普段でもあまり外出することは少ないし」
『じゃあ、お昼ごろに帰るから』
稲穂、桂が帰宅後、まだ玄関先に着いたばかりのところに麻実が出迎えながら、
「シロ何処に出張に行ってたのよ」
と帰宅の挨拶も済まないうちに質問を。
「ただいまー。うん、島根」
「島根だったらさ、もしかしたら昨日のニュースのことで何か情報ない」
「ちょっと麻実ちゃん、稲穂ちゃん帰ってきたばかりなんだから」
「いいよ、別に昨日の日本海での件だけど、あれはお……私がしたことだから」
「へっ?」
「それと実里さん」
「うん、なんだ?」
「詳しいことは後からちゃんと説明するけど、もう安心していいから。一応全部終わらせてきたから」
「…………」
唖然、茫然、突然の稲穂の言葉に実里は声も出せずに固まってしまった。
オロナミンCではなくお嬢様聖水にしようかと考えましたが、ちょっと調べてところ販売日が微妙にずれていたため、作中時間は2015年の3月、販売日が4月1日、東京販売が5月、だったのでそのままに。
他の有名なエナジードリンクではなくオロナミンCなのは麻実が強い刺激が苦手なためと。実里は平気だが麻実に合わせてという作中に書いていない裏設定。




