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家族会議+オマケ 5

今回も小ネタ。


 ショートカットと一口に言っても実に多種多様である。

 美月本人の意見としては、長い髪を切りたいという願望はあったものの、どんな髪型にしたいかまでは考えていなかった。

 そこで会議が。

 議題はもちろん、美月の髪型について。

 自分のことながら明確なイメージを持ち合わせていない美月は戦力外となり、前話でオチ要員として起用された麻実が代わりに主戦力に。

 桂がファッション誌を持ち出す、麻実は自室へと飛んで帰り自前のノートパソコンを。

 まずは男みたいなということに重点を置いて、

「宝塚の男役みたいなのはどうかな?」

 と、麻実は提案する。

「うーんまだ早いと思うな。稲葉くんは成長期に差し掛かったばかりだから、どちらかと言えば幼い丸顔だし、こういうのはもっと大人になったからのほうが」

 と、桂が否定の意見を。

「じゃあ、桂はどんなのが合うと思うの?」

「こんなのはどうかな?」

 桂は最近お気に入りのマンガの四巻を手にとり、その表紙を見せる。そこには三人の少女の画が描かれており、左右の少女は髪が長く、真ん中の少女はショートボブ。

 短い髪型であるのは確かだが、これではあまりにも少女然しすぎて美月の要望からは逸れてしまう。

「そのマンガからとるなら大野よりの断然杉本先輩だって。とくに二巻の演劇でヒースクリフをした時の。ワイルドな感じでさ」

 美月は件のマンガの二巻を広げてみる。

 こちらの方が圧倒的に望ましい。

「えー、でも杉本先輩の真似をして優柔不断で、好きでもない子に手を出されても困るし」

 髪型を合わせただけで、そんなところまで似てしまうような影響力なんか絶対にないというツッコミを入れたいけど、入れれば何かおかしな方向へと行きそうな予感がしたので、美月は黙っていた。

「ねえ、シロはさ漠然とでもいいけど希望とかないの?」

 黙っている美月に麻実が。

 発言を求められてしばし考える。

「……シガニー・ウィーバーかな」

 昔観たSFアクション映画のヒロインを唐突に思い出す。この髪型にしたいわけではないのだが、とりあえず言ってみた。

 あくまでネタとして。

「エイリアン3の?」

 美月のネタフリに麻実はすぐに気付いてくれた。

「うん」

「アレも一応ショートカットに入るのかな」

「どんな髪型なの?」

 一人理解していない桂が訊く。

「見せた方が早いかも」

 そう言いながら麻実は素早く自分のノートパソコンを操作。検索した画面を桂に見せる。

「却下です。これは絶対に駄目」

 大きく腕で×印を作りながら桂が反対する。

 反対するのは無理のない話だった。画面に映る女優は坊主頭。

「まあ、冗談で言っただけだから」

 そう言いながらも内心は、坊主も悪くないよな、手入れがすごく楽だしすぐ乾くし、と美月は思っていた。

「それならコレはドウダイ」

 麻実が言う。

 今度はアイドルゲームのキャラクターが画面に。

 ショートボブの髪型を見て、美月はこれならばさっき否定された杉本先輩の方がいいかなと、考えてしまう。

「ゲームでしょ」

「ゲームだけど、このキャラの設定は気に入ると思うけどな。男の子みたいな容姿で女の子にもてるけど、内心は可愛い女の子に憧れているの」

 言いながら麻実はキーボードを操作。

 フリフリの衣装をきたボーイッシュなキャラが。

「あっ……いいかも」

「でしょ。絶対桂のツボにはまると思ったんだ」

「じゃあ、これは候補の一つで。他にも探しましょ」

 まだまだ続きそうだった。



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