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もらった魔法は消費MP0(ゼロ)!?  作者: 七面鳥の丸焼き
85/90

親を探して3千里

某アニメのタイトルパロです


次の日

言っていた通りギルドに行ったんだけど


「この子の親ですか?え~っと、今は子供探しの依頼は来ていないですね。役所に行けばわかるかもしれませんよ」


と言われて役所に行くと


「調べましたところヴァウという名前の子供は住民登録されていませんね。教会の子かもしれないので一度行ってみてください」


とたらい回しにされた

しかも各場所までが遠いのなんの

教会に着いた時にはもう夕方ですよ

街を端から端まで移動しましたよ


(ストラ)「ここみたいだな」


教会につきノックする


『はーい。少々お待ちくださ~い』


そんな声がしてすぐに扉が開かれる


「お待たせしました~。あらどちら様ですか?まぁ、ヴァウ君!こんな時間までどこに行ってたの?早く帰ってきなさいっていつも言ってるでしょう!」


とシスター姿の狐の女性が出てきた

銀色の毛並みがきれいです


(ストラ)「当たりだな」

(モク)「うん。あの、ちょっとお話しないといけないことが…」


何も覚えていないヴァウ君がいきなり叱られて困惑しているし

早く助けてあげよう


「あら私ったら。何もないところですがどうぞ」


中に入るとパル君よりも小さな子やリッ君と同じくらいの子が合わせて10人位いた


(フィッケ)「ヴァウ君を連れてきてくださりありがとうございます。いつも帰って来る時間に帰ってこなかったので心配していたんです。探しに行こうにも小さな子たちを放っていくこともできませんし…。あ、申し遅れました。私はフィッケと申します。このシスリー協会のシスターをさせていただいてます」


僕らも自己紹介をして問題の話をした


(フィッケ)「記憶がない…ですか。…ヴァウ君が朝と別人なのはそのせいなのですね。治すことはできないのですか?」

(モク)「記憶を無くすときは大体強いショックを受けた時です。時間とともに思い出す時もあれば思い出さない時もあります。記憶を無くした時と同じようなショックを与えて治すという荒療治もあるにはありますがとてもリスクが高くお勧めしません」

(フィッケ)「そうですか……」


フィッケさんはそう言うと下を向いてしまった

ヴァウ君は集まった小さい子たちにもみくちゃにされている

良いお兄ちゃんだったのかもね


(フィッケ)「みなさん、お願いがあります。ヴァウを連れて行ってもらうことはできませんか?」


下を向いていたフィッケさんがいきなりそんなことを言ってきた


(ストラ)「せっかく帰ってきたあいつをまたどっかにやっちまっていいのか?それもあって間もない俺たちなんかに預けるだなんて孤児を育ててるシスターとは思えない提案だな」

(フィッケ)「ですがあなた方の話ではヴァウ君を見つけたのは昨日、そしてあの子の親を探すためにこの広い街を横断してまで探してくださった。そんな方々が悪い人だなんて思えません…それに、彼はここにはいない方がいいと思っています」

(バク)「それはどういうことだ?」


爆君の言葉には若干の怒気が混じっていた

僕も、そして他のみんなもフィッケさんの言葉に怒っていた


(フィッケ)「今の彼はここに住んでいた時の記憶がありません。そんな状態でここに戻ってもあの子にさらなる苦痛を与えるだけです。幸いあなた方に心を開いている様子ですのでもしあなた方がよろしければ…」

(ストラ)「……本当にいいんだな?もしかしたらもう二度と会えないかもしれないぞ?」


ストラがそう聞くとフィッケさんは


(フィッケ)「あなた方ならそうならないとなぜか断言できます。これも神様のお告げなのかもしれません」


と手を胸の前で組み祈りを始めた

神様のお告げねぇ…

ヴァウ君の記憶喪失自体が神様のせいだと思うけどね


(ストラ)「モク、どうする?」


ストラがこちらに向く

他のみんなも僕の方を見ている


(モク)「僕たちでよければ。ヴァウ君の記憶が戻るまで引き取らせていただきます」

(フィッケ)「ありがとうございます。よろしくお願いします」


あ、そうだ

この町に住んでるフィッケさんなら占い師のこと知ってるかも


(モク)「あの、この町に必ず当たる占い師がいるって聞いたんですけどどこにいるか知りませんか?」

(フィッケ)「モクさんたちも占ってもらいに来たんですね。知っていますよ。ギルド前の大通りにある道具屋の隣の裏道を入ってすぐにお店がありますよ」


お、占い師の場所情報ゲット!

会いに行くのは明日でいいよね

今日はもう宿に戻ってゆっくり休もう

…の前に


(モク)「ヴァウ君」

(ヴァウ)「なぁに?」

(モク)「君の記憶が戻るまでうちで預かることになったんだ。勝手に決めちゃってごめんね」

(ヴァウ)「そうなの?わかった!」


よかった

これで「いやだ!」って言われたらどうしようかと思った


(モク)「よかった。じゃあとりあえず今日は宿に戻ろっか。明日占い師の所に行こう」

(ストラ)「そうだな。おい、帰るぞ」


鮫川君と熊井君、爆君は途中から子供たちに集られてもみくちゃにされていた

よじ登られたりお腹をモニモニされたり

みんな笑顔だしいいんだけど

あ、泣き付かれてる

この短時間でかなり懐かれたようだ


(フィッケ)「こら、皆さんはお帰りなんですからいい加減離れなさい!」

「「「やーだ―!もっと遊ぶ―!」」」


あれまぁ

本当に懐かれたね


(シュウ)「また遊びに来るよ」

「本当?」

(シュウ)「もちろん!約束!」


シュウ君は右手の小指を立てて笑顔を見せた

…こっちの世界に「指切りげんまん」ってあるの?


「約束!えへへ!」


シュウ君にくっついていた女の子も小指を立てて笑顔を見せる

来ようと思えばいつでも転移扉で来れるからね

定期的に会いに来よう

ヴァウ君の経過を伝えると共にね


何はともあれ一時的にではあるが我が家に新たな家族が増えた

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