絵具を作ったらすごかった
(バーキン)「みなさん、関所が見えてきました。関所を超えるとすぐに王都です!」
(モク)「あれが…」
国境沿いに壁がそびえたつようなのを想像していたけどここの関所は大きな川をまたいでいる橋にあった
石造りの橋はとても頑丈そうだ
(モク)「これが関所…初めて見ました」
(バーキン)「ここはほかのところと違い川の上にありますからね。川も深いし水生の魔物がいますのでこの橋を越えないと向こうに行けません。他にも橋がありますが行くまでにはランクAの魔物がはびこる森だったりワイバーンやリザードマンなどの龍種の魔物が住む山を越えないといけませんから誰も行こうとしません」
僕も行こうとは思わないな
命大事
バーキンさんから関所のことを聞いていると僕たちの番になった
馬車の中身と越える人の人数を聞かれ関税を払った
川を眺めていると酔いが少し収まった
風もひんやりしていて気持ちいい
しばらく外を眺めていよう
・・・綺麗な景色
日本では見られない綺麗な風景
改めて異世界なんだなぁって思う
(ストラ)「何か気になるものでもあったか?」
外を見ているとストラが隣にやってきた
リッ君とパル君も隣に来て僕にもたれかかってきた
(モク)「綺麗だなぁって思ってね。日本…元の世界でも見たことないくらい綺麗…あ、そうだ!バーキンさんちょっと馬車を止めてもらってもいいですか?」
そう言いながらインベントリから絵描きセットを取り出した
この綺麗な風景を鮫川君たちやディラーさんたちにも見せたいからね
描けた―!
うまく描けたんじゃないかな?
(リック)「モク兄すごい!めちゃくちゃ上手!」
(パルル)「ふわぁ…すごい…」
リッ君とパル君の感想はいい感じ!
でもやっぱり色がないと
…うん、絵の具を作ろう!一緒に筆も!
あ、でも普通の絵の具だと自然に悪いから自然にやさしい絵の具で!
補足は、
・自然に有害な要素を含まない
・人体に影響を及ぼさない
これを入れとけば大丈夫かな?
《絵描創造》!
描いた補足が消えてるからたぶん成功だね
絵具としてはどんな感じかな?
お?おぉ!?おお!いいよ!いい色が出る!
(ストラ)「また新しいもん作ったのか?…絵具?」
(モク)「そう!魔法がちゃんと発動していれば自然に無害な絵の具なはず」
(バーキン)「そんな絵の具ができれば多くの画家や芸術家に売れますよ!…あれを使えば!」
バーキンさんは馬車の荷物から植木鉢に植えられた一輪の花を持ってきた
白くてかわいい花
何の花だろう?
(バーキン)「これはネイチャーフラワーと言うとても繊細な花で、自然に有害なものにはすぐに反応して枯れてしまうんです。これならすぐに効果がわかりますよ」
(ストラ)「だが採るのが難しい花で高く取り引きされるって話じゃ?使ってもいいのか?」
(バーキン)「かまいません。モク君の絵の具が本当に自然に無害なら世の芸術家たちはこぞって買いに来ると思うんです。どこでも絵が描けて筆を洗った水をどこにでも捨てられるのですから。失敗しても元々偶然手に入ったものなので売る予定はないですから。…あ、勝手に絵具を販売するってことにしてしまっていました・・・。すみません、商売になりそうなものを見たりすると突っ走っちゃう節があって…」
この絵の具くらいなら売ってもいいと思うけど、僕しか作れないんだよね
量産するのは今のところ難しいんだけど
(モク)「絵具を売るのはいいんですけど僕しか作れませんよ?量産するのも今のところ難しいし…」
(バーキン)「売れる分だけで大丈夫です。モク君が作れるときに作れるだけ。作れたものをハスラト商会に売ってくださればいいんですよ。モク君が作っていることは伏せますし、急かすこともしません。これならどうですか?」
作れるときに作れるだけ…
それならいいかな?
とりあえず効果が出てるか確かめてみないと!
絵具を水に溶いてネイチャーフラワーの植木鉢に水を垂らした
(バーキン)「…枯れませんね」
(ストラ)「あぁ、成功だな」
(モク)「よかった…あそこまで言ってもらってたのに失敗してたらどうしようかと思った」
(バーキン)「その時はその時ですよ!それで、受けてもらえますか?」
(モク)「…はい!あ、それとちょっとお話が…」
僕はインベントリに入れている作り出した槍だとかいろいろな剣をハスラト商会で売れないか聞いてみた
棍棒とか使わないやつをどうにかしようと思ってたんだ
特に何も効果をつけてないから売っても大丈夫だと思うんだけど・・・
ダガーを一本取り出し手バーキンさんに見せた
(バーキン)「…そうですね。普通のものよりいいものですがこれなら普通に売れますよ。これらもハスラト商会に売ってくださるのですか?」
(モク)「はい!正直槍とか棍棒って僕たち使わないしどうしようかなって思ってたんです。売ってくださると助かります!…いいよね?」
(ストラ)「何も付けてないならいいんじゃないか?少し普通のより性能がいいがそこは何とかなるだろ」
ストラからもお許しが出た
防具やアクセサリーなどはまだやめておこう
僕の世界のがモデルになるからこっちだと珍しいしね
(バーキン)「これはいい取引先をゲットできました!クルベールに戻ったら改めて契約の書類等をお持ちします!」
(モク)「わかりました!…あ、絵を完成させないと!」
僕は座りなおし
絵に色が足されていく
白黒の世界に色が入り絵が完成した
(モク)「僕の描いた絵じゃないみたい…」
色が付くだけでこんなにも変わるとは思ってなかった
普段色なんて塗らないからわからなかった
絵を描くってこんなに楽しいなんて知らなかった!
(ストラ)「これは…すげぇな」
(リック)「うん…すごい…」
(パルル)「…(ぽや~)」
(バーキン)「げ、芸術だ…!すごい!すごいですよモク君!」
ストラとリッ君は言葉がうまく出てこないのかさっきからすごいとしか言ってない
パル君は口を開けたまま絵をじっと見ている
顔が少しトロンとしているけど大丈夫かな?
バーキンさんはオーバーリアクションで絶賛してくれた
僕自身も今まで描いた中で一番の出来だと思う!
(モク)「帰ったらみんなにも見せてあげないとね!」
(ストラ)「そうだな!みんな驚くぞ!」
みんなどんな反応するかな?
みんなに見せるのが楽しみ!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
今年最後の投稿です
次回の投稿は来年の1月4日を予定しております
前後するかもしれませんがご了承ください
来年もご愛読いただけたら嬉しいです!




