馬車ってすっごい酔いますね
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クルベールを出発して馬車に乗っている僕は
(モク)「うえぇぇぇ…」
盛大に酔っていた
乗り物酔いはしないほうだが道はでこぼこ、馬車がすっごい揺れてもうね
地獄だよ
(ストラ)「大丈夫か?こないだ乗ったときは平気だったのにな。ほれ、膝貸してやるから横になってろ」
(モク)「ありがとうぅ…うぅ、前回は全然揺れなかったから平気だったけど、今回は無理。耐えられない」
ストラの膝に頭を乗せて横になった
あ、揺れをまだ感じるけど少し楽…
(パルル)「お兄ちゃん、お水飲む?」
(モク)「ありがとうパル君。ちょっとほしいかな」
僕がそういうとパル君は腕輪に魔力を通して虚空からコップを取出し水を入れてくれた
前にあげた腕輪をみんなしっかり使ってくれている
(モク)「ありがとうパル君」
(バーキン)「大丈夫ですか?もう少ししたら開けた場所に出るのでそこで休憩しましょう」
ありがたいです…
着くときにはいい時間だしお昼ご飯にしよう
あまり食べられないと思うけど…
(バーキン)「着きましたよ。休憩にしましょう」
(モク)「それじゃあ、良い時間なんで一緒にお昼ご飯にしましょうか。ストラ作るの手伝って!」
(ストラ)「了解!リックとパルルも手伝ってくれ」
(リック・パルル)「「はーい!」」
(バーキン)「あの~、私はどうすれば?」
あ、バーキンさんどうしよう
料理は…無理そうだね
(モク)「料理ができるまで待っててください!おいしいもの作るんで!」
(バーキン)「わかりました。警戒はどなたが?」
あ、忘れてた…
クロロたちに頼もう
(モク)「来て、クロロ!白陽!ルプス!」
(クロロ)『主、何用か?』
(モク)「辺りの警戒をお願い。僕たちご飯作るからできなくて」
クロロたちは了承してくれて白陽を残して見回りに向かった
白陽はもしもの時用にバーキンさんについているようだ
お昼何にしようかな…
酔ってるの僕しかいないからガッツリいきたいよね
…思いつかないしおにぎりでいっか
中身はそぼろとツナ、あと梅干し
こっちの世界にも梅干しあって本当にうれしい
酔い止めになるしね
(パルル)「上手にできない…お兄ちゃん助けて」
涙目で助けを求めてくるパル君の手はご飯粒がびっしりと付いていた
手が小さいから完成したおにぎりも小さい
(モク)「それじゃあパル君にはいいものをあげよう」
そう言って僕はインベントリからお茶碗を2つ取り出した
(パルル)「お茶碗がいい物なの?」
(モク)「そう。これにご飯を入れて具を真ん中に乗せる。そして上に少しご飯を乗せてお茶碗をこうしてふたをする」
そう言いながらお茶碗を片方ひっくり返してご飯の入っているお茶碗にかぶせた
(モク)「そしてこれをよく振ると~…ほら」
ふたを開けるとまん丸い少し大きいおにぎりが完成していた
握ってないからおにぎりとは言わないけど
(パルル)「すごいすごい!やっていい!?」
(モク)「いいよ。振るときは周りに気をつけてね?」
「はーい!」と元気よく返事をしたパル君は教えた手順通りに作り始めた
お茶碗を振るとしっぽも揺れるのが超かわいい
みんなで握ると早いし多く作れるからいいね
警戒に行ってくれていたクロロとルプスを呼び戻してみんなでお昼ご飯を食べた
(ストラ)「モク」
(モク)「はい、お茶!」
(ストラ)「サンキュ」
(リック)「モク兄!」
(モク)「はい、そぼろのおにぎりだよ!」
(リック)「ありがと!」
(モク)「あ、パル君。ご飯粒がついてるよ。…はい取れた」
(パルル)「ありがとうモクお兄ちゃん!」
そんなやり取りをしているとバーキンさんがこちらをずっと見ていることに気が付いた
全然食べてないけど具合でも悪いのかな?
僕?梅干し食べて元気になりましたよ!
(モク)「バーキンさんどうかしましたか?」
(バーキン)「え?あ、いえ。モク君がなんだか皆さんの母親みたいだなぁと思いまして。すみません、モク君は男の子なのに…」
母親みたいか…
そういえば母さんも父さんとこんな感じだったな…
母さん…父さん…
(バーキン)「す、すみません!泣くほど嫌だとは思ってもいませんでした!」
母さんたちのことを思い出していたら涙が出てたみたい
ものすごい勢いで謝ってくるバーキンさんを宥めて泣いた理由を話した
(バーキン)「知らなかったとはいえ不謹慎なことを言ってしまい申し訳ないです」
(モク)「気にしてません。確かに母さんと父さんが死んで悲しいし辛いです。でも、今はストラにリッ君、パル君にクロロたちがいますから。寂しくありませんしね」
笑顔でそう答える
もう二度と壊させはしない
心に強く誓った
(ストラ)「…食い終わったしそろそろ出発しよう」
(バーキン)「そうですね。あ、モク君。この先も道がデコボコしているから気分が悪くなったら言ってね?」
あぁ、あの地獄がまだ続くんですね…
…走るか?
(ストラ)「万が一の時に動けないと困るから無駄に体力消耗するようなことはするなよ?」
先にくぎを刺されました
…おとなしく乗ってよ
またストラの膝を借りよう、そうしよう
クロロとルプスに馬車に付き添ってもらうよう頼んで僕は馬車に乗り込んだ
(バーキン)「今日はここまでにしましょうか」
ごめんなさい
僕のせいで予定していたキャンプ場所にたどり着けなかった
あの後もストラに膝枕をしてもらっていたがやはり酔ってしまい何回も止まってしまった
何か対策を考えないと…
(モク)「ごめんなさい…僕のせいで…」
(バーキン)「気にしないでください。馬車酔いはとても辛いと聞いております。それにしっかりと報告してくれるだけありがたいです。馬車の中で吐かれて積み荷に匂いが移ったりした方がだめですからね」
確かにそうなんだけどさ
ショボンとしているとストラに頭をポンポンとされた
(ストラ)「ああ言ってくれてるんだ。素直に受け取りな。…でも何か考えねぇとな」
(ルプス)『わしの背に乗るか?』
悩んでいるとルプスが提案してきた
(モク)「僕が乗って大丈夫なの?潰れない?」
(ルプス)『モクは軽いからたぶん大丈夫だ。なんなら今乗ってみるか?』
明日になってから乗れないってなっても困るし試してみるか
…僕と同じくらいの大きさなんだけど本当に大丈夫かな?
(モク)「じゃあ、乗るよ?よいしょっと…」
(ルプス)『ふむ。…やはりモクは軽いな。どうだ?わしの背は酔うか?』
そういえば揺れるけど全然気持ち悪くならない
足にルプスの毛が擦れて少しこそばゆいけど気持ちいい
(モク)「ううん、大丈夫。明日お願いしてもいい?」
(ルプス)『任せよ!しっかりと運んでやる!』
頼もしい限りです
今日は主に吐いてるだけの一日だったな…
明日から名誉挽回しなきゃ!




