合同制作 完成編
(バク)「そんじゃま、これで一回試してみるぞ」
そう言って爆君は作りだしたヘッドセットを手に持ち、
《魔具変物》!
魔法を使った
手に光が集まっていき光がどんどんヘッドセットに吸い込まれていく
そして光が完全に吸い込まれると
パキャッ
そんな音を残して粉々に壊れてしまった
(モク)「え、壊れちゃった…」
(バク)「容量過多だな。さすがにこんな小さいのは無理か…。モク、やっぱりスマホかガラケーみたいな大きさがないと無理っぽいわ」
スパイみたいで憧れてたんだけどなぁ…
作れないんじゃ仕方がないか…
(モク)「そっか~。なら爆君はスマホかガラケーどっちがいい?」
(バク)「俺?俺はスマホかな。スマホの方が慣れてるし、ストラの兄貴たちも使いやすいだろうし」
ストラの兄貴…?
いつの間にそんな仲に?
それは置いておいて、そっか
ストラ達が使いやすいって言うのも考えないといけなかった
スマホだと反応するか怪しいところなんだよね
でもガラケーってあの曲がってるところとか閉じたときに毛が挟まったりするし…
……うん、スマホだな
形は普通の長方形で角が少し丸くなってて、片手で持てて操作ができる大きさ
あと、所有者登録ができて登録した際にその人の物と判別できるように色が変わるようにしよう
あと、所有者登録をした人以外が許可なく使おうとすると所有者の下に戻って来るって言う効果を付けてっと
《絵描創造》!
[絵描魔法のレベルが上がりました]
お、ちゃんとできてくれた
そしてレベルも上がった
新たな派生スキルが出なかったってことは20までは行って無いってことか
(バク)「よし、俺の番だな」
《魔具変物》!
光がすべて吸収されたあと少し立ったがスマホは特に壊れるといった動きはなかった
(モク)「成功?」
(バク)「たぶん…。点けてみるぞ…!」
爆君がスマホの電源ボタンを押した
スマホは短く「ブブッ」と振動して電源が付いた
(バク)「やったぞモク!完成だ!」
(モク)「やったね爆君!それにしてもこれどうやって動いてるの?やっぱり電気?」
(バク)「ふはは、よくぞ聞いてくれた!」
うわ、どこぞの研究者みたいな口調になったぞ
そんなにテンションが上がることなのか?
(バク)「これは何と魔力を使って動いている。こっちの世界にコンセントはないし電気もあんまり普及していない。ならどうやって充電するか、俺は考えた。そして一つの結論に至った。俺たちが使う魔力は時間がたてば回復する、ならこの魔力は使いたい放題に等しい。だから魔力で充電できるようにすればずっと使い続けられると思ったんだ」
おぉ…
とりあえず魔力で充電できるということはわかった
確かにすごいことだけどなんでこんなにテンションが………あ、そういうことか
(モク)「バク君すごい!そんな充電方法考え付かなかったよ!」
(バク)「え、えへへ、そんなこと…あるかな~///」
はい、褒められたかったってことですね
うん、普通にすごいし考え付かなかったのは確かだし今の言葉は本心から言ってますよ
幼稚園の頃からこんな感じである
爆君が何か作ると僕が「すごいすごい!」と言っていた
その都度今のように顔を赤くして照れる
(バク)「…悪い、舞い上がった。てわけでだ。こいつは半永久的に使えるってわけだ。そして電波も魔力を電波に変換して飛ばして通信するからぶっちゃけどこまでも届く。あ、さすがにネットは繋がってないから。で、最大10人まで同時に通話ができる。あ、もちろんカメラ機能とビデオ通話機能、あとメール機能も搭載済みだ!」
まあ便利!
本当にただのスマホになってしまった
あとはこれを量産するだけ
次は、扉だね
扉の見た目はもうできてるから後は爆君任せなんだけど…
(バク)「・・・」(キラキラ)
そんなキラキラした目でこっちを見ないでください…
(モク)「あーもう、わかったよ。爆君の作りたいようにやっていいよ」
(バク)「やったぜ!」
はぁ、絶対に「ど〇でも扉」を作る気だよ…
(バク)「できたぜ!」
(モク)「…使い方の方はどうしたら?」
(バク)「行きたい場所を思い浮かべながらドアノブを回すだけ!行ったことのあるところにしか行けないから注意な!」
案の定だよ!
本当にあのアニメ好きだね!
僕も好きだよ!
まさか本当にやっちゃうとは思ってなかったけどね!
(モク)「そんじゃまぁ試しに…」
僕はドアノブに手をかけて扉を開けた
扉の向こうには木や草が生い茂る森であった
(モク)「おぉ~…本当につながった…」
(バク)「すごいだろ!てかここどこだ?」
僕が思い浮かべたのは僕が最初にいた場所
この世界に飛ばされた場所
久々に行ってみたいなって言う軽いノリで開けました
(モク)「ここは僕が最初に飛ばされた場所だよ。そしてここでストラと出会ったんだ」
(バク)「こんな森の中に!?襲われなかったか?魔物に然り盗賊に然り変態に然り!」
(モク)「襲われなかったよ?むしろストラ以外誰にも会わなかったし」
(バク)「ならよかったぜ…」
てか変態に然りって何だ
変態に襲われるような覚えはないぞ!
(バク)「ちゃんと動作するようだし帰ろうぜ?」
(モク)「そうだね。戻ろっか」
動作確認が終わり部屋に戻った
扉が一個だけでいいって言うのはありがたいね
いちいち各所に置かなくてすむし
(バク)「よし、扉の方はOKみたいだしスマホ作っちまおうぜ!」
(モク)「うん!じゃあ一気に作り出しちゃうね!あ、2個追加してもいい?」
(バク)「俺は構わないけど誰の分だ?」
(モク)「白陽とトラさんの分。あの2人なら使えるだろうし」
試作品のは僕があのまま使うから残り15個のスマホを作り出し爆君が《魔具変物》で完成していった
(コーヤ・リオ)「「これってまさか…」」
(シュウ・カオリ)「「スマホだ―!」」
全部のスマホの動作確認を終わらせてみんなに配布した
ルプスにはあの小型通信機が作れるようになり次第渡すよう約束した
さすがにルプスはスマホの操作ができなかったよ
四苦八苦している姿は可愛かったけどね
あ、もちろん動画に撮ってますよ?
(ストラ)「これはなんなんだ?」
(モク)「スマホって言って遠くにいても会話とかができる機械だよ。とりあえずみんなこれの背面に血を一滴垂らしてくれる?」
僕がそう言うとみんなすぐにスマホの背面に血を垂らした
すると白かったスマホがそれぞれ別々の色になっていった
(モク)「これで登録は完了したよ。登録した人以外は許可がないと使えないし、もし使っても登録した人の手元に戻ってくるようになっています」
(ストラ)「そりゃすげぇ。で?どうやて使うんだ?」
僕がストラ達に教えて鮫川君たちがディラーさんたちに教えてあげた
ここで初めてクロロが人化の魔法を使った
見た目はディラーさんみたいなおじさんで白陽と同じ正服を着ている
足が3本あるかと思いきや杖を持ってのご登場
そうだよね
普通に考えて足3本はないよね
んで、クロロと白陽、トラさんには爆君が教えてあげていた
一通り説明が終わりみんなのスマホの番号等を交換し終えていざ実践
僕が家の外に行きストラに電話をかける
プルルルルル…プルルルルル…ガチャ
(モク)「あ、もしもしストラ?聞こえる?」
(ストラ)「うお!モクの声がするぞ!すげぇ!おう!聞こえるぞ!」
あらら、ストラのテンションがすごいことに
いや、ストラだけじゃないな
ストラの声に交じって他のみんなの声も聞こえる
みんなすごい盛り上がってる
その後みんなと通話しちゃんと通じるかのチェックを終わらせて家に入った
ていうかみんながすぐに使い方を覚えたのは驚きだね
パル君なんか教えていないのにカメラで写真撮ってたし
そして撮った写真を背景にしていた
やっぱり若い子はすごいね




