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もらった魔法は消費MP0(ゼロ)!?  作者: 七面鳥の丸焼き
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馬車と虎

次の日、僕はルプスに乗り馬車に並んで歩いてもらった

ルプスが揺れないように注意して歩いてくれているおかげで全く酔わない


(モク)「酔わないって最高だね!ありがとうルプス!」

(ルプス)『この程度どうということはない。馬車移動するときはわしを呼ぶといい』


ありがたいけど申し訳ないなぁ…

何とか酔わない方法を考えないとね

揺れない馬車とか作れるようにならないかな…

そうすれば乗れるかもしれないのに


(ルプス)『…む、モク。馬車がこちらに向かっている。その後ろからブラッドティーガーが5匹追っているようだ。3分ほどで接触するがどうする?』


ブラッドティーガーって確かBランクの魔物だっけ?

血のように赤い牙をもっている虎だからブラッドティーガーという名前が付いた…らしい

こんなところで出るような魔物じゃないはずなんだけど?

とりあえず今は僕だけで決めちゃだめだ

今は護衛中なんだから


(モク)「僕だけじゃ決められない。バーキンさん、どうしますか?僕らの依頼はバーキンさんの護衛です。危険なことは回避したいですが」


バーキンさんにどうするか聞いてみると


(バーキン)「…助けてあげてくれませんか?もちろん可能な限りでかまいません。」


少し考えてそう言ってきた


(モク)「わかりました。みんな、話は聞いてたよね?行くよ!」


そう叫び僕たちは馬車にクロロをつけてブラッドティーガーに追われている馬車に向かって走り出した

走っている間に白陽に憑依してもらう


(ストラ)「…見えたぞ。モク、お前はパルルと1体やってくれ。俺らは残りをやるぞ!」

「「「はい!」」」



馬車が近づき御者のおじさんに向けて叫んだ


(モク)「助けに来ました!この先に馬車があるんでそこまで行ってください。僕たちがブラッドティーガーを何とかします!」

「む、無茶だ!君たちのような子供が…」

(モク)「いいから早く!これでもBランクの冒険者です!」


それを聞いたおじさんは「すまない」と言って僕たちを通り過ぎていった

それを横目にその後ろを追ってきたブラッドティーガーと対峙した


「ぐるぅおおおおおおおおおおおおおお!」


(ストラ)「おらあああああああああああああああ!」

(リック)「てああああああああああああああああ!」

(トラ)「やったんでええええええええええ!」


ストラとリッ君がそれぞれブラッドティーガーに飛びかかり傷を負わせていく

トラさんに至っては振り下ろされたブラッドティーガーの腕を自慢の爪で切り裂いていた

小さな体でブラッドティーガーの太い腕を切り裂いている姿は小さいのに大きく見えた


(ルプス)「ぐるぅあああああああああああああ!」


ルプスもブラッドティーガーに噛みついたりして攻撃している

残っているブラッドティーガーがルプスに向かって走っていく


(モク)「お前の相手は僕たちだ!」

(パルル)「いっくよー!」《ウォーターボール》!


パル君の《ウォーターボール》に合わせてインベントリから取り出したナイフをブラッドティーガー目掛けて投げつけた


「グルル・・・グラアアアアアアアアアア!」


僕たちの攻撃はあまり効いていないようだったが攻撃の矛先をこちらに向けることに成功した

僕はインベントリから剣を取り出し迫ってくるブラッドティーガーに目掛けて駆け出した

パル君が《ウォーターボール》で援護してくれたおかげで強い攻撃は来なかった


「グルゥア!」


ブラッドティーガーが腕を振り上げ横なぎしてきた

白陽が憑依してくれているおかげでジャンプして避けられたが攻撃された場所は木がなぎ倒されてすごいことになっていた


(モク)「一発でも貰ったら終わり…オワタ式ですか…」


こういう敵と戦うときは一撃離脱でやればいい

武器はいっぱいあるからぶっ刺していこう


(モク)「まずはこれ!」


振り下ろされる腕を避けてその腕に持っていた剣を突き刺す

すぐにバックステップで距離をとり次にレイピアを取り出す

腕に剣が刺さっているが気にすることもなくブラッドティーガーが迫ってくる

大きな口を開けて迫ってくるブラッドティーガーを見て僕はあることを思いつく


(モク)「…成功すれば、勝てる!」


レイピアをインベントリに入れて代わりにブロードソードを取り出す

そしてブラッドティーガーの口の中、上あごにめがけて突き刺した

突き刺す瞬間ブラッドティーガーが口を閉じてきて腕を噛まれた

激しい痛みが襲ってきて手を放しそうになったが気力で握り直しお返しとばかりにさらに深く差し込んだ


(モク)「ああああああああああああああああああああ!」


腕から血がだらだら出て地面に血だまりができてきた

ぐらりとブラッドティーガーが揺れて地面に倒れる

腕を噛まれているため僕も一緒に倒れてしまった


(モク)「うぅ…痛い。は、早く抜いて治さないと…」


ブラッドティーガーの口から腕を引き抜く

腕に牙が深く突き刺さっており引き抜くときに痛みで気絶しそうだった

牙を引き抜くと血がダクダクと溢れてきたためすぐにヒールをかけた

ヒールをかけながら戦況を確認しようと顔を動かすと


(ストラ)「おまえは何やってんだ!」


ゴンッ!


ストラから拳骨を食らった

へ、へこんじゃう…頭へこんじゃうよ…


(ストラ)「ブラッドティーガーの口の中に突き刺すとか馬鹿か!下手したら腕が食われてたんだぞ!」

(リック)「本当だよ!何考えてんのさ!」


とりっ君からもチョップとおしかりを受けた


(パルル)「お兄ちゃんが死んじゃうんじゃないかと思ったああああああぁぁぁ!うあああああん!」


パル君は抱き着いてきて大泣きしていた

確かに軽率でした…


(モク)「ごめんなさい…あれが一番確実だと思って…」

(トラ)『あほ!白陽が憑依してんねんからいろいろとできたやろ!』

(白陽)『そうです!それにみなさんが来るまで耐えることだってできたはずです!』


そうだよね…

白陽がいるんだからみんなが来るまで耐えればよかったんだ

あの時は倒すことしか考えてなかった

もっと冷静にならないとだめだね


(ストラ)「説教は一旦そこまでだ。死体を片付けて馬車に戻るぞ」


馬車に戻って倒したことを報告しないとだからね

倒したブラッドティーガーをインベントリにしまおうと立ち上がると頭がふらふらした

体も重い

これは…貧血か

傷を塞いだだけで血は戻らないんだね


(ストラ)『おっと、大丈夫か?おぶってやるよ』


といいストラはこちらに背を向けてしゃがみ込んだ


(モク)「ありがとう。ごめんね、ストラも戦って疲れてるのに」

(ストラ)「これぐらいなんてことはねぇよ。リックとパルルはブラッドティーガーを収納してくれ」

(リック・パルル)「「はーい!」」


リッ君とパル君がブラッドティーガーを収納し終わり僕たちはバーキンさんの馬車に戻った

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